「30分ミニ社員研修教材」
パワハラを予防するために
みんなで意見交換したい人のための
研修教材です
<これってパワハラ?>
ナレーション
こちらは,とあるファミレスに勤務するAさんです。Aさんは,とてもマジメな頑張り屋さんであったため,若くして,ファミレスの店長に就任することができました。
A店長
やったー,僕も,やっと,お店の店長になれたぞ。うっれしいなぁ,ますます,仕事がんばって,お店の業績あげるぞー,がんばるぞっ
よーし,僕が店長になったからには,どんなお店にしようかな。
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A店長
そうだ,やっぱり,学生時代の部活のように,なんでも腹を割って話し合えて,どんなことでも情報共有しながらガッチリスクラム組んで,みんなで体当たりしまくる,そんなお店にしたいな。とすると,大事なのは毎日コミュニケーションたくさんとることが大事だな。よし,がんばるぞ
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ナレーション
こちらは,アルバイトのB君です。
ちょうどB君が出勤してきたところでした。
B君
あ,A店長,おはようございます。本日も宜しくお願いします。
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A店長
おー,B君,おはよう。今日もよろしくねー。
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ナレーション
このとき,A店長は,B君がいつもより少しだけ,元気がないように感じました。
A店長
あれれ,なんだか,B君,いつもはもっとハキハキしてて,大きな声で,「ありがとうございましたー」っていうのに,なんだか,ちょっとだけ,いつもと違う感じがするなぁ。
ナレーション
このように思ったA店長は,B君に声をかけてみました。
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A店長
B君,今日もおつかれさま。今日もがんばってくれて,ありがとね。
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B君
あ,A店長,おつかれさまです。今日もありがとうございました。
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A店長
B君,調子はどう。B君もだいぶ仕事慣れてきたよね。B君の明るさは,お客さんにも,受けがとてもいいよ。ありがとね。
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B君
あ,はい,そういってもらえると嬉しいです。ありがとうございます。
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A店長
あれ,B君,なんかさあ,ちょっとだけいつもより疲れてるような感じがするんだけど,大丈夫?なにかあったのかな,なにかあったなら,話してみてくれない?
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B君
え,あ,わかりますか,店長ってすごいですね。実は,ちょっと,おばあちゃんの具合が悪くて,ちょっと心配でして。自分,おばあちゃん子だったんですよ。
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A店長
あ,そうだったの,それは心配だね。B君さ,今週ずっとシフト入ってるけどさ,無理しないでね。なにかあったら,連絡してもらえれば代わりに入るからね。
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B君
あ,ありがとうございます。気づいてもらえて,気を使ってもらえて,ぼく,すごい嬉しかったです。
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ナレーション
このときAさんはこう思っていました。
A店長
やっぱり,コミュニケーションたくさんとるって,大事だなぁ。B君,そういう事情があったのかぁ。B君の変化に気づいてあげられて,よかったよかった。
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ナレーション
また,ある日のことです。
こちらは,アルバイトのC君です。
ちょうどC君が出勤してきたところでした。
C君
あ,A店長,おつかれさまです。
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A店長
おー,C君,おはよう,今日もよろしくねー。
ところでさぁ,C君,C君いつも土曜日にシフト入ってたけどさ,今月全然はいってないじゃん。どうかしたの?
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C君
え,あ,いや,特に理由はないです。ホントにないです。
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A店長
えー,なに,なんか変じゃん,どうしたのC君,なんかいつもと違うじゃん。何か理由があるなら教えてよ。なにか力になれることがあったら力になりたいからさ。
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C君
え,いや,A店長,本当に,特に理由はないんですよ。
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ナレーション
この時,C君は内心,こう思っていました。
C君
本当は,人生で,はじめて,女の子とデートになるかもしれないんだけど,そんなこと,恥ずかしくて人に言えないよ。もしかしたら,なにか大失敗とかしちゃったりしたら,恥ずかしいし。絶対言えないよ。
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ナレーション
C君は,内心,このように思っていたにも関わらず,Aさんは,その後も,たびたび,C君が土曜日のシフトに入らない理由を聞き出そうとし,このような会話を繰り返していました。しかし,C君は答えませんでした。
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ナレーション
また,ある日のことです。
A店長
お,C君,そのスマホ,最新型のやつじゃん,うわー,いいなぁ。ちょっと見せてよ。あ,なんか今,ちらっと女性の写真が見えた,もしかして,彼女?彼女でしょ,ちょっと見せてよ見せてよ。C君彼女いるの?
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C君
え,い,いや,いませんよ,ちがいますよ。
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A店長
なんだよ,C君,ノリ悪いなぁ。おれたち仲間じゃん,がっちりスクラム組んで仕事したいんだからコミュニケーションとろうよー。
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C君
え,あ,は,はあ・・・。
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ナレーション
また,ある日のことです。
こちらは,アルバイトのDさんです。
Dさんは,性格はマジメであったものの,少し,おっちょこちょいな性格で,たびたび,注文を受けるときに,注文を一品聞き取りミスしてしまうことを繰り返していました。
そのため,お客様を長時間待たせて怒らせてしまい,Aさんが平謝りをするということが連続していました。
しかし,D君は,料理の制作や提供やお会計をミスすることはありませんでした。
そして,このD君,本日もまた,注文の聞き取りミスをして,お客様を激怒させてしまいました。
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お客
おおい,いったいどうなってんだ。デザート注文したの,一時間前だぞ。お店が忙しいんだろうからと思って,催促しなかったけど,もう我慢ならん。いったいこの店はどうなってるんだ!!
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A店長
お客様,大変申し訳ございません。どうか,どうかお許しください。
うちのアルバイトの者が,お客様を長時間お待たせしてしまいまして,大変申し訳ございません。本日のお代は結構ですので,どうかお許しください。
ナレーション
このように,D君は,何度も何度も,同じミスを繰り返していました。
しかし,それでも,A店長は,とにかく,みんな仲良く,がっちりスクラムを組んでがんばっていくお店を作りたいと思っていたので,D君が,何度も同じミスをしても,D君を責めることはしませんでした。D君の成長を願って,D君の成長を信じていました。
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D君,オッケーオッケー,誰にだってミスはあるよ。仕方ないよ。ミスしても,次がんばればオッケーさ。どんどんチャレンジしていこうぜ。
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そして,また,ある日のことです。D君は,また同じミスをして,お客様を激怒させてしまいました。
そして,とうとう,A店長は,何度も同じミスを繰り返すD君に,堪忍袋の緒が切れてしまいました。
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A店長
D君,君さ,いったい,何回,同じミスするのさ。君の成長を信じてさ,ひたすらフォローしてきたけどさ,さすがの私も,もうあきれちゃうよ。もう今日は,裏で皿洗いだけやってて。
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ナレーション
それからしばらくたってからのことです。
その後,A店長のお店では,全席,タブレットで注文するようにシステムが変更されました。そのため,お店のスタッフが注文を取りに行くことはなくなり,メニューの料理の制作と提供とお会計が主な仕事になりました。
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ナレーション
ある日,また,D君が出勤してきました。
D君
あ,A店長,おつかれさまです。
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A店長
あー,D君,おつかれさま。
D君は,今日は,皿洗いを頼むよ。
ナレーション
このように,その後も,A店長は,D君に,皿洗いだけをさせていました。