売上がどれだけ上がっても,
経費がそれを上回ってしまうと赤字,
売上が上がらなくても,
経費が少なくなれば黒字,
利益が出ますね。
このあたりのバランス,
職場ごと,会社ごと,タイミングによって,
正解は変わるので,
社員のみなさんで話し合う場があるといいですね。
そのお題提供になる紙芝居を作りました。
売上と経費のバランス
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こちらは,A社長です。
A社長は自動車の部品工場を経営しています
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最近,会社の業績が落ちてきたなぁ。やっぱり安い海外の部品がどんどんでまわってきて,利益がどんどん少なくなっちゃってるんだよなぁ。 困ったなぁ。どうしたらいいんだろう
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そうだ,やっぱり,最前線の現場の情報が一番重要だから,うちの第1工場から第3工場の,それぞれの工場長に,今できる対策を相談してみよう。
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こうして,A社長は,さっそく,第1工場・第2工場・第3工場それぞれの工場の工場長を呼び出しました。
コンコン,社長,失礼します。
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工場長のみなさん,今日,来ていただいたのは,お気づきかもしれませんが,やはり,わが社の業績がどんどん落ちています。みなさんのお力をお借りして,業績をあげていきたいのです。ぜひ,みなさん,それぞれ,最前線の現場の情報を活かして,業績アップ策を実行してください。
はい,わかりました。
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こうして,第1工場・第2工場・第3工場の各工場長は,それぞれ,各工場で,業績アップ施策に取り組むことになりました。
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こちらは,Bさんです。Bさんは第1工場の工場長です。
Bさんは,強気で,イケイケな性格でした。
うーん,社長から指示のあった,業績アップ策の実行,いったいどうしようかなぁ。なにから始めようかな。
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やっぱり,売って売って,売りまくるしかない。その分,経費がかかってしまうかもしれないが,それはとにかく売上を上げてから考えよう!!
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このように,Bさんは,とにかく,売上アップを最優先にしました。そして,第1工場のメンバーに対し,次のような,指示をしました。
みなさん,これから,第1工場では,とにかく,売上アップを最優先にします。その分,経費がかかってしまうことはしょうがないですから,とにかくどんどん売上アップに努めてください。
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その結果,第1工場では,メンバー全員が売上アップを重視して売上を増やしていきました。
その分,経費もどんどん増えていってしまいました。
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とはいえ,第1工場では,去年よりも業績はアップしました。
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他方,こちらは,Cさんです。
Cさんは,第2工場の工場長です。
Cさんは,もともと,ディスカウントストアに勤務していたため,値下げをして商品を販売することが得意でした。
うーん,社長から指示のあった,業績アップ策の実行,いったいどうしようかなぁ。なにから始めようかな。
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そうだ!やっぱり,たくさん売るためには,値下げをしよう。値下げをすれば,お客さんが喜ぶから,その分,たくさん商品が売れるはずだ。
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このように,Cさんは,値下げをして商品をたくさん売ることを考えました。そして,第2工場のメンバーに対し,次のような,指示をしました。
みなさん,値下げをすれば,商品がどんどん売れますから,これからは,商品をたくさん売るために,値下げをしてどんどん商品を売ってきてください。
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その結果,たしかに,商品の販売数は増え,売上高は上がりました。
他方で,値下げをしてしまったため,一つの商品あたりの利幅は少なくなってしまいました。
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とはいえ,第2工場は,去年より業績がアップしました。
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他方,こちらは,Dさんです。 Dさんは,第3工場の工場長です。
Dさんは,とても慎重な性格でした。
うーん,社長から指示のあった,業績アップ策の実行,いったいどうしようかなぁ。なにから始めようかな。
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うーん,業績アップと言っても,そんなに簡単なことではないから,やっぱり慎重に行動しよう。もう一度,商品の制作過程の無駄などを改善したり,商品の付加価値を増やしたり,客先の開拓活動を見直そう。
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このような考えから,Cさんは,第3工場のメンバーに対し,次のような,指示をしました。
みなさん,昨今,わが社は業績が落ちています。よりいっそう,努力していく必要があります。
そこで,今一度,商品の制作過程の無駄などを改善したり,商品の付加価値を増やしたり,客先の開拓活動を見直すなど,みなさんご協力をお願いします。
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その結果,第3工場では,第1工場や第2工場ほど,売上はアップしませんでした。
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とはいえ,去年よりは業績がアップしました。
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以上の結果,第1工場と第2工場は,第3工場に比べて売上がアップしました。
しかし,売上から経費を差し引いた利益の額は,3つの工場で,まったく同じ結果となりました。
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みなさんの職場では,Bさん,Cさん,Dさん,3人のうちのどの方法が良いと思いますか?