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ビジネス書紹介18「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」:ブログ#294

 経営相談、ビジネスコーチングの場面で、
経営者様の会社の財務書類を3年分ほど拝見して、
売上高、粗利率、利益率、現金保有高、借入金、キャッシュフロー
などの推移から、一定の方向性について、
アドバイスさせていただくことは多いですが、
  
 それでも、それを踏まえても、
経営者の方が逆の方向に進むと決断されたときは、
その選択された方向で進めてみると、
 
 実際、その経営者の方の読み通りになったり、
結果オーライになるという経験がよくありました。
 
 そのたびに、驚くとともに、
経営には数値で測れない事が
多くあるのだろうと思うとともに、
それはいったい何なんだろう???
と疑問をもっていました。
 
 その答えの一つが、
本書にあるように思います。

 
 というのは、
本書によると、
 
●グローバル企業が世界的に著名な
アートスクールに幹部候補を送り込んでいるそうで
それは、これまでのような
分析・論理・理性に軸足を置いた経営、
いわば「サイエンス重視の意思決定」では、
今日のように複雑で不安定な世界において
ビジネスのかじ取りをすることはできないことを
わかっているから、

●精密なマーケティングスキルを用いて
論理的に機能的優位性や価格競争力を形成する能力よりも、
人の承認欲求や自己実現欲求を刺激するような
感性や美意識が重要になる

●本書では「経営における美意識」という言葉を、
これらの様々な企業活動の側面における
良い・悪いを判断するための認識基準として用いる
例えば
・従業員や取引先の心を掴み、
 ワクワクさせるような「ビジョンの美意識」
・自社の強みや弱みに整合する、
 合理的で効果的な「経営戦略の美意識」
・顧客を魅了するコミュニケーションや
 プロダクト等の「表現の美意識」
 
  
 このお話を聞いて、なるほど、
まさに、経営者の方の「直感」による判断が奏功するのは、
そういうことだったのか、
と腹落ちするとともに、
  
 ついつい頭でっかちになりがちで、
他社情報や情勢に関する情報等を
収集してそれを重視しがちな自分には、
大いに反省しなければならない
ことだと思いました。
 
 さらに、上述のように、
経営相談、ビジネスコーチングの場面において、

 現場の情報を一番持っているのは
クライアント自身なので、
 
 たとえ数値等から予測される方向性やセオリーと違っていても、
最後はクライアント自身の直感・決断を重視するほうが、

 仮にその時点では、うまくいかなかったとしても、
そこから得られる経験値、
改善のタネは多いように思われ、
 
 また、やってみて、実行してみて、
はじめてわかる情報・得られる経験値も多いと思われるため、
 
 効果的な改善策を思いつく可能性が高くなり、
改善スピードも速くなるのではないかと思われ、
 
 そのことからも、
経営相談・ビジネスコーチングの場面では、
一定の結論を押し付けるのではなく、
 
 いかに、クライアントご本人が
様々な角度からの分析がしやすくなるよう、
視点を増やしたり、
着眼点を提供したり、
 
 ご自身でご自身の経験・現場情報に基づく
「気づき」を得ていただいて、

 行動へのモチベーションを高めていただけるよう、
サポートすることがが重要なのではないかと、
再認識しました。
 
 なお、
この場合の美意識を高めるトレーニングとしては、
美術の歴史や知識を暗記するというようなことではなく、
 
 観察眼、観る力を鍛えることだそうで、
VTS(VisualThinkingStrategy)
という、ビジュアルアートを用いたワークショップによる
鑑賞力教育だそうです。
 徹底的に作品を見て、感じて、言葉にする、とのこと、
  
