多能職:紙芝居型ブログ ブログ#256

「30分ミニ社員研修教材」

 一人が複数の仕事を担当できるようになることについて
意見交換したい人のための
研修教材です。

<多能職>

 こちらは,とある,ホームページ制作会社に勤務する中堅社員のA子さんです。

 A子さんは,もともと頭脳明晰で,パソコン作業が大好きで,A子さんは見た目がとてもきれいなプレゼン資料を作ることがとても得意でした。

このA子さんが勤務するホームページ制作会社には,主に,法人などの比較的規模の大きい団体のホームページ制作を請け負う法人部門と,個人事業主のホームページ制作を請け負う個人部門がありました。

A子さんは,入社当初から法人部門に配属され,A子さんが作るプレゼン資料が法人に気に入られることが多く,なんと,入社10年を経て,A子さんは法人部門のトップである部長に就任することになりました。

やったー,やったわ。わたし,とうとう法人部門の部長になれたわ。

この10年間,プレゼン資料だけは大得意だったから,誰にも負けたくなくて,死に物狂いでプレゼン資料作りに取り組んできたおかげで,気が付いたら成績も会社で一番になってて,とうとう部長になれたわ。

さあ,わたしが部長になったらからには,ビシバシ指導して,まだまだどんどん業績あげちゃうわよ。

このようにA子さんは,法人部門の部長に就任して,ますます,仕事のモチベ―ションが上がっていました。

それから3年後のことです。A子さんが部長に就任してから,会社の売上はますます右肩上がりになっていました。

しかし,その反面,A子さんの態度が大きいことから,社内の人間関係がどんどん悪くなっていってしまいました。

ある日のことです。

 こちらは,A子さんの部下のBさんです。

 部長,すみません,ご相談がありまして,来週のプレゼン,2パターン作ったのですが,どちらがよいか見てもらえませんでしょうか。

 はあ,何言ってんの,そんなの自分で判断できなくてこの先どうするの?私は,いま,うちの会社で最高額案件に集中してるからそんな小さい案件見てられないわよ。

 え,あ,す,すみません,はい,自分で判断できます,大丈夫です。

 また,ある日のことです。

 こちらは,A子さんの部下のCさんです。

 部長,すみません,個人事業主部門の部長から,今後の会社の方針について相談がしたいという連絡が入りました。どうしましょうか?

 A子さんは内心,こう思いました

 個人事業主部門が今後の会社の方針?何言ってんだか。うちの法人部門が会社の稼ぎ頭なんだから,私の方針が会社の方針みたいなもんじゃない。まったく

 C君,いま忙しいからまた連絡するって言っておいて。

 え,いいんですか,あ,はい,わかりました,

 こちらは,D社長です。D社長は,若いころから絵を描くことが好きで,このホームページデザイン会社を立ち上げました。若いころ,たくさん苦労したことから,若者を応援するのが大好きでした

 うーん,A子さん,実力は間違いなくわが社で一番だし,業界でも彼女に勝てる人はなかなかいないだろうけど,最近,だいぶ孤立しちゃってるなぁ。かわいそうだなぁ。なんとかして,彼女を人間的にも成長させてあげたいなぁ。いずれはわが社の役員にもなってもらいたいしなぁ。

 かといって,こういうことは,言葉で伝えても伝わるものでもないしなぁ。

 そうだ,よし,思いついた。彼女には,個人事業主部門のトップ,部長になってもらおう。

 こうして,D社長は,A子さんに対して,個人事業主部門の部長になるよう辞令を出しました。

 辞令を見たA子さんは猛烈に怒ってD社長の社長室にやってきました。

 社長,これいったいどういうことですか!なんで法人部門で一番結果を出してて,社内で一番売上上げてる私が,個人事業主部門の部長なんてやらないといけないんですか!わたしのどこがいけなかったんですか?

 いやいや,A子さん,君は全く悪くないよ。むしろそれどころか君のことをとても高く評価しているんだ。実際,キミがわが社で一番の成績を上げている。君がわが社を一人で支えていると言っても過言ではないくらいだよ。そこでね,いよいよ,君には,わが社の役員になってもらおうと思っているんだ。そのためには,わが社の業務を一通りすべて把握してもらいたいと思ってね。

 えっ!そういうことだったんですね,わかりました,がんばります。

 こうして,A子さんは個人事業主部門の部長になりました。

 ところが予想外の事態が起きました。

 なんと,A子さんの法人向けのプレゼンが,個人事業主ではまったくうけなかったのです。結果,A子さんはみるみる成績が下がっていってしまいました。

 ええー!個人事業主部門ってこんなに大変だったの?法人に比べて受注額も少ないからたいしたことないって思ってたのに,こんなに私の力が通用しないなんて。

 こうして,A子さんは大きな壁にぶつかりました。しかし,それでも,不屈の闘志であきらめないA子さんは,仕事にチャレンジし続けました。また,法人部門で培ったノウハウを,個人事業主部門でも応用できないか,試行錯誤を続けていました。

そうしたところ,少しずつポイントがわかるようになりました。そして,なんと,3年後には,部長就任前の業績額を超えるほどになりました。

 ある日,A子さんはこう思っていました。

 はあー,あれからもう3年もたったのかぁ。個人事業主部門に来たときは,法人向けと全然やり方が違うからどうなっちゃうのかと思ったけど,頑張り続けたら,やり方やポイントのちがいがよくわかったわ。仕事って奥が深いってこと,学んだわ。

 ある日,社長がA子さんのところにやってきました。

 おー,A子さん,今日もがんばってくれてますね。いつもありがとう。ところで,今日はA子さんに話が合ってきました。実は,今度は,A子さんには経理部門に移ってもらいたいと思っています。お願いできますかな?

 はい,わかりました。がんばります。

 あ,あれ,A子さん,いいんですか?経理部門ですよ。ほんとにいいんですか?

 はい,もちろんです,がんばります。

 あれれ,なにか心境の変化でもあったのですか?

 はい,じつは,社長,お恥ずかしいのですが,私,法人部門で業績トップになって,天狗になってしまってまして,でも,個人事業主部門に移ってわかったんです。会社の仕事ってやっぱり役割分担が大切で,どの仕事も大切だから分担してるんですよね。それで,いろいろな複数の仕事ができるようになると,いざってときに助け合える,フォローし合えるって思いました。もちろん,個人のスキルアップにもなりました。

それと,もう一つ,複数の仕事を経験すると,片方の仕事のコツとかポイントを,ほかの仕事でも活かせる,応用できると思いまして。思いつくこととか,発想の幅,アイデアが広がると思いました。

だから,すごい成長できたと思うし,今まで見えてなかったものが見えるようになる気がするんです。

なので,経理部門にいったらまた苦労するとは思うんですけど,また成長できて,いろいろ見えるものが変わると思ったんです。

 おお,そうだったんですね。それは素晴らしいです。頑張り屋で絶対あきらめないA子さんなら,なんだってできると信じていますよ。

 はい,ありがとうございます,がんばります

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