「30分ミニ社員研修教材」
先入観を持たないことの難しさ,
コンサルティングの難しさ,
紙芝居にしてみました。
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<先入観>
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こちらは,とある,食品卸売会社に勤務する課長のAさんです。
Aさんは,とてもまじめで一本気な性格で,また面倒見が良かったことから,部下からも慕われていました。
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わが社も,どんどん,人が増えてきたから,これからは,ますます,人財育成に力を入れないとな。
A課長は,優しい性格で,責任感が強かったため,自分の部下にはなんとしても会社の仕事を通して成長してもらいたいと思っていました。
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そこで,A課長は,部下と,もっとコミュニケーションをとろうと思い,積極的に,部下に話しかけようと思いました。
部下に対し,相談があればウェルカムです,どんどん相談に来てくださいと,伝え続けました。
そうしたところ,A課長に相談をする部下がどんどん増えていきました。
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こちらは,A課長の部下のBさんです。
A課長,すみません,今,少し,いいですか?
おー,もちろんだよ。どしたの
はい,すみません。取引先のC社さんのことでして。
C社?えーと,あんまり記憶がないんだけど,どうかしたの?
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はい,うちの商品の納品先なんですけど,最近,値下げ要求を何度も何度もしてくるもので,ちょっと困ってるんです。
あ,そうだったんだぁ。なるほどね。 値下げ要求かあ。どうしたらよいかねぇ。悩むよね。
はい,そうなんですよ。うちも今でも結構頑張っている金額なので,これ以上下げるのは厳しいなと思うんですよねぇ。手間もかかりますし。
そうだよねぇ。うちも,かなり大量仕入れで,安くなるように,頑張ってるもんねぇ。
先方さん,なにか事情でもあるのかねぇ。
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先方の事情ですか,なるほど,それは考えたことがなかったですね。なるほど,自分,ちょっと,先方になにか事情があるのか聞いてみます。ありがとうございます。
お,おお,なんかいきなりテンション上がったみたいだね。わたし,何にもしてないけど,とにかく,よかったね。
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それから一週間後のことです。一週間後,Bさんがまた相談にきました。
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A課長,今,よろしいでしょうか。
おお,Bさん,どうしました?
はい,先日,ご相談させていただいた納品先のC社さんなんですけど,何度も値下げ要求してくるので,なにか事情があるのか,それとなく聞いてみたんです。
そうしたらですね。わかったんです。
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最近,C社さんの近くに,ライバルの激安店ができちゃって,C社さんの業績が落ちちゃったらしいんですよ。
それで,ライバル店の価格に勝ちたくて,わが社に値下げ要求してきたということだったそうなんです。
あー,なるほどねぇ。そういうことだったのねぇ。
そっかー,そういうことかぁ。それなら,理由はわかったねぇ。じゃあ,どうするかだねぇ。
そうなんですよねぇ。ライバル店かぁ。うーん,
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そうだ!わかった!ライバル店の問題が解決すればよいわけだから,なにかうちがC社さんに協力して,C社さんとタッグを組んで,ライバル店に勝つために,協力する方法がないか,一緒に考えるっていうのはどうですかね?
おお,それいいじゃん。タッグマッチ,かっこいいじゃん。一緒になって,共通の敵と戦うって感じだね。
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はい,ちょっと,自分,そのライバル店を調査してきます。
おお,またテンション上がったみたいだね。わたし,何もしてないけど,とにかく,よかったね。
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それから,また一週間後のことです。一週間後,Bさんがまた相談にきました。
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A課長,今,よろしいでしょうか。
おお,Bさん,どうしました?
はい,先日,ご相談させていただいた納品先のC社さんの激安ライバル店を分析してきまして,どうやら,激安ライバル店は,
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品数,商品数を絞る,商品数を絞って,激安にしているみたいなんです。
それで気づいたんですけど,だったら,激安ライバル店が強いところとは戦わないで,激安ライバル店が扱ってない商品で,
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わが社の商品の売れ筋データをC社さんに提供して,そっちの商品を多く納品させてもらえばよいと思ったんです。いわば,戦わない,戦わずして勝つっていうイメージで。もしくは,争わず,共存するっていうイメージで。
おお,その手があったか,すごいじゃん。いいね。よく,思いついたね。なるほどだよ。
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はい,ありがとうございます。さっそく提案してきます。
こうして,Bさんの提案はC社さんからとても喜ばれ,以前よりも納品額を増やす結果となりました。この一件で,Bさんは,社内でもとても評価されることになりました。
やったー。やったよー
このように,A課長は,部下のお悩み相談に積極的に協力し,部下と一緒になって解決策を探していく,ということを繰り返しました。
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そうすると,社内で,A課長に相談すると良いという評判が一気に増えました。
そして,A課長は,相談に来る人は,意外と,同じようなお悩みが多いということに気づきました。
そして,A課長は,相談内容について,対策案や,知識や,対処策,ノウハウがどんどん増えて,蓄積していきました。
そして,ある日のことです。
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こちらは,A課長の部下のDさんです。今度は,Dさんが相談にやってきました。
A課長,今,よろしいでしょうか。
おお,Dさん,もちろんですよ。どうしましたか?
