人財育成と反発作用:紙芝居型ブログ ブログ#159

正しいことを指摘されると反発してしまう,
人のサガですよね。
 人財育成の難しさ,紙芝居にしてみました。
 

ここにA部長とB部長がいました。

A部長もB部長もとても優しい性格で,一緒に働いてくれる部下のことが大好きでした。A部長もB部長も,部下の事を1日でも早くどんどん成長させてあげたいと思っていました。

しかしA部長とB部長の,部下の教育方法は,全く異なるものでした。

こちらは,A部長です。

よーし,今日も,部下の指導,がんばるぞっ。おれも若いときは,超スパルタ指導をされて,つらかったけど,その分,急成長できたからな。大変だし,疲れるけど,かわいい部下のためだから,今日もスパルタでがんばるぞっ!

A部長は,もともと,過保護というか,心配性という性格もあわさって,A部長の部下のできていないこと,足りないことをひたすら見つけては,指摘してあげて,できるまで,とことんつきあって,指導する,どんなに忙しいときでも,部下の育成を優先して,部下のできていないことを見つけてはひたすら指導する,という接し方をしていました。ときに,スパルタ的になることもありました。

 こちらは,A部長の部下のCさんです。体育会系出身のCさんは,A部長のスパルタ指導が肌に合い,メキメキ成長していきました。

 A部長,本当はいつもすごい忙しいのに,わざわざ僕のために,マンツーマンでこんなに指導してくれて,ありがたいよなぁ。実は,A部長,僕らへの指導で時間がなくなっちゃう分,会社近くの喫茶店で,ものすごい勢いで,仕事してるの,見ちゃったんだよなぁ。僕も早く一人前にならなきゃだな。

 このように,A部長の教育方法により,急成長する部下もいれば,A部長の教育方法が合わない部下もいました。

 こちらは,A部長の部下のDさんです。Dさんは,なんでもそつなくこなす性格で,これまで失敗した経験,挫折経験が少なく,プライドが高い,という面がありました。

 あーあ,A部長,毎日毎日,人のできてないところばかり指摘して,イライラするんだよなぁ。新人なんだからできなくて当たり前なのに,それをいちいち言ってくるんだよなぁ。またそれが正論だから反論できなくて,さらにイライラして,絶対,A部長の言うことだけは聞きたくないって気持ちになるんだよぁ。とりあえず,その場では,すみませんとか言って,言うこと聞いたふりするけど,頭にくるから,どうしても,反発したくなっちゃうんだよなぁ。

 このように,A部長の教育方法が合わない部下もいました。

 こちらは,A部長の部下のEさんです。Eさんは,自由にのびのび育ってきたこともあり,人から,できていないことを指摘されることが好きではありませんでした。

 はーあ,今日も,A部長に,あれこれ言われるのかなぁ。いやだなぁ。気が重いんだよなぁ。A部長も気を使ってくれて,言い方に気を付けてくれるのはわかるんだけど,とにかく,できていないことを指摘されるっていうこと自体が,プレッシャーになるんだよなぁ。指摘されるたびに,「おまえはこの会社には必要ない」って言われている気持ちになるんだよなぁ。

 このように,A部長の教育方法に合わない部下もいました。

 そして,残念ながら,A部長の部下で,比較的若い社員の離職率が,社内で一番高くなってしまいました。

 な,なんと,また部下が辞めてしまった。部下にやめてほしいと思ったことなど,一度もないのに。いったい,なぜなのだろう・・・。そんなつもりじゃなかったのにー。

 他方,こちらは,B部長です。B部長も,A部長と同じく,一緒に働いてくれる部下のことが大好きで,部下を早く成長させてあげたいと思っていました。ただ,A部長の教育方法とは,異なるやり方を取っていました

いやー,私も昔はよく上司から,あれこれ,指摘されて嫌な気持ちになったんだよなぁ。わかっちゃいるけどできない事っていっぱいあるし,

できてないところを指摘されると,正論だから反論できなくて,逆に反発したくなっちゃって,その場では,言うこと聞くふりするけど,それだけは絶対やってやらないぞって,反発したくなっちゃうんだよなだなぁ。

今にして思えば,当時,指導してくれた先輩も,わざわざ忙しい中,時間作ってくれてたってわかるんだけど,当時はわからなかったんだよなぁ。人って,反発作用があるよな。人材育成ってほんと難しいよな。さてさて,どうしようかな。

そうだ,やっぱり,当時,自分が指導受けてた時の気持ちになってみると,できてないところ,足りないところを指摘されると反発したくなっちゃったり,ストレスになっちゃう一方で,逆に,褒められたことは,めいっぱい頑張ろうという気持ちになったから,やっぱり,そこから始めてみよう。

 よし,部下の良いところ,できているところを見つけて,承認しよう。

 かなりの時間がかかってしまうとは思うけれど,とにかく,部下の良いところ,できているところを見つけて,承認することを繰り返して,それが広がっていくのを待ってみよう。

 このように,B部長の教育方法は,時間のかかるものでした。

 B部長の部下には,A部長の部下のように,急成長する者は一人もいませんでした。

 ただ,他方で,B部長が,部下の成長をじっくりと待ち,良いところ,できているところを承認することを繰り返したところ,多くの部下とB部長の距離が近くなり,B部長の声に耳を傾ける部下が増えました。

 また,B部長に承認してもらえることを増やしたいと思う部下は,少しずつ,成長していきました。

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