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著作権問題:紙芝居型ブログ ブログ#112

 イラスト,写真,スクリーンショットなど,
気が付かないうちに,
著作権違反になっていることがあります。
 
 紙芝居でお伝えします。

<著作権問題>

 Aくんは、新卒で、資産運用アドバイスを主な事業とする大手のコンサルティング会社に入社しました。

 新社会人として、毎日を一生懸命がんばっていました。

 これが社会人生活ってやつかぁ。大変だけど,毎日充実しているなー

 ある日、会社にいたA君に、電話がかかってきました。

 A君,電話ですよ。

 え,僕ですか?

 電話をかけてきたのは,講演・研修の手配・運営を行っている会社の営業マンのBさんからでした。

 Aさん,はじめまして,わが社は,講演・セミナー事業を行っているのですが,ぜひ,Aさんに,投資の入門者の方向けに,株式とか,外貨とか,FXなどについて,資産運用のセミナーを開催してもらえないでしょうか?

 >

 そういったお話であれば,ぜひ,がんばりたいと思いますが,僕は,今まで,セミナーをしたことはなく,人前でしゃべるのも苦手なんですけど,ぼくでいいんですか?

 もちろんです。Aさんは,大手のコンサルティング会社さんにお勤めのエースコンサルタントとうかがっておりますので,ぜひ,お願いしたいです。

 恐縮です。わかりました。がんばります。

 こうして,A君は,セミナーの依頼があったことから,セミナーの準備にとりかかりました。

なんだか,伝えたいことをまとめていたら,レジュメがすごい量になっちゃったな。どうしようかな。

そうだ,文章ばかりだと読みづらいし,セミナーも面白くないだろうから,レジュメの量を少なくして,当日,会場で上映するスライドをたくさん増やして,たくさんのイラストを使って,イラストで説明することにしよう。

イラストはどうやって手に入れようかな。とりあえず,インターネットを見てみよう。

フリーイラスト・素材提供サイト,へー,こういうのがあるんだぁ。便利だなぁ。

でも,イラストって,たしか,著作権の問題があるから,勝手に使っちゃいけないんじゃなかったかな。

あ,利用規約っていうページがある。見てみよう。

うわ,すごい量で,難しい言葉ばかりで読めないぁ。

でも,上のほうに,「商用利用可」「著作権フリー」って書いてある。

なんだ,ということは,ここにあるのは全部,自由に使っていいってことだな。

 ヤッター,ラッキー。

 こうして,A君は,無事,セミナーのレジュメと当日上映するスライドを完成させました。

 そして,セミナー当日,A君ははじめてのセミナーながら,持ち前の表現力と,受講者の気持ちをおもんぱかった丁寧な説明と,たくさんのイラストを用いて,プレゼンをした結果,セミナー当日は大成功に終わり,受講者の満足度もとても高い結果となりました。

 後日

 A君は,C社長から呼び出されました。

 C社長です。

 A君,ちょっと来てくれ

あ,C社長,はい,なんでしょうか。

いやーA君,きみがんばったねぇ。先日のセミナー,大成功だったらしいじゃないか。セミナー主催会社さんも,とても喜んでいたよ。さすがわが社と言われたよ。

私も鼻が高いよ。これからもその調子で,わが社を引っ張って行ってくれ

社長,そういってもらえて,とてもうれしいです。もっとがんばります。

後日

BさんからA君に電話がかかってきました。

Aさん,大変です。先日のセミナーの件なんですが,Aさんが使われていたたくさんのイラストについて,著作権者だという方から,クレームの電話がありました。

無断で,イラストを使うなんて許せない,今回のセミナーの受講料の半額を損害賠償と支払え,などと言われていまして。

うちの信用にもかかわることで,うちも困っています。

Aさん,もしかして,先日のたくさんのイラスト,著作権の確認はしていなかったのですか?

ええ!!そんはなずないです。ちゃんと,確認したんですけど,

もう一度,確認して,連絡しますね。

はい,わかりました。

急いで,インターネットを確認してみよう。

あれ,こないだ,イラストをダウンロードしたサイトが,インターネット上から消えちゃってる。いったいどういうことなんだろう。こまったなあ。

そうだ,利用規約だけは,コピーしておいたんだよな。

これをもって,弁護士さんのところに,相談に行ってみよう

Aさん,どうもこんにちは。

今日は,どういったご相談ですか?

