高校生にまつわる労働トラブル
紙芝居にしてみました。
高校生のアルバイト


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こちらは,A君です。
A君は高校生になりました。もともと,アルバイトに興味のあったA君は,高校に入学すると,さっそくアルバイト探しを始めました。

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A君は,求人情報誌を読み始めました。

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うわー,アルバイトってたくさんあるんだなぁ。文字も多くて,なんか難しい単語が多いなぁ。

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よし,とにかく早くアルバイト始めたいから,この,「体力のある高校生大歓迎」って書いてあるところにしよう

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よし,この引っ越し屋さんに応募してみよう。

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A君は,はじめて「履歴書」を書きました。そして,郵送しました。

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無事,書類審査は通過したということで,面接日の連絡がありました。

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A君は,はじめての面接で,緊張しながらも,なんとか,質問に答えることができ,面接の結果発表は1週間後と言われました。

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一週間後のことです。

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ピンポン,Aさん,書留郵便でーす

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あ,引っ越し屋さんからの封筒だ。これって,面接結果が入ってるんだよね。あー,どう。かなどうかな,緊張するなぁ。

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あ,やったー,採用だー,うれしいな
こうして,A君は引っ越し屋さんでアルバイトをするようになりました

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引っ越しのお仕事って,もちろん,体力勝負だから,疲れるけど,いろんな人の,新しい生活の始まりを応援できるみたいで,なんだかやりがいがあるなぁ

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それから,さらに,一か月後のことです
A君は,引っ越し屋さんのB社長に呼ばれました

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こちらは,B社長です。
A君,これ,今月の給料ね。

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ありがとうございます。人生初給料,うれしいですっ

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それから,さらに1か月後のことです。

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A君,わるいんだけど,急な仕事が入ったから,明日は,夜の10時からの仕事やってくれないかな?

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えっ,自分,早寝早起きなので,夜はつらいんですよね。

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君はそれくらいの仕事もできなのかね・・・

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はわわわ・・・,い,いえ,すみません,わかりました。がんばります。

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その後,A君は,たびたび,夜の10時からの仕事をさせられていました。

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はー,最近,夜10時からの仕事が多くなってきたなぁ。でも,翌朝学校のために起きないといけないから,どうしても寝不足になっちゃうんだよなぁ。
でも社長怖いから,断れないんだよなぁ
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こうして,A君は,生活リズムが壊れてしまい,どんどん体調が悪くなってしまいました。
A君は頑張り屋さんであったため,それでもがんばって仕事を続けていました。

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あるとき,A君はたまたま,テレビを見ていた時,ニュースを見ていました。

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そうしたところ,ある企業が残業代を支払っていなかったので,過去に支払っていなかった残業代をさかのぼって支払うことになった,というニュースを見ました

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へー,残業代かぁ。過去の分も支払ってもらえることがあるのかぁ。
そういえば,引っ越しのアルバイトも,実際には,毎回,仕事が長引いちゃうんだよね。でも残業代もらえないんだよな。
そうだ,これって,ちょっと社長に聞いてみようかな。
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社長,すいません,うちって,残業代ってもらえないんですか?

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A君,うちはね,残業代はつかないんだ。

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うちは,契約書と就業規則に,残業代は「なし」,と書いてあるんだよ。
つまり,ちゃんと,あらかじめ,残業代はありませんよ,ということを書いているんだ。

そういう約束になっているということだ。
だから,うちの場合は,残業代はないんだよ。

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そうなんですね。わかりました。

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あるとき,A君は,パソコンでインターネットをしていました。

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んん,なんだろこれ,え,残業代を払わないのは違法。ええ,そうなの?

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詳しくは,お近くの社会保険労務士までお問い合わせください,へー,そうなの。
でも社長が言ってたことと逆だなぁ。どっちが正しいんだろ。
この社会保険労務士さんのところにいって,相談してみよう

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こちらは,社会保険労務士の先生です。
こんにちは。今日は,どういったご相談ですか?

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はい,僕は,引っ越し屋さんでアルバイトをしてまして。
このアルバイト,夜遅かったりして,しかも,毎回,残業になるんですけど,残業代はもらえないんです。

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えっ,それはどうしてですか?

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社長に聞いたら,雇用契約書や,就業規則というものに,残業代は払わないと書いてあるからだそうです。
あらかじめ,そういう約束をしていることになると言われました。

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そういう説明をされたのですね,実は,それ,法律的には,無効なのです。

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どういうことかというと,雇用契約書や就業規則に,残業代は払わないと書いても,強制的な法律で,残業代は払わなといけないので,そういうものに書いたとしても,残業代はちゃんと払わないといけないんです。

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ええ,そうだったんですか

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はい,みなさん,意外と知らないのですが,実はそうなんです。
法律の世界では,知らないと損することって,実はたくさんあるんですよ。
あと,夜遅いとのことですが,どれくらい遅いんですか。

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はい,夜10時から12時まで働かされることもたくさんあります。

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それはいけませんね。労働基準法という法律で,原則として,18歳未満の人については,夜の10時から翌朝の5時の間については,働かせてはいけないことになっているんです。例外もありますけどね。

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ええ,そうだったんですか。知らなかった。

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ということは,僕,騙されてたんですね,くやしいですっ

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でも,社長怖いので,自分からは何も言えないんです。

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そんなときのために,労働基準監督署があるんですよ。労働基準監督署は,労働基準法違反について,相談にのってくれたり,場合によっては,会社に対して,助言したり,指導してくれたりしますから。とても頼りになりますよ。

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そうなんですね,やったー,早速,相談に行ってみます。ありがとうございました。

