2019年 5月 の投稿一覧

ヒヤリハット!犯人探す?再発防ぐ?:紙芝居型ブログ ブログ#129

 ヒヤリハット発生のとき,
どのような状態を目指しますか?

 そのために,どんな行動を選びますか?

 一案を紙芝居にしてみました。

<ヒヤリハット!犯人探す?再発防ぐ?>

 こちらは,とある,大規模建設現場を手掛ける会社の現場監督をしている,A監督とB監督です。

 A監督もB監督も,複数の現場を担当し,それぞれの現場で,多くの社員や協力スタッフを抱えて,現場を監督していました。毎日,いろいろなことが起きるなかで,必死にがんばって,プロジェクトを進めていました。

A監督は,体育会系出身で,強力なリーダーシップを発揮していました。自分にも他人にも厳しい,ストイックな性格でした。

 他方,B監督は,小さいころから読書が大好きで,文学少年でした。若干,たよりないと言われたり,建設現場に向いていないと言われこともありますが,やさしい性格で,細やかな配慮ができる性格でした。

 こちらは,社長です。ある日のことです。社長は,A監督とB監督を呼び出しました。

 コンコンコン,失礼します。

 おお,AさんとBさん,今日来てもらったのは,実は,わが社の,現場で,最近,ヒヤリハットや小さい事故が頻発しています。万が一,大規模な事故が発生したら大変なことになります。お二人とも,複数の現場を監督し,やることが膨大にある中で,大変だということは重々承知なのですが,

やはり,なんとしても,事故は防がなければなりません。そこで,急ぎ,ヒヤリハットや,小さい事故がなくなるよう,対策を行ってください。方法はお任せします。

 はい,わかりました。

 A監督は,持ち前の強力なリーダーシップを発揮しました。

大急ぎで,事故やヒヤリハットを報告させる仕組みを作り,現場に浸透させました。監視カメラの数を一気に増やすとともに,誰が,いつ,何時何分に,どんなことを起こしたのか,現場作業員がお互いに監視し合うような仕組みを作り上げました。

 特に,ヒヤリハット・事故を起こした者には,厳格な聞き取り調査を行い,反省文の提出をさせ,二度とヒヤリハット・事故が起きないように,A監督自ら直接注意をしました。

 この結果,A監督が監督する現場では,あっという間に,ヒヤリハットや事故の件数が減少していきました。

 他方で,A監督の現場は,常に,緊張感が漂うようになりました。作業員同士のコミュニケーションも減っていきました。また,現場から意見が出ることが少なくなっていきました。作業員は,ミスをしたことを自分からなかなか言い出せない空気になりました。そして,徐々に退職者が増えていきました。

 他方,こちらは,B監督です。

 B監督は,A監督のような強力なリーダーシップを発揮することができず,すぐには,有効なヒヤリハットや事故の対策を実施することができず,時間が過ぎてしまいました。

 B監督は,まず,各現場ごとに,ヒヤリハットや事故の予防策について,現場作業員同士での会議・コミュニケーションの場を増やし,アイデアを募集しました。 

 そして,現場作業員に対し,人がやることについて,ミスを0にすることはできないけれども,ミスを限りなく0に近づけることについて,みなで力を合わせることはできることを説明し続けました。

 そして,ヒヤリハットや事故があった際には,お互いに,勇気をもって報告し合い,犯人さがしはせずに,再発防止策をみんなで考える,というルールをつくりました。

 この結果,B監督の担当現場では,A監督ほど,すぐには,ヒヤリハットや事故が減りませんでした。徐々に効果が出るまで,時間がかかりました。

そのかわり,現場の雰囲気やコミュニケーションは良好でした。

そして,日々,現場から出てきたアイデアをもとに,再発防止策のノウハウを蓄積していくことができました。

とにかく試す:紙芝居型ブログ ブログ#128

 「仕事は楽しいかね?」(テイル・ドーテン著・きこ書房)
出典の物語,紙芝居にしてみました。

とにかく試す

ときは,1886年のことです。

ジョージア州アトランタに,ある薬剤師の方がいました。

 この薬剤師の方は,ジョンという名前で,とても研究熱心で,何十種類もの治療薬を考えだしていました。

 そして,ある日,ジョンが,薬屋の奥の部屋に入ると,従業員2名が,ジョンが新しく作ったシロップ状の頭痛薬を,水で割って飲んでいました。頭痛があるわけでないのに。

 それを見て,ジョンは,ひらめきました。

このシロップ状の頭痛薬に,ソーダ水をいれたらもっとおいしくなるかも,と思いつきました。

 この物語,ストーリーを聞いたことがある方,いらっしゃいますでしょうか?