はい,今日は,著作権について教えてもらえますでしょうか。

というのは,先日,私,資産運用についてのセミナーを開催したのですが,その際,イラストをたくさん使って説明した方が,わかりやすいと思いまして,インターネットで検索して,「著作権フリー」「商用利用可」と書いてあるサイトから,イラストをダウンロードして使ったんです。

そうしたら,突然,著作権者という方から連絡があって,著作権侵害だから,セミナー受講料の半額を損害賠償として支払えとか,セミナー会社さんの信用が落ちてしまったり,大変なことなってしまっているんです。

なるほど,それは大変ですね。

実は,最近,そういったトラブルが増えてるんですよ。

え,どういうことですか

はい,トラブルになるのは,いろいろなケースがあるのですが,インターネット上では,「フリー素材」とか「商用利用可」などと記載して,イラストがダウンロードできるようになっているものの,実は,まったく,著作権やその使用権を持っていない人が無断で,イラストを掲載していて,ある日突然,そのサイトが閉鎖になったり消えてしまっていたり,責任の所在が不明になってしまうというケースがあります。

ほかにも,サイトの冒頭やトップページでは,「著作権フリー」などと書いてあっても,違うページでは,小さい文字や,目立たない文字で,「料金を支払った人がだけが利用できる有料のイラストです」というような注意書きがかかれていたりすることも,あるようです。

さらに,小さい文字で書かれた利用規約の中で,使い方を制限していて,講演やセミナーなどで使うなら有料になるとか,インターネット上で公開するなら有料になるとか,実は,いろいろ制限がついていたりすることもあります。

そのため,著作権は,本当に難しいんですよ。

そうだったのですか。ということは,今回の僕のケース,法的にも,損害賠償責任を負うのでしょうか。

残念ながら,その可能性はありますね。

ええー,そんなぁ

    代理権濫用:紙芝居型ブログ ブログ#111

     大切なことを誰かにたのむときは,
    親族であっても注意が必要です。
     
     その一例を,
    紙芝居でお伝えします。

    代理権濫用

    Aさんは,地主で,複数の不動産を所有していました。

    最近,体調が思わしくなく,また物忘れが激しくなったと自分で自覚していました。

    そのため,Aさんは,管理する不動産を少なくしたいと思い,所有していた不動産のうち,アパートの売却をしようと思いました。

    しかし,Aさんは,実の息子とは仲が悪く,相談できませんでした。

    ただ,孫のB君は,とてもかわいがっていました。

    B君です。B君は,Aさんの孫で,現在,20歳です。B君は不動産屋さんに勤務していました。Aさんは,B君にアパートの売却を任せようと思い,B君を自宅に呼びました。

     おじいちゃん,来たよー,今日はどうしたの?

    おー,B君,よく来てくれた。今日はね,君に,個人的に,アパートの売却を依頼したいと思って。

    ワシが持ってるアパート,売却してもらいたいんじゃ。

    交渉も手続も売却金額の結締も一切きみに任せる。

    ワシは親族でB君を一番信頼してるから,全部任せたい。B君にも良い社会勉強になるだろうしね。委任状とか印鑑証明とか,必要書類全部,ここに入ってるから,わたしておくからな。

    >     

     おじいちゃん,わかったよ。勤務先の不動産会社で鍛えた僕の腕前を披露するよ。

     高値で買ってくれるところ探してくるから,期待して待っててね

    このアパートは,市場価格で約3000万円程度でした。

    Aさんとしても,このアパートは,だいたい3000万円くらいの価値があると思っていました。

    ところで,実は,B君は,ギャンブル依存症でした。

    そのため,長らく,カードローン・キャッシングをしては返済することを繰り返していましたが,

    最近,悪徳業者から高利でお金を借りてしまい,さらに,返済が苦しくなっていました。この悪徳業者からの執拗な取立ての連絡は,すさまじいもので,B君は,精神的にも,追い詰められていました。

     あー,困った困った,最近,借金の督促がすさまじいよ。怖くてしょうがない。最近は職場にも電話来るようになっちゃって。はー,まずいなー。

    悪徳業者です。

    もしもし,Bさん,わかってますよね。さすがにそろそろちゃんとしてくれないと,どうなるか,わかってますよねぇ。

     そうだ,Bさん,先日,おじいさんから,不動産の売却頼まれたって,言ってましよね。

     じゃあ,こうしましょう。

     その不動産,市場価格の2割,つまり600万円で売ってくださいよ。

     そしたら,その600万円と,市場価格との差額が,ちょうど,Bさんのうちへの借金と同じくらいですから,これでチャラってことでもううちから連絡することもなくなりますから。

