賃金の一方的減額:紙芝居型ブログ ブログ#138

 お給料の額は,会社が決める,
これって正しいでしょうか?
 入社のときは正しいですが,
やってしまいがちなケース,
紙芝居にしてみました。

<賃金の一方的減額>

 こちらは,A君です。

 A君は,食品の卸売会社に,正社員として入社し,働いていました。

 A君は,もともと,第一志望の会社に入れず,この会社に入社したという経緯から,あまり,仕事に対するモチベーションが高くありませんでした。

 他方,こちらは,B社長です。

 B社長は,A君が勤務する食品の卸売会社の社長です。

 B社長は,裸一貫で上京し,下積みを経て社長になりました。会社で,従業員のお祝い事をするのが好きで,従業員の誕生日はかならずお祝い会をする,そんな社長でした。

 ある日のことです。

 A君が,お得意先のC社からの要望に応じなかったため,トラブルになりました。

 おい,Aくん,君,なんてことをしてくれたんだ。お得意先のC社さん,とっても怒ってたぞ。わが社はサービスの悪い会社だと,言っているらしい。まったく,気を付けてくれよ。

 はあ,すんません。

 また,ある日のことです。

 こちらは,A君の上司のDさんです。

A君はDさんに反抗的な態度をとり,暴言を吐きました。

 ちょっとちょっとD先輩,D先輩の指示はいつも間違ってるんですよ。なんですか,このひどい業務指示は。仕事全然わかってないんじゃないっすか。こんなのやってらんないっすよ。

な,なにー,いったいどういうことだ。すくなくとも,私は君の上司だぞ。上司に対して,その態度はなんだ

 A君は,このように,職場でいろいろな問題を起こしていました。そのため,職場では,多くの社員から,疎まれる存在になってしまいました。B社長のところにも,A君に対するクレームがたくさん届くようになりました。

うーん,こまったなあ。A君に対するクレームが,社内だけでなく,社外もふくめて,いろいろなところから届くようになってしまった。

しかし,わが社は,従業員を大切にするのがモットーだ。だから,クビにしたりはしたくない。なんとか,A君にもっと成長してもらう方法はないかな。なんとかしないと,社内のクレームもこれ以上,抑えきれなくなってしまう。

うーん,そうだ!こうなったらやむを得ん。

今後,A君がトラブルを起こすたびに,給料を1000円ずつ減額していこう。

そうすれば,さすがのA君も反省するだろう。それで,A君が成長してきたら,徐々に,また,元に戻してあげよう。

 こうして,B社長は,A君に対して,今後,A君がトラブルを1回起こすたびに,トラブル1回につき,給料を1000円ずつ減額していくことを説明しました。

 しゃ,社長,そりゃないっすよ。勘弁してくださいよ。そりゃ,あんまりっすよ。

 なにを言っとるんだ。今,この職場の状況考えてみろ。誰も君の味方をするものなんて,いないんだぞ。それでも,わしは,誰一人,クビにはしたくないし,君にも成長してもらいたいから,こうやって苦肉の策をとってるんだ。

 問題がなくなればまた元に戻すから,がんばりなさい。

 いやいや,まじ,勘弁してくださいよ。自分,妻も子供もいますし,マジできついっすよ。なんとか,お願いしますっすよ

 いーや,ダメだ!!

 こうして,A君は最後まで納得しませんでしたが,B社長はA君の反対を押し切り,A君がトラブルを起こすたびに,A君の給料を減額していきました。

 その後,残念ながら,A君はたびたびトラブルを起こし,そのたびに,給料を減らされていきました。そして,1年のときが過ぎました。

なんてこったー,A君,全然反省しない。結局,トラブル起こしっぱなしで,どんどん給料下げたけど,まったく反省しない。困ったなぁ。

 その後も,B社長は,とにかくA君を信じると言って,A君の成長を待ちました。

 そして,2年のときが過ぎました。

 ある日,突然,A君は,退職届を提出し,B社を退職しました。

 そして,一か月後のことです。

 こちらは,事務職員のD子さんです。

社長、大変です。裁判所から、書類がきました。

> 

なかみは、訴状です。原告は、Aくん、被告は会社となっています。

A君は,減額された給料について,賃金不払いをされたので,これまでの不払い分の賃金300万円を支払えと主張しているそうです。

 なにー、いったいどういうことだ。なんで、我が社が被告にされるんだ。 納得がいかないぞ。A君の態度が問題なんだから,しょうがないだろう。それにA君の給料の額を決めるのは会社なんだから,全く問題ないじゃないか。。

 こうして、裁判所での裁判が始まりました。

 裁判は、一年かかりました。

 一年後、いよいよ判決の日になりました。

 傍聴席では、判決をまつ人が集まっています。

 静粛に,判決を言い渡します

判決主文 会社は,Aくんに対し,300万円支払いなさい。

 ええ、我が社の完全敗訴じゃないか。なぜ、我が社がまけてしまったんだー なぜだー

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