 これを聞いて思ったのは、
美術作品を見て、感じて、言葉にすることには
見方や感じ方は人それぞれで絶対の正解がないので、
それを繰り返しトレーニングすることが、

 ビジネスに共通する、
つまり、
「誰にも正解がわからない」ものであるビジネスに
取り組むことと上記のVTSには、
共通する要素があるのかな、
と思いました。
 
 
 本書はとてもおもしろく、
絵心が全くない、美術が苦手な私でも、
アートに近づいても良いのかという気づきも
いただきました。
  
 ありがとうございました。

    よくある後継者育成のご相談:ブログ#293

     経営相談・ビジネスコーチングの際、
    人財育成・後継者育成について、
    経営者の方と以下のような会話のやりとりをすることが、
    よくあります。

    ===以下、会話のやりとり=================

    経営者の方

    「先生、社内で全然、人財が育たないんです。」

    藤堂

    「そのお話、もう少し詳しくお聞きしても良いですか?」

    経営者の方

    「はい。私も、もう良い年ですし、

     人が育つまで10年はかかる、なんて、良く聴いたりしますので、

     かなり、早い段階から、後継者の育成を意識してきました。

     そこで、有望な社員たちには、

     私の考えを伝えたり、具体的な場面ごとに色々教えてきました。

     しかし、結局、今日現在の時点で、

     私の代わりを任せられる人財はいないんです。」

    藤堂

    「そのように、お考えなのですね。

     いま、社長が心配しておられるのはどのようなことなのか、

     お聴きしても良いですか?」

    経営者の方

    「はい、私が現役でバリバリ働ける間は良いのですが、

     私ももう良い年ですので、ずっと働き続けることは不可能なので、

     もし、私が引退したら、

     若い社員さん達が路頭に迷うなんていうことになってしまったら、

     大変なので、なんとかしなければと思っているんです。」

    藤堂

    「そうですよね、仮に、社長が引退されても、

     残された社員さん達で

     会社をしっかりと継続させていきたいということですよね。

     ところで、さきほどおっしゃった、

     社長の代わりを任せられる人財というのは、

     具体的にどのようなことができる人財とお考えなのか、

     お聴きしてもよろしいですか?」

    経営者の方

    「はい、私が、いま、会社に来なくなっても、

     私に代わって会社の仕事を切り盛りができる人財です。」

     現場の営業も、人財の配置・育成や、仕事の割り振り、経理処理など、

     私がやっておりますので、これらを任せられる人財ですね。」

    藤堂

    「なるほど、現状は、業務の全般にわたって、

     社長が重要な役割を担っておられるのですね。

     すぐには無理としても、

     もう少し時間をかけて育成すれば、

     引き継げそうな人財はいらっしゃるのですか?」

    経営者の方

    「個別の業務ごとで分けてしまえば、

     それぞれできそうな人財がいてくれてはいるのですが、

     全部ができそうな人財はいないですね。」

    藤堂

    「なるほど、個別の業務にわけて、

     それぞれの業務に限定すれば、

     それぞれ引き継げそうな人財がいるということですね」

    経営者の方

    「はい、たしかに、言われてみれば、

     個別の業務に切り分ければ、

     引き継げる可能性があるかもしれないと思えてはきました。

     しかし、それだと、後継者といえるのか、

     社長と言えるのかというと、

     微妙な気がしますね。

     全部ができないと、不測の事態に困るかもしれませんし。」

    藤堂

    「たしかに、当然ながら、

     後継者の方が全ての業務を担当できるほうが良いことは、

     そのとおりですね。

     ちなみに、社長は、今のように、

    会社の重要業務全般ができるようになるまで、

    どれくらいの時間がかかったと思いますか?」

    経営者の方

    「うーん、そうですねぇ。

    自分でも、ようやく最近

    ほぼなんでもできるようになった気がするので、

    少なくとも20年くらいはかかってるかもしれませんね」

    藤堂

    「なるほど、20年、すごいですね。

    どうやって、そこまでの能力を

    身につけられたと思いますか?」

    経営者の方

    「それはもう、若いときなんて、

    社員も少なかったので、

    今じゃあまり大きな声では言えませんが、

    それこそ、徹夜の連続で

