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指示・伝え方の違いと3人の上司:紙芝居型ブログ ブログ#120

 上司と部下のコミュニケーションの中でも,
指示はいろいろな方法があって,
悩みますね。

 このあたり,
紙芝居でお伝えします。

指示・伝え方の違いと3人の上司

こちらは,A社長です。

A社長は自動車の部品工場を経営しています

 最近,会社の業績が落ちてきたなぁ。やっぱり安い海外の部品がどんどんでまわってきて,利益がどんどん少なくなっちゃってるんだよなぁ。 困ったなぁ。どうしたらいいんだろう

 そうだ,やっぱり,今できる対策としては,経費を削減すること,コストをカットすることだな。それで,残る利益を増やそう

 こうして,A社長は,さっそく,第1工場・第2工場・第3工場それぞれの工場の工場長を呼び出しました。

 コンコン,社長,失礼します。

 工場長のみなさん,今日は,一つ,お願いがあります。今後のわが社の計画として,経費削減・コストカットをより一層がんばってください。

 はい,わかりました。

 こうして,第1工場・第2工場・第3工場の各工場長は,各工場での経費削減・コストカットに取り組むことになりました。

 こちらは,Bさんです。Bさんは第1工場の工場長です。

うーん,なんか,いきなり,社長から経費削減がんばれって言われたけど,いったいどうしようかなぁ。なにから始めようか。

 そうだ!紙を無駄にすることをやめよう。うちの社内では,自動車部品のアイデア出しや,設計図の制作のために,紙を多く使っているから,紙の無駄づかいをやめさせよう。

第1工場のメンバー全員に対して,紙の無駄遣いを一切やめること,紙は裏面まで余すとこなく使い切ってから捨てるルールを作って,それを徹底させよう。

 このように,Bさんは,具体的な対策を自分で考えたので,第1工場のメンバーに対し,次のような,指示・伝え方をしました。

 みなさん,これから,第1工場では,紙の無駄遣いを徹底してなくすことにしました。紙を使うときは,裏面まで余すところなく使い切ってから捨てるようにしてください。

 その結果,このように,第1工場では,工場長が工場のメンバー全員に対し,経費削減策策を,すぐに,具体的に指示したため,工場メンバーによる紙の無駄遣いがすぐになくなり,紙の購入やメモ帳の購入が減り,すぐに経費削減につながり,短時間で効果が出ました。

 他方で,工場メンバーは,突然,経費削減策を押し付けられ,徐々に,経費削減へのモチベーションが下がってしまいました。

また,裏紙を余すとこなく使うことになり,以前よりもアイデアに集中しづらくなり,クリエイティブな作業,独創性が要求される設計の業務の効率化が悪くなってしまいました。

 他方,こちらは,Cさんです。

 Cさんは,第2工場の工場長です。

うーん,なんか,いきなり,社長からコストカットがんばれって言われたけど,いったいどうしようかなぁ。なにから始めようか。

 そうだ!コストカット策を,工場のメンバーそれぞれに考えてもらって,それぞれでやってもらおう。

 このように,Cさんは,具体的な対策を工場のメンバーそれぞれに考えてもらうことにしたので,第2工場のメンバーに対し,次のような,指示・伝え方をしました。

 みなさん,これからは,コストカットが大切です。そのため,みなさん,各自で,それぞれ,コストカットになることを考えて,実行してください。

 こうして,Cさんは,工場のメンバーに対し,コストカット策を,各自,それぞれ,実行するよう指示しました。

 その結果,Cさんは,コストカット策を具体的に指示しなかったため,第2工場のメンバーが経費削減・コストカット策に取り組むまで,少し時間がかかりました。

他方で,各自で,それぞれが考えたコストカット策を行うようになり,内容はバラバラとなりました。

各自が,それぞれ,コストカット策を自ら考えて実行したため,モチベーションの低下はありませんでした。

 他方,こちらは,Dさんです。

 Dさんは,第3工場の工場長です。

うーん,なんか,いきなり,社長から経費削減がんばれって言われたけど,いったいどうしようかなぁ。なにから始めようか。

 そうだ!経費削減策について,工場のメンバー全員で話し合って,考えてもらおう。もちろん,なるべく早く,経費削減に取り組むことはとても大切だけど,現場のことは現場のみなさんが一番情報を持っているんだから,現場のみなさんが話し合って答えを見つけるプロセスが大事だろう。

 その前提として,なかなか,会議って,言いたいことが言えなかったりするから,まずは会議の雰囲気づくりをしよう。安心して発言してもらえるように,アイデア出しの会議は,自由に発言してOK,発言したからってそのまま実行しなければならないわけではなくて,やらなくてもOK。まずは,本音や言いたいことを言える雰囲気づくりをしよう。