はい,すみません,実は,納品先のE社さんのことで。
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あ,E社さんですか,あー,もしかして,値下げ要求とかですか?
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はい,そうなんです,え,いったい,どうしてすぐわかったんですか?すごいですね。それで,どう対応したらよいかわらかなくて困ってまして。
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それでしたら,E社さんが困っていることを確認して,それに関する対策を一緒にやってあげてみてはどうですか?
なるほど,商品を納品して終わりではなくて,納品先と一緒になって,解決していくっていうことですね。わかりました,ありがとうございます。
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このように,A課長は,部下の相談にのるという経験値が多くなったことから,部下のお悩みを的中させること多くなり,しかも,その対処策もあっという間に授けられることが増えました。社内でも,A課長に相談に行くと良いという評判になり,ますます,相談者が増えました。
それからまたしばらくしてからのことです。
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こちらは,部下のFさんです。Fさんも相談に来ました。
A課長,いま,よろしいでしょうか。
はい,もちろんですよ。どうしましたか?
はい,実は,納品先のG社さんのことでして。
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G社さん,あ,わかった,値下げ要求でしょ,あそこも結構,値下げ値下げって,うるさいでしょ。わかってるわかってるよ。そういうときはね,G社さんが値下げを要求する理由を聞いて,一緒に対処策をやってあげればいいんだよ。そうすればオッケーだから。
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え,えっと,あの,すみません,特に,値下げ要求はないんですけど。
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え,あ,そうなの,あ,わかった,じゃあ,あれだ,納期でしょ,納期をもっと早くしろって,言ってきたんでしょ。じゃあ,配送業者と連携して,もう一日だけ,納期早くしようか。あるよねぇ。その要求はよくあるんだよねぇ。
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え,えっと,あ,あの,すみません,そういったお話も特になくてですね。
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え,あ,そうなの,じゃあ,えっと,今日の相談って,なんだっけ?
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あ,はい,すみません,実は,G社さんの,担当者さんの件でして。
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あー,そういうことね,はいはいはい,わかってるわかってる,オッケーオッケー。G社の担当さんね。知ってる知ってるよ。実はね,あの人,私が昔,担当していたんだよ。気難しい人でねぇ。最初はとっつきずらくて,私も悩んだんだよ。でもね,あの人ね,酒好きなんだよ。だからね,一度,一緒に,飲みに行ったらいいよ。そしたらね,飲み仲間だと思われたら,急に,優しくなるから。
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え,えっと,あ,あの,すみません,そういったお話ではなくてですね,今回,担当の方が変わったんです。
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え,あ,そうなの,ごめんごめん,先走っちゃったね。じゃあ,今日の相談はなんだっけ?
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はい,実は,担当の方が交代,変わられたんです。それで,あと,自分,今度,結婚することになりまして,実は,新担当の方が,自分の妻の親戚の方なんです。
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ええー,そうなの,ていうか,おめでとう。めでたいねぇ。おめでとう。じゃあ,私さっそく,結婚式のスピーチ考えなきゃだな。私も一度,その方に挨拶に移行かな。いやぁ,めでたいね。本当におめでとう。
じゃあ,その新担当の方とは,なおさら,うまく,円満にやっていかなきゃだね,がんばってくれよ,期待してるよ。
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Fさんは,A課長に言えませんでしたが,内心,こう思っていました。
なんか,課長,喜んじゃってるから言えなくなっちゃったけど,納品先に,そういう関係者がいるって,コンプライアンス的に大丈夫なのかな。それをちょっと相談してみたかったんだけどなぁ。
それにさ,なんとなくやりづらいんだよね。やりづらいから,担当変えてもらえないかなって思ったんだけど,なんだか,言い出せなくなっちゃったなぁ・・・