 この物語,ストーリーの出展は,テイル・ドーテン氏の書籍「仕事はたのしいかね?」です。

 この薬剤師,ジョン・ペンバートン氏が作った,ソーダ水を加えた飲み物は,のちにコカコーラと名付けられたのです。

 こうして,ジョン・ペンバートン氏は,薬剤師としてではなく,コカコーラの発明者として,大成功することになりました。

 また,今度は,場面は変わって,場所はアメリカ,カリフォルニア,ゴールドラッシュの時代のことです。

 行商人として,いろいろな物品を販売している青年がいました。

 この青年は,カリフォルニアでの金が発掘されたことを聞きつけ,金の採掘者に必需品を売って儲けようとあれこれ計画し,船にいろんな商品を持ち込んで,売ってまわりました。その結果,計画は大成功で,儲けることができました。

 ただし,ひとつだけどうしても売れなかったものがありました。

 それは,テント用の帆布,つまりテント用の厚い布です。

 これだけは,どうしても売れ残ってしまいました。

 その後,ニーズが多く,品薄になっている商品のひとつが,ズボンだということに気づきました。

金の採掘のために,丈夫なズボンのニーズがあったのです。

 そのとき,この青年は,ひらめきました。テント用の厚い布が余っている。

 他方で,ズボンが品薄になっている。

 この二つが結びつきました。

このテント用の帆布,厚手の布をつかってオーバーオールを作ったところ,大ヒットしました。

そして,この青年は,行商人としてではなく,デニム商品の製造・販売で大成功することになるのです。

 この物語,ストーリーを聞いたことがありますでしょうか?

 この物語,ストーリーの出典は,テイル・ドーテン氏の書籍「仕事はたのしいかね?」です

 この青年の名前は,リーバイ・ストラウス,あのジーンズのリーバイスの創業者です。

 はい,この二つの物語を聞いて,どう感じたでしょうか。

 初志貫徹という言葉がありますよね。初めに心に決めた志を最後まで貫き通すことですね。当初,考えたこと,計画した事,目指したこと,をやり抜くこと,大切ですよね。ただし,当初,考えたこと,計画した事,目指したこと,それが成功することもあれば,成功しないこともあると思います。初志貫徹の逆で,当初計画したことではないことで,大成功するというパターンです。

 さきほどの例でいえば,当初,薬剤師としていろいろな薬を考えて調合していたペーバートン氏は,薬剤師としてではなく,コカコーラの発明者として成功しました。

 リーバイ・ストラウス氏は,当初,行商人として,テント用の帆布を売ろうとしたら,ジーンズ・デニム商品で大成功しました。

 この二人に共通していたことは,なんだと思いますか。

その一つは,「とにかく試す」ということだと思います

 さきほど引用した,テイル・ドーテン氏の書籍「仕事はたのしいかね」には,

①試すことに喜びを見出すこと

②アイデアをいっぱい持つこと。

③ありとあらゆることをやってみること

④明日は今日とは違う自分になること。

 という言葉があります。

 これについて,どのような感想をもたれたでしょうか。

 また,よく,紹介される数字に,こんな数字があります。

 0.99の365乗

 1.01の365乗

 この数字,いくつになると思いますか?

 0.99を365乗する,つまり,毎日,少しずつ手抜きする・・・

 すると0.03になってしまう

 毎日,少しずつ手抜きをすれば,いずれ力がなくなってしまう

 1.01の365乗する,つまり,毎日,少しずつ努力する・・・

すると1.01が37.8になる。

毎日,少しずつ努力すれば,いずれ大きな力になる

 以上について,どのような感想を持たれたでしょうか。

 ここで,意見交換タイムにしたいと思います。

 お近くの方,お二人ないし三人一組になっていただいて,意見交換をお願いします。

 それでは,意見交換用意スタート。