コーチングとティーチングの使い分け:紙芝居型ブログ ブログ#125

 難しい問題ですが,
コーチングも,
ティーチングも,
どちらも大切で,
 
 どう使い分けるか?
問題提起の紙芝居を作りました。

<コーチングとティーチングの使い分け>

 こちらは,とある,食品卸売会社のA部長とB部長です。

 A部長もB部長も,営業部に所属して,それぞれ部下を10名ずつ抱え,毎日,いろいろなプロジェクトをがんばっていました。

A部長は,とても勝気でせっかちな性格で,リーダーシップを発揮して人をひっぱっていくことが得意でした。他方で,人の話をじっくり聞いたり,意見を集めたり,調整することが苦手でした。

 他方,B部長は,とてもやさしく,おっとりとした性格でした。そのため,リーダーシップを発揮して人をひっぱっていくということが苦手でした。他方,気弱な性格のため,部下が心配してサポートしてくれることが多く,また,人の話をじっくり聞き,部署の雰囲気づくりや人間関係に細かい配慮をしていることを,一部の部下は知っていました。

 こちらは,社長です。ある日のことです。社長は,A部長とB部長を呼び出しました。

 コンコンコン,失礼します。

 おお,A部長とB部長,今日来ていただいたのは,実は,わが社が,一部,流通にかかわった製品の製造トラブルで,クレームが出始めているそうです。そこで,わが社でも対応が必要になりました。この時期,お二人の部署が超繁忙期だということはわかっているのですが,部下の方数名で結構ですので,対応に当たるよう指示してください。

クレームの対応方法はお任せします。発生したクレームには早期に対応し,また,クレームが広がらないよう,予防する策を講じてください。やり方はお任せします。

 はい,わかりました。

 A部長は持ち前のリーダーシップを発揮し,大急ぎで,自分の部署に戻り,クレーム対応メンバーを2人選び,一人目の部下には,すでに発生したクレームをすべて調べて連絡し,謝罪と再発防止策を伝え,密にコミュニケーションをとりつづけることを指示しました。

また,もう一人の部下には,製造元と連携して,クレーム予防策のアイデアを5つ調べて実行することを指示しました。さらに,サポートメンバーを2人選び,それぞれサポートさせました。

その結果,なんと,100件以上のクレーム先からすべてお許しをいただくことに成功しました。それどころか,誠実な対応に,ますます,会社のファンになったと言われることが増えました。

 この,ピンチをチャンスに変えたA部長の偉業に,A部長は全社員から称賛される結果となりました。 

 ヤッター

 他方,こちらはB部長です。B部長は,社長の指示にどうしてよいかわかりませんでした。

 はー,こまったなぁ。この時期,超繁忙期だから,クレーム対応なんて,部下の誰にも頼めないよ。この忙しい時期にそんなこと頼んだら,こっちが怒られちゃうよ。はー,こまった,こまった。どうしようかな。

 しょうがない,とりあえず,一人ひとり,話を聞いてから,誰が,クレーム対応やってくれそうか,聞いてみよう。

 だめだー,誰もやってくれそうにない。こまったなぁ。しょうがない。会議をやって,誰がクレーム対応するか,みなさんに,決めてもらおっと。

 それでは,会議を始めます。今日の会議は,今回の製品トラブルのクレーム対応メンバーを,誰にするか,みなさんで話し合って,みなさんで決めてください。すみませんが,よろしくお願いします。

 ・・・(誰も発言せず)

 B部長はこのような調子であったため,Bをしたっている部下が,みるにみかねて,クレーム対応メンバーに名乗りを上げました。しかし,初動対応までにかなりの時間がかかってしまい,迅速な対応ができたA部長と比べると,かなりクレームが広がってしまいました。

 おおい,B君,いったい君はなにをやっとるんだ。

 クレームの電話がますますふえてしまったぞ!!

 そしてまた,ある日のことです。また,社長は,A部長とB部長を呼び出しました。

 コンコンコン,失礼します。

 おお,A部長とB部長,今日来ていただいたのは,最近,ライバル業者の営業活動が強く,わが社の業績がどんどん落ち始めていることについて,対応をお願いしたいと思って,お越しいただきました。今後の業績アップ策を考えて実行してください。方法はお任せします。

 はい,わかりました。

 A部長は,さっそく,部下に次のような指示をしました。

 みなさん,最近,ライバル業者の営業が強く,わが社の業績が落ちています。このままではまずい状況です。対策を実行する必要があります。私が若いころは,業績を上げるために,

ひたすら,走り回る,泥臭く,足をつかって,何度も何度も頭を下げて,お土産をもって,挨拶周りをするということを繰り返しました。そこで,みなさんも,現在の3倍,走り回って,客先を回るようにしてください。

 こちらは,Cさんです。Cさんは,A部長の部下です。

 えー,いきなり,今までの3倍,客先回れって言われても,今だって,相当,回ってるのに,限られた時間で,どうやって3倍回ればいいのか,全然わからないよ。

 いきなり,そんなこと言われても,モチベーション下がるなぁ。

 このように,部員のモチベーションは下がり,業績も上がらない結果となってしまいました。

 他方,こちらは,B部長です。B部長は,部下に次のように伝えました。

 みなさん,最近,ライバル業者の営業が強く,わが社の業績が落ちています。このままではまずい状況です。対策を実行する必要があります。しかし,現場を離れている私よりも,最前線の現場にいるみなさんのほうが,現場のことをよくわかっていると思います。ですから,どうか,みなさんの力を貸してください。

 まずは,みなさんで,どんな対策を実行するか,話し合ってみたいと思います。その際,まずはアイデア出しの段階ですから,できるかできないかは置いておいて,どんな意見もOKというルールで,ブレーンストーミングをやってみましょう。

 そして,いろいろなアイデアから,仮説を立てて,検証する,トライアンドエラーを繰り返す,たくさんのアイデアをたくさん試してみる,という対策を実行してみたいと思います。

 B部長は,このような伝え方をしたため,チームメンバーは,どんな意見もOKということで,安心して,さまざまな意見・アイデアを出しました。

しかも,意見を出したり,話し合いをしたりするほど,そのアイデアを実行するとどんな結果になるのだろうかと,試すことに興味がわくメンバーが増え,対策を実行する際のモチベーションが上がりました。

 そして,だいたい60個ほどのアイデアが出て,地道にそれを試していきました。

 すると,なんと,そのうちのアイデアの一つが,大ヒットしたのです。

この結果,会社の業績は,一気にV字回復することとなりました。

 ヤッター,よくやってくれた,やったぞ!!やったー

 いかがでしたでしょうか。

 A部長とB部長の部下への接し方について,どのような違いを感じましたか。

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