     ええ,そんな,それじゃあ,安すぎますよ

     なにぃ,借金の返済もしないでなにえらそうに言ってるんですか。

     ひ,ひえぇ。す,すいません

     こうして,B君は,悪徳業者の提案に従い,600万円をうけとり,アパートを売却してしまいました。

     B君は,Aさんに報告にいきました。

     おじいちゃん,例のアパートなんだけど,600万円でしか売れなかったよ。

     はい,これ,600万円,ちゃんと渡したからね。

     ええ,そんな,さすがに600万円は安すぎるじゃろ。

     全部任せるとは言ったけれども,600万円だったら,わしは売らんよ。

     でも,もう売却済みで,登記も移転しちゃってるんだ。

     な,なにー。じゃあ,ワシが直接,買主に連絡して,元に戻してもらう。そんな非常識な話があるはずがない。先方の電話番号を教えなさい。

     プルルル

     もしもし,今回,アパートを売ったAですがね。代金額600万円だなんて,安すぎるでしょう。非常識じゃないですか。600万円はすぐに返しますから,アパートの登記を戻して下さい。

     Aさん。あなた何を言ってるんですか。どうして600万円が安すぎるなんて断定できるんですか。近隣にはまったく同じ建物なんてないんだから,唯一無二なんですよ。しかもね,最近,となりの敷地の地主から,アパートの建物が越境してるなんて言われて,裁判起こすなんて言われちゃってるんですよ。

    とにかくね,こっちはね,ちゃんとあなたの委任状とか,印鑑証明書とか,必要書類は全部確認して,しっかりと手続をしてるんですよ。

     この書類は全部,本物ですよね?あなたが,Bさんに全部任せると言って任せたんですよね?だったら,取引は有効じゃないですか。そんなこと,常識でしょ,ガチャ

     切られてしまった。困った。しかも,たしかに,向こうの言うことは正論かもしれん。それに,まともに,話すらできない。どうしたものか

     そうだ,弁護士さんに相談してみよう

     こんにちは。今日は,どういったご相談ですか?

     Aさんは事情を説明しました。

     なるほど,それは困りましたね。というのは,

     Aさんが,B君に,アパートの売却をすべて任せたこと自体は間違いないとのことですと,

    代理人の権限の範囲内の売却ですから,それは有効な売買が行われたことになります。

     相手方の立場にたってみると,正式な代理人から,代理権の権限の範囲内で,取引をしているので,相手方のその取引が有効に行われたという信頼は,保護する必要があるんです。

     やっぱりそうなんですか。私が,Bのやつに,すべてを任せるという判断が間違っていたということでしょうか。

     そうかもしれませんねぇ,買主を見つけるところまでは任せるけれども,最終的な金額の決定であるとか,契約締結までは,任せない方がよかったですね。

     しかし,それにしても,変ですよね。600万円で売却するなんて,なにかウラがあるはずです。

     この点,B君は,やはり,なにも語ろうとしないですか?

     そうなんです。なにも言わないんですよ。とにかく買主を必死に探したけど,600万円でしか売れなかったの一点張りで。

     なるほど,そうなのですね。先ほど,私は,相手方が,正式な代理人との間で,代理権の範囲内で,有効な取引が行われたという信頼を保護する必要があると言いました。

    ただし,もし,その相手方に特別な事情,つまり,この取引が有効に行われたという信頼の保護が不要な場合は,その取引は,Aさんに効果が発生しないことがあります。

    たとえば,代理人がその代理権を濫用して,代理人のために取引を成立させたことを,取引の相手方も知っていた,などの場合です。この場合には,その取引は,本人に効果が帰属しなくなるのです。

     なるほど,そういった状況であることを立証できればいいのですね。Bのやつが,自分のためにアパートを売却したことを,先方も知っていたという場合か。でも,Bのやつは何も言わないし,相手方はまともに話もできない状況でして。

     そうでしたか。困りましたねぇ。

     プルルル お,電話だ。先生,ちょっとすいません。もしもし,え,警察,え,事情聴取ですか,わかりました,伺いますけど,どういった内容ですか?ええつ,アパートの買主の悪徳業者が逮捕された,ええっ,Bのやつとグルになって取引を成立させた,そうだったんですか。わかりました。

     先生,今,警察から連絡が入りまして,なんと,アパートの買主の業者,Bのやつが借金があることを利用して,Bとグルになって,格安で取引を成立させたらしいんです。別件の捜査の過程で,たまたま判明したみたいです。

     おお,そうだったのですね。それでしたら,代理権濫用であることを,相手方の業者も知っていたということですから,このアパートの売却は,なかったことにできるかもしれませんよ。

     やったー,これでアパートを取り戻せるかもしれない!!