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ビジネス書紹介22「メンタリング・マネジメント」:ブログ#298

 経営相談・ビジネスコーチングにおいて、
人財育成のご相談、
今いる社員さんにもっと成長してもらいたい、
というご相談は多く、
 
 さまざまなアイデア出しをしたり、
他社の取組事例なども参考にするために、
日頃から情報収集したいと思っているところ、
今回、ご紹介いただいた教えていただいた、
 
 福島正伸先生の
「メンタリング・マネジメント」(ダイヤモンド社)
目から鱗の連続でした。
  
 福島正伸先生は、
30年以上に渡り、日本を代表するいくつもの大手企業等で
約7,500回、述べにして30万人以上に
研修、講演を行われておられます。
 
 私なりの理解ではありますが、
本書では、
 
 過去、同じ商品が売れ続けていた時代には、
管理によって全体の生産性を高めるマネジメントが
なされていたところ、
 
 しかし、
現代では、常に新たな価値が求められ、
繰り返すだけの仕事は海外にシフトされており、
 
 今後は、創造的、個性的な仕事が
求められるようになってきており、
そこではもはや、「労働者」という概念ではなく、
ともにな時ビジョンに向けて、
自発的に創造的な活動をする「共創者」
と考えるとのこと、
 
 また、個人が働く目的も
生きがいという部分が大きくなってきており、
 
 これまでの管理を重視するマネジメントは、
変化する必要があることを提唱しておられます。
 
 そして、本書の全体を通して感じた事は、
「ミラー効果」のお話であり、
 
 たとえば、
本書の中では、
福島先生が、上司の方に部下の方の様子を聞けば、
上司の方のことがわかるというお話が紹介されており、
 
 具体的には、
上司の方から、
「最近の若者は、自分のことしか考えていない。夢がない」
というお話を聞くと、
 
 「この上司には夢がなく、みんなに夢を語っていないんだな」
と思われるそうです。
 
 これについて
「他人は鏡なのです。自分がやったことが自分に返ってくる」
と紹介されていました。 
 
 ほかにも、
「親が子から学ばなければ、子は親から学べない」
とのお言葉も紹介されており、
身につまされる思いです(汗)
 
(私も、子供に「勉強しなさい」と言っても、
 まず子供はやらないので(汗)
 これもミラー効果で、
 私が勉強してないからですね。
  反省です・・・。)
 
 また、このお話を聞いて、
いくつかの私の過去の体験を思い出しました。
 
 というのは、
経営相談・ビジネスコーチングの際、
 
 上記のとおり、
人財育成、
もっと社員さんに成長してもらいたいというご相談が多く、
 
 経営者の方は、心を砕いて、様々な取組・配慮を、
社員様にしてあげておられ、
時間、労力、費用など
様々な経営資源を投下しているにもかかわらず、
 
 なかなか成果が見えない、
社員さんの成長が見えてこない、というような、
よくある場面において、
 
 そういったご相談の際、
多くの経営者の方が、
社員様の見えないところで
とてもがんばっておられることが多くあります。
 
 そこで、私のほうから、
 
「社長、毎月、一人でそこまでお仕事されているのは、
社員のみなさんもご存知なのですか?」
とお聞きすると、
 
 経営者の方からは、
 
「必死になっているところとか、
 がんばっているところは社員には見せたくないんだよね」
と言われることが多いです。
  
 そのようなときに、
私のほうから、一つのアイデアとして、
 
「社長、たまには、
 そういった社長の裏でのがんばりとか、
 毎月、社長が難しい目標を設定して、
 チャレンジして、
 できなくても次回に活かす、
 というサイクルを回していることを、
 社員さんとも共有してみてはどうですか?」