 このような考えから,Cさんは,第3工場のメンバーに対し,次のような,指示・伝え方をしました。

 みなさん,これからは,経費削減が大切です。そして,具体的な対策は,最前線の現場にいるみなさんこそが,もっともよく現場を理解していらっしゃるので,現場のみなさんで話し合って答えを探し,改善を繰り返していくプロセスを大切にしたいと思います。

そして,そこで,今後,みなさんで,本音や言いたい事を言える自由な雰囲気を作って,会議をしていきたいと思います。

 こうして,第3工場では,まずは,言いたいことが言える,自由な明るい会議の雰囲気づくりをしました。

そのうえで,効果的な経費削減策について,メンバー全員での話し合いの機会・会議を重ね,意見交換をしたうえで,最終的に,紙を無駄にしないことを全員でがんばろう,という話になりました。

 その結果,紙を無駄にしないための活動をするまでに,3つの工場のなかでもっとも時間がかかってしまいました。

 他方で,最前線の現場のメンバー全員で話し合って決めたことであり,上司から指示されたものではないため,第3工場のメンバー全員が,経費削減について全員一致協力して,効率的に取り組みました。

また,モチベーションを高くキープすることができました。

 以上の結果,1年後の経費削減・コストカットの効果は,結局のところ,第1工場・第2工場・第3工場で,同じ結果となりました。

 以上,Bさん,Cさん,Dさん,3人の上司の指示・伝え方,どんな場面に,どの上司の指示・伝え方がマッチすると思いますか?

    個性と人材育成:紙芝居型ブログ ブログ#119

     人材育成は,どんな会社でも,
    永遠の課題,ですよね。
     
     特に,人はみな違うので,
    過去の成功体験が,
    通用するとは限りません。

     紙芝居でお伝えします。 

    個性と人材育成

     こちらはAさんです。

     Aさんは,とある自動車メーカーの子会社の自動車販売代理店で,中間管理職である部長として,

    毎日がんばっていました。

     今日から入ってくる新人のB君,どうやって成長してもらおうか,期待の新人を任された私の責任は重大だなぁ。さて,どうしようかな。

     そうだ,私が30年前に入社したときに,私を鍛えてくれたバリバリの体育会系の先輩のやり方を思い出して,育成してみよう。

     入社した時は,私も体育会系のノリが大嫌いだったから,何回,会社を辞めたいと思ったかわからないけど,こうして,部長になれたんだから,やっぱり,過去の成功体験って,大事だよな。

     よし,頑張ろう。

     こちらは,B君です。 B君は,温和な顔立ちですが,実はバリバリの体育会系で,いまどきの若者にはめずらしく,出世欲がとても強く,少しでも早く社内で出世したいと思っていました。

     A部長,はじめまして,本日から入社させていただきました,Bと申します。宜しくお願いします。

     はい,こちらこそ,宜しくお願いします。 わが社は,B君にとても期待していますので,

    私も応援していますよ。

     こうして,A部長によるB君の指導が始まりました。 A部長の指導は,かなり厳しいものでした。 A部長は,B君を,毎日,叱咤激励していました。

     B君,営業はとにかく「足」が大事だ。 とにかく,お客さんのところを走り回って,

    どろくさく営業するのが一番なんだから,とにかくなにも考えずに,走り回るんだぞ。

     ある日のことです。

     B君が,仕事で大きなミスをしてしましました。

     おい,B君,君はなんてことしてくれたんだ。 いったいどういうことなんだ。

     こんなミスをするなんてありえないぞ。

     す,すいません,本当に申し訳ございません。 どうか,どうかお許しください

     おいおい,謝れば済む問題じゃないぞ。 猛反省が必要だぞ。

     よし,じゃあ,今から,飲みに行くぞ!!

     A部長はこう思っていました。

    私も,怒るのは好きじゃないけど,B君のために,怒ってあげなきゃな。私も,仕事で怒られた時は,先輩から,よくお酒おごってもらったんだよなぁ。

     先輩,なんだかんだで,いつも気を使ってくれてたんだよな。

     それに,当時は,駆け出しで,おカネがなかったから,ただ酒・ただメシは嬉しかったんだよなぁ。

     他方,B君はこう思っていました。

     A部長,ご自身だってかなり忙しいのに,わざわざ僕のこと,真剣に叱ってくれて,

    そのフォローのために,こうやって,わざわざ,お酒までご馳走してくれて,

    ほんとうにありがたい上司に巡り合えたなぁ。

     それに,ぼく,お給料は,スキルアップのための勉強に,全額投資してるから,いつもお昼もごはんもご馳走してもらえて,本当にありがたいな。

     このように,はたから見ると,A部長は,B君にかなり厳しい鬼上司と思われ,まわりが心配するほどでしたが,B君はむしろA部長に毎日感謝し,ふたりの心の距離は近いものでした。そのため,B君はメキメキと成長し,どんどん昇進していきました。

