後継者不在問題:紙芝居型ブログ ブログ#234

「30分ミニ社員研修教材」
 今,日本中で後継者不在問題が起きています。
 その大変さ,紙芝居にしてみました。

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<後継者不在問題>

 こちらは,A社長です。

A社長は,イベントなどのお弁当やケータリングなどの食事を提供する会社を経営しています。

A社長の会社は,すでに15年という長い社歴があります。

長年の経営で培った経験により,季節ごとのイベントのお弁当やケータリング需要を的確に予測するとともに,イベントごとに最適なメニューや適切な価格のアドバイスをする技術が卓越しており,発注主であるイベント会社から高い評価を受け,信頼されていました。

 ところが,そのA社長,なにやら,困った顔をしています。

A社長の会社は,15年という長期間にわたって会社を経営し続けてきましたが,未だに,社長がトップ営業マンであり,社長以上に営業力がある社員や,社長以上にマネジメント力のある社員がまだ育っていませんでした。A社長は,現在,65歳でした。

 うーん,わたしも,15年にわたって,お弁当とか,ケータリングを提供してきたけれど,なかなか私を超える人財,会社を引き継いで任せられる人財を育てるというのは難しいものだなぁ。

 はたして,このままでいいんだろうか。

 プルルル,プルルル,おっと電話だ。また取引先から電話だ。いかんいかん,考え事してる場合じゃなかった,とにかく,毎日忙しい仕事をとにかくこなしていくのが先決だな。

 このように,A社長は,毎日,営業活動でいそがしく,どんどん契約を受注しては,お弁当やケータリングを提供する毎日を過ごしていました。

 ある日のことです。

 ある日,会社に,A社のメインバンクである信用金庫の担当のBさんがやってきました。

 A社長,こんにちは。あいかわらず,とても繁盛しているようで,お忙しそうですね。

 おお,Bさん,いつもお世話になっております。先日も新規の融資をしていただいて,とても助かりました。いつも本当に,ありがとうございます。

 いえいえ,こちらこそ,いつもご愛顧いただきまして,本当にありがとうございます。

 ところで,A社長,昨今,会社の事業承継とか,後継者問題という話が,よく話題に上がっていますが,御社は,いま,どんな感じか,伺ってもよいでしょうか。

 え,後継者ですか,うーん,そうですね,まだ具体的には考えていないですが,うちの社員はみなガッツのあるものがたくさんいますから,きっと大丈夫だと思いますよ。

 それに,今は,人生100年時代ですし,私はまだまだずっと現役ですから,まだそういう心配はないと思っています。

 なるほど,ガッツがある,いいですね。人生100年時代,そうですね。A社長は本当にパワフルで,いつも走り回っているようにお見受けしております。さすがですね。

 しかし,Bさんは内心,こう思っていました,

 うーん,どうやら,A社長のところには,後継者がいないのかもしれないな,いるなら紹介してくれるだろうし。仮にいたとしても,A社長はまだそこまで深く考えていない様子だなぁ。

 これは,気を付けておかないと,万が一,A社長になにかあったら不安だなぁ。次回の融資はちょっと厳しいかもしれないなぁ。このあたりは慎重に考えておこう。

 またある日のことです。

 A社長は,お得意先であるイベント会社の担当のCさんと話をしていました。

 こちらがその,お得意先のCさんです。

 どうも,A社長,いつも納品ありがとうございます。先日も,御社のケータリング,味も量も値段もバッチリでした,やっぱり,さすが,長年の経験はすごいですね。

 どうも,Cさん,いつもわが社をご愛顧いただきまして,本当にありがとうございます。わが社は御社で成り立っていますので,どうか今後とも,よろしくお願いします。

 ところで,A社長,御社では,いつもA社長が現場を取り仕切ってくださっていますが,A社長もいつも大変だと思いますので,よかったら,次回は,部下の方に現場を取り仕切ってもらえませんか。

 わが社としては,ぜひ,御社と長いお付き合いをしたいものですから,部下の方とも,これから一緒に仕事をして,地道な信頼関係づくりをしていきたいと思っておりまして。

 は,はあ,部下ですか,そうですね,えーと,わかりました,では,徐々にそうしていきますね。

 うちにはガッツのあるものがいっぱいおりますので。

 おお,ぜひぜひ,宜しくお願いします。さっそく来週あたり,その方とミーティングでもしませんか

 あ,えっと,来週はちょっとスケジュールが埋まってまして,こちらからまた日程調整のご連絡をさせていただきますね。

 そうですか,では,お待ちしてますね。楽しみにしております。

 このとき,Cさんは内心,こう思っていました。

 うーん,どうやら,A社長のところは,部下があまり育っていないのかもしれないなぁ。後継者的な人財もいないのかもしれないなぁ。

 A社長は,たしかに,信頼も実績もあるすごい人だけれども,A社長ももうかなりの年齢だから,いまのうちから次の世代の方とコミュニケーション取りたかったのだけれど,そういう人財がいないとなると,万が一A社長になにかあったときのために,リスクヘッジのために,ほかの会社とも付き合っておかないとなぁ。

 そうすると,徐々に,ほかの会社への発注も増やしていかないとなぁ。

 またある日のことです。

 A社長は,下請けのお惣菜提供会社のD社長と話をしていました。

 こちらがそのD社長です。

 このD社長の会社は,製造しているお惣菜をほとんどすべて,A社に納品していました。

 あ,どうも,A社長,いつもお世話になっております。

 いつもわが社のお惣菜を使って頂いて,本当にありがとうございます。

 わが社のお惣菜は,ほとんどすべて御社に納品させていただいておりますので,御社あってのわが社です。本当にありがとうございます。

 いえいえいえいえ,D社長,なにをおっしゃいますか。御社がお惣菜を作ってくださるから,わが社があるんです。こちらこそ,本当にありがとうございます。

 ところで,A社長,うちは,だいぶ前から,息子に事業のやり方を仕込んでまして,いよいよ育ってきたものですから,私ももうよいトシですから,私が元気なうちに,一緒に現場を動かしていこうと思っていまして,ぜひ,今度,紹介させていただければと思います。 

 そこで,よかったら,A社長の部下の方とも,コミュニケーションさせていただければと思いまして,よかったら,そういった機会を設けていただけませんか。

 え,あ,そうですね,それはいいですね。うちにもガッツのあるものがたくさんいますので。また今度,機会をつくりますね。あ,すいません,ちょっと,私もう行かないといけないので,またよろしくお願いします。

 はい,よろしくお願いします。

 このとき,Dさんは内心,こう思っていました。

 うーん,もしかすると,A社長のところには,あまり部下の方が育っていないのかもしれない。A社長ももう良い年だし,万が一,A社長に何かあったら怖いよなぁ。うちは,ほとんど,A社長だよりの会社だからなぁ。万が一にそなえて,ほかの会社さんとも付き合いを増やしておかないといけないかもなぁ・・・。

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