というアイデア出しをさせていただくと、
 
 気恥ずかしそうでありながらも、
実際にやってみてくださる経営者の方もたまにいらっしゃり、
 
 そうすると、社員さんからは
「社長が会社にいないとき、
 そういったことをしてくださっていたなんて、
 知りませんでした」と言ってくださる社員さんがいたり、
 
 特に発言はないものの、
 少し様子が変わったような社員さんが現れたりすることがあり、
 
 「ミラー効果」のお話に近いものがあるように思いました。
 
 本書で勉強させていただき、
ビジネスコーチングの際の着眼点として、
この「ミラー効果」は特に重宝されると思うとともに、
 
 私自身も、
まず自分がやらなければと反省の連続のでした。
  
 本書は、上司と部下の関係についてのお話が多いですが、
ビジネスコーチングの際にも、
重要なお話が何度も出てきますので、
折に触れて読み返したいと思いました。
 
 読めば読むほど、気づきと自己反省の連続でした。
 
 ありがとうございました。

    ビジネス書紹介21「コロナ後に生き残る会社 食える仕事 稼げる働き方」:ブログ#297

     経営相談・ビジネスコーチングの場面で、最近は、コロナの影響もあり、増えているご相談は、

    ①いかに固定費を減少させるか

    ②新しい営業方法・ビジネスモデルの模索

    の2点のご相談が増えております。

     そのため、日頃からこの2点についての情報収集をしたいと思っていたところ、 

    遠藤功先生の「コロナ後に生き残る会社 食える仕事 稼げる働き方」(東洋経済新聞社)を拝読しました。 

     本書では、

    ●インバウンド(訪日観光客)需要に支えられていた百貨店の売上の大幅減少

    ●外食産業の売上大幅減少(ワタミ65店舗閉店、ジョイフル約200店舗閉店予定など)

    ●EUの観光事業従事者約600万人失業のおそれ

    ●中国でコロナの影響で2億人が失業(NHK報道)

    など、企業の外部環境がますます苦しくなっていることに言及され、

     他方、好調の業界として、

    ●任天堂スイッチが品切れ続きであること

    ●ゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」が12日間で1177万本売れたこと

    ●巣ごもり需要で、食品の売上上昇

    などにも言及されています。 

     また、今後のキーワードとして、

    ●衛生・在宅・リモートワーク・オンライン化・非接触・監視・データ

    を挙げておられ、上記の②のご相談(「新しい営業方法・ビジネスモデルの模索」)の際に有効活用したいと思いました。

     上記の①のご相談(「いかに固定費を減少させるか」)については、コロナによって、多くの企業様が「人件費の適正化」を、考える必要性が増えたのではないかと思われ、

     これについて、本書は、

    ●企業経営者は「固定費の圧縮」に取り組まざるを得ない。経営を常に「身軽」にしておくことが、最大のリスクヘッジであることが、今回、痛いほどわかった。固定費圧縮のひとつの手段が、コストの「変動費化」である。

    ●人件費についても、「正社員主体」から「契約社員など期間限定的な雇用形態」がこれまで以上に増えていくだろう

    とのこと。

     私も、弁護士業務の中では、雇用問題に関するご相談が多く、コロナ以前から、人件費の高い企業様が、売り上げ不振になると一気に弱体化してしまう事例を多く見てきたことから、

     この問題の切実さを痛感するとともに、日本の法律ではなかなかこれが難しい問題であるとも感じています。

     企業様が、がんばってくださっている社員の方へ、少しでも多くの人件費を配分してあげたいと奮闘していることは、素晴らしいことである反面、

     他方で、固定費としての人件費が高くなっていってしまうと、今回のコロナのように、不測の事態で売上が大幅に減少してしまうと、

     入ってくるお金は一気に減少してしまっているのに、出ていってしまう人件費などの固定費はそのまま、ということになると、当然、赤字になり、いずれは企業が存続できなくなり、その結果、雇用も失われてしまうという、誰も得しない結果となってしまう、

     そんな事例をよく見てきました。特に、アメリカのような法制度の国と異なり、日本では、一度、正社員として雇用契約を締結すると、原則論としては、定年になるまでその雇用契約が継続する、という制度であるため、固定費としての人件費の負担が大きくなります。

     そこで、雇用契約の期間が、半年とか、1年というように、限定されている契約社員・派遣・パート・アルバイト(非正規雇用)という契約形態もあるものの、人手不足の業界では、正社員という身分の保証がないとなかなか応募が集まらないという問題があったり、

