賞与・退職金問題:紙芝居型ブログ ブログ#202

「30分ミニ社員研修教材」
 賞与・退職金,ある法律の取り扱いを知っていないと,
あとあと大変なことになるかもしれません。

 紙芝居にしてみました。

賞与・退職金問題

 こちらは,A社長です。

 A社長は,もともと,パソコンが得意であったことから,脱サラをして,IT企業を作りました。パソコンのプログラムなどは得意である反面,人付き合いやコミュニケーションが苦手であり,特に,社員さんとの人間関係に悩んでいました。

 はーあ,こまったなぁ。また社員さん,退職しちゃったよ。せっかく,入社してもらって,ようやく仕事慣れてきた感じだったから,仕事量増やして,さらに成長してもらった途端,やめられちゃったよ。人財育成って難しいなぁ。

 そして,ある日のことです。

 こちらは,事務員さんです。

 社長,大変です。先日,退職した従業員が,在職していた2年間について,ボーナスと退職金を支払えと,電話がきました。また,手紙も送ってきました。

 ええー,いったいどういうこと。なんで,うちをやめた人に,ボーナスとか退職金を払わないといけないの。全然納得できないよ。

 そんな納得いかないことにお金なんて出せないよ。

 よし,とりあえず,うちにはボーナスを出す余裕なんてないし,そもそも退職金の制度なんてないんだから,そんなの払えませんって,返信を出しておいてください。

 はい,わかりました。

 こちらは,B社長です。

 B社長も,A社長と同じく,IT企業を経営していました。

 B社長とA社長は,小学校からのおさななじみで,よく,一緒にお酒を飲みにいくなかでした。

 そういえば,先日,A君が言ってたけど,退職した社員さんが,いきなり,ボーナスと退職金をくれ,なんて連絡してきたって,言ってたなぁ。

 なんだか,すごい時代になったよなぁ。

 まあ,弁護士さんにも相談に行ったら,払わなくてよいって判断だったらしいからひと安心だけど,うちも気を付けないとなぁ。

 こちらは,事務員さんです。

 社長,大変です。

 ええっ,やな予感するー!!

 はい,先日,退職した従業員が,在職していた2年間について,ボーナスと退職金を支払えと要求してきました。

 うわー,うちにも来たー。やだなぁ。なんで,うちをやめた人に,ボーナスとか退職金を払わないといけないの。全然納得できないよ。やっぱり,手紙とかも送ってきたのかな?

 社長,それが,弁護士からの内容証明郵便も届きました。

 ええー,いったいどういうこと。こっちも弁護士さんに相談しなきゃ。

 こちらは,弁護士さんです。

 こんにちは。今日はどういったご相談ですかな。

 はじめまして,先生,すみません,かくかくしかじかでして。

 B社長は,事情を弁護士に説明しました。

 先生,おさななじみの同業の経営者が,同じ目にあって,弁護士の先生に相談したところ,払わないことになったと聞いたのですが,どうでしょうか。

 まず,確認させていただきたいのですが,御社では,ボーナス,賞与については,どういうルールになっていましたか。

うちでは,契約書に,毎年,冬のボーナスだけ,給料の一か月分だけ支払うというルールになっています。

でも,ボーナスなので,業績が悪いときは,払わなくてよいものだと思っていましたので,最近はずっと払っていません。

 そういう状況でしたか。そういう場合ですと,契約書に,毎年冬のボーナスとして給料1か月分支払うという契約,約束をしていると判断される可能性が高いです。そうであるとすると,これは支払わなければならない可能性が高いですね。

 ええー,だって,幼馴染の経営者は,払いませんでしたよ。なぜ,うちだけ,払わないといけないんでしょうか?

 そのケースがどういう事情があったのかがわかりませんが,ボーナスの支払いについて具体的な約束をしていない,たとえば,「業績がよかったら支払うときもある」というような抽象的な約束であったのであれば,これは請求できないことが多いので,そういったケースだったのかもしれません。

 なるほど,うちの場合は,明確に,冬の給料1か月分払うという約束をしていたという違いがあるということでしょうか。

 はい,そのとおりです。

 あー,そうだったんですねぇ。じゃあ先生,退職金のほうは,どうでしょうか。

 はい,御社では,退職金については,どういう制度になっていますか?

 はい,うちでは,契約書に,退職時に給料2か月分を支払う,と書いてあります。

ということは,やっぱり,これもそのまま支払わないといけないということでしょうか。

 はい,その可能性が高いと考えます。

よくいわれるのは,そのように,退職金の支給基準が明確に定められている場合は,賃金の後払い的な性格のお金と考えられて,支払いが必要になります。

 逆に,退職金の支給基準が抽象的で不明確で,もっぱら,会社の自由裁量で,支給するかしないか,するとしたらいくら支給するか,会社が自由に決める,ということであれば,賃金の後払い的性格のお金ではなく,いわば恩恵的給付のお金と考えられ,支払わなくても良い,ということになると言われています。

 ということは,うちの場合は,ボーナスも退職金も,全員に対して,しっかりと全額払わなきゃならないってことか,うわー,大変だー。

メルガマ登録はこちら


無料教材:「士業のための経営相談アイデア」

https://peraichi.com/landing_pages/view/businesscoachingstudy

無料教材:「ミニ社員研修実践法」

https://peraichi.com/landing_pages/view/todotakehisa4