    働くことも何度もありました。

    正直、ものすごい辛かったですけど、

    あの地獄の日々が今の私を支えている

    と思うこともありますね」

    藤堂

    「なんと、徹夜の連続ですか。そうなのですね。

    今の会社があるのはその頃のおかげ

    なのかもしれないのですね。

    そうしますと、では、どうすれば、

    その社長の経験と同じ経験を

    後継者の方にさせてあげられると思いますか?」

    経営者の方

    「うーん、それは難しいですねぇ。

    あんな過酷なこと、今じゃあり得ないし、

    体を壊してしまうかもしれないから、

    そんなことは社員にはさせたくないですね。

    社員には体を大切にしてほしいので。

    うーん、そう考えると、

    自分と同じ経験をさせて自分と同じことが

    できるようになってもらうっていうのは、

    難しそうだなと、思いました」

    藤堂

    「なるほど、そうなのですね。

    たしかに、現状、すでに、長年、

     社長の代わりができる人財育成に取り組んだものの、

     難しかったという結果を踏まえると、

     少し取り組み方を変えてみるのも

     良いのかもしれませんね。

    社長、一つ、私が色々な会社様の

    ご相談にのらせていただいたり、

     会社様を見させていただいた中で、

    感じた経験をお伝えしても良いですか?」

    経営者の方

    「はい、ぜひ、聞かせてください」

    藤堂

    「ありがとうございます。

     私がこれまでいろいろな会社様を見させていただいた中で

     感じていることは、

     初代の経営者の方、創業経営者の方で、

     「自分がやってきた仕事を任せられる人財が育たない」

     とおっしゃる経営者の方は、

     えてして、

     職人のような高度な技術も持ちながら、

     数字にも強く、マネジメントや心配りもできる、

     言ってしまえば天才のような方が多いように感じています。

     だからこそ、会社を起業して、経営を続けることができた、

     多くの会社は数年で消えてしまうのに、

     長年、経営を続けることができていて、

     後継者探しまでできている。

     他方で、会社に入社してくれた後継者人財は、

     当然ながら特別な才能があるとは限らず、

     また会社を経営した経験、

     社員さんに給料を支払う責任を負った経験、

     金融機関から借金をして返済した経験、

     ビジネスの最終責任を負う経験など、

     経験したことがあるとは限らない以上、

     社長の代わりができる可能性のほうが、

     少なくて当然なのではないかと。

     そう考えると、「次世代には次世代の戦い方がある」

     それは、天才肌の初代・創業者が一人でできたことを、 

     次世代メンバーが協力して、

     それぞれの強みを掛け合わせて、

     弱点を補い合って経営していく戦い方があるのではないかと感じています。」

    経営者の方

    「なるほどですね。

     自分は自分を天才とは全く思いませんが、

     会社経営は、社長の自分が一人で全部やるのが

     当たり前だと思っていましたし、

     それで死に物狂いでやってきました。

     たしかに、次世代メンバーはそういう経験なく、

     私と同じことをやろうと思っても、

     それは難しい気がしてきました。

     そうすると、たしかに、これまでとはやり方を変えてみても

     良いかもしれないというのは、納得です」

    藤堂

    「ありがとうございます。

     当然ながら、いま、何をするのが正解なのか、

     ということは神様にしかわかりませんので、

     全ては「やってみて改善・実験・試行錯誤してみる」

     だと思いますので、

     これからは、

     御社独自の、次世代の戦い方を、

     次世代メンバーと一緒に、

     考えてみても良いかもしれませんね」 

    ===以上、会話のやりとり=================

     人財育成・後継者育成に関する
    経営相談・ビジネスコーチングの際は、

     上記のような会話のやりとりをすることが、
    よくあります。
     
     これから、ますます変化の激しい時代が訪れる
    と言われておりますので、
     
     よりいっそう、
    「画一的な正解」は見つけることが難しいと思われ、

     会社様ごとにそれぞれ「答え」
    を探し続けていく必要があるのかもしれないと
    感じています。