     長期的な人財育成ができないという問題があったりと、どっちもどっちな難しい局面にあるように思います。

     この点について、本書では、

    ●日々の事業運営を担う「コア人材」は正社員として採用するが、専門性を活かすプロフェッショナルやエキスパート的な人材は、契約社員的に活用するのがこれからの人材戦略のひとつの柱となる。社員を「常時抱える」のではなく、「必要なときに、必要な人材を、必要な期間だけ活用する」のが会社にとって最も経済合理性が高い

    ●外部を上手に利用しながら、常に身軽で、柔軟にしておくことが、ポストコロナにおける戦略の基本

    と紹介されています。

     実際にそれをどう実施していくか、そのバランスの見極めなど、絶対の正解はないと思われますので、企業様事にこれを追求し続けて、企業様事に最適なバランスを探していく必要があるのではないかと思いました。

     もう一点、本書では、「リモートワーク」に関する豊富な事例紹介と詳細説明があります。

     コロナによって、大きく変化・加速したものの一つは、リモートワークであると思われ、私自身も、経営相談、ビジネスコーチングは、オンラインで、実施することが、とても増えました。

     以前であれば、企業様所在地へ訪問するため、午前と午後1社ずつ、お伺いするのでほぼ限界ということが多かったですが、リモートワーク環境が普及したことで、通勤電車に揺られることなく、移動時間が0となり、パソコンの前にスタンバイするだけで、お仕事をすることができるようになり、時間的にも体力的にも余裕が増え、一日、4~5社様のご相談をおうかがいできることもあります。

     移動時間のみならず、たとえば、待ち合わせ時間に少し早く着いてしまって、それまで喫茶店で待つ時間など、目に見えない、気づきにくい細切れ時間というものは、想像以上にたくさんあるのではないかと思いました。

     そして、経営相談、ビジネスコーチングの中でもいかにして、「リモートワーク」の比重を増やすか、というご相談も増えています。本書で、とても興味深いと思ったのは、

    ●会社は無数のコミュニケーションによって成立している

    ●リモートワークの管理において重要なのは、コミュニケーションの質を高めること

    ●「過剰管理」は部下のモチベ―ションを下げ、「野放し」は業務品質を著しく低下させるリスクを増大させる

    ●リモートワークが大きな成果を生み出すために大切なのは、管理を強化することではなく、部下が「自己管理」できるように上司が正しく導き、適切な指導を行うこと

    ●オンラインには不向きなこともある。それは「機微情報」の把握だ。「仕事で行き詰っているのではないか」「何か悩み事を抱えているのではないか」「健康状態は大丈夫か」など、暗示的な「機微情報」は オンラインだけではなかなか把握できない

    ●私たちにとって大事なのは、オンライン(非対面)とオフライン(対面)を 上手に使い分ける知恵を身につけること

    とのこと。

     ほかにも、オフィスでの何気ない雑談や立ち話が、ビジネスのヒントになったり、人と人との垣根を取り払う役目をになっていることなどにも触れられており、対策として、

    ・経験値の高い人と浅い人をペアにして組ませる

    ・月に一度は個人面談をする

    ・オンラインランチ

    ・オンラインおやつタイム

    などが紹介されています。

     おそらく、コロナという、未曾有の事態で、未だかつて誰も経験したことがないレベルの変化が必要な世界となり、(また、これからも、いろいろな変化を余儀なくされるのであろうかと思いますが)

     「オンラインとオフラインの使い分け」についても、企業様ごとに、その内容、仕組み、最適なバランスなどを、追求し続ける必要があるのではないかと思います。

     そこで、本書のような良書をさらに収集し、さまざまな企業様で実施・実験しているさまざまな取り組み事例を収集し、それをヒントに、そのまま活用してもうまくいかないことが多いかもしれないので、そのエッセンスを、企業様ごとにカスタマイズして実施・実験してみて、最適な方法を模索しつづける

     そういったサポートも、これからの時代に必要なのではないかと思いました。 

     貴重な情報、深い考察の数々、大変勉強になりました。

     ありがとうございました。