     その結果,B君は,異例の抜擢で,ほかの店舗の店長へ昇格して,転勤することになりました。

     A部長,この度は,ありがとうございます。 僕が店長になれたのは,すべてA部長のおかげです。 本当にありがとうございます。

     いやいやいや,全て君のがんばりの結果だよ。よくやったなぇ。立派に成長したねぇ。本当のことをいうと,ちょっと必要以上に厳しく指導してしまったのではないかと,心苦しかったんだ。すまなかったね。

     いえいえいえいえ,とんでもないです。 僕のためにここまでして下さって,本当に,本当にありがとうございます。

     その後,A部長は,また,新人の指導を任されることになりました。

     今日から入ってくる新人のC君,どうやって成長してもらおうかな。

     期待の新人を任された私の責任は重大だ。 さて,どうしようかな

     そうだ,やっぱり,今までの体育会系のノリの先輩と同じように,厳しく指導しよう。

     先日のB君も,大きく成長してくれたしな。 過去の成功体験ってやっぱり大事だよな。

     こちらは,C君です。 C君は強そうな見た目とうらはらに,じつはかなり繊細な性格で,

    運動が苦手で,休日は,家にこもって,日本のアニメを見るのが大好きでした。

     体育会系のノリがとても苦手でした。

     A部長,初めまして,本日から入社させていただきました,Cと申します。

     宜しくお願いします。

     はい,こちらこそ,宜しくお願いします。 わが社は,C君にとても期待していますので,

    私も応援していますよ。

     こうして,A部長によるC君の指導が始まりました。

     A部長の指導は,かなり厳しいものでした。 A部長は,C君を,毎日,叱咤激励していました。

     C君,営業はとにかく「足」が大事だ。 とにかく,お客さんのところを走り回って,

    泥臭く営業するのが一番なんだから,とにかくなにも考えずに,走り回るんだぞ。

     C君は,内心,こう思っていました。

     いまどき,ただひたすら走り回れって,そりゃないよなぁ。もうそんな時代じゃない気がする。

     特に,若者は自動車を欲しくないという人が増えてるから,なにか工夫とかアイデアが重要だと思うのに,A部長の下だと,そういうこと考えてる余裕がないよ。

     僕,この仕事,向いてないのかな。

     ある日のことです。

     C君が,仕事で大きなミスをしてしましました。

     おい,C君,君はなんてことしてくれたんだ。

     いったいどういうことなんだ。

     こんなミスをするなんてありえないぞ。

     す,すいません,本当に申し訳ございません。 どうか,どうかお許しください

     おいおい,謝れば済む問題じゃないぞ。猛反省が必要だぞ。よし,じゃあ,今から,飲みに行くぞ!!

     A部長はこう思っていました。

     私も,怒るのは好きじゃないけど,C君のために,怒ってあげなきゃな。C君は,責任感の強い子だから,落ち込んでいるだろうな。励ましてあげないと。私も,仕事で怒られた時は,先輩から,よくお酒をおごってもらったんだよなぁ。

     よし,B君の育成のときと同じように,C君も,厳しく指導して,ただし,しっかりフォローするために,飲みニュケーションを大事にしよう。

     他方,C君はこう思っていました。

     はぁ,お酒の席,嫌なんだよなぁ。 僕って,なんでか,体育会系に間違われちゃうんだけど,

    お酒あんまり好きじゃないんだよね。

     しかもさ,怒られた直後にまで,上司と一緒にいたくないよ。

     お酒がますます美味しくないよ。けど,断れないんだよなぁ。

      あと,お昼ご飯も,よくご馳走してもらうけど,お昼の時間くらい,部長から離れたいよな。

      それに,お給料はちゃんと貯金してるから,食事は,自分で払えるのになぁ。

     このように,実は,A部長とC君の気持ちには,距離がありましたが,

     A部長はこれに気づかず,B君のときと同じように,C君を指導していました。

     半年後のことです。

     A部長お話があります。

     おお,いったいどうしたんだい。

     もうA部長の下ではやっていけません。

     ええ,いったいどうしたんだ?いきなり,なにがあったんだ?

     もうこれ以上,部長のパワハラには付き合えません。

     毎日毎日,あんなに叱りつけるなんて,いくらなんでもやりすぎだと思います。

     それに,休憩時間にもお昼を一緒に食べるように指示されて,業務終了後もお酒に付き合うよう,

    指示されていましたので,その分は,残業代を請求させてもらいます。

     ええ!!いったいどういうことだ。

     どういうことだ,じゃないですよ。それに,実は,僕,親会社に呼ばれて,転籍することになりました。

     実は,僕の趣味の日本のアニメについて,ブログを書いたりして,情報発信をしていたら,

    少し有名になりまして,

     そしたら,親会社の営業企画部からお声がかかりまして,今後の,アニメを使った営業戦略について,プロジェクトを任されることになりました。

     とにかく,もう部長の下にはいられませんし,パワハラの責任はとってもらいますよ。

     ええー,いったい,なんでこうなってしまったんだー!!