他人の会社の36協定を,
見ちゃう方法があるって,
知ってました?
よく,経営者の方から,
「まだ,36協定を作っていないけど,
従業員にはばれないでしょ?」
という質問があります。
しかし,バレる可能性はあります。
それは,
労働局に対する
情報公開請求という手続きがあるからです。
すなわち,だれでも,
労働局に対して,
情報公開請求
という手続きをとることができ,
これにより,
会社が36協定を届け出ているか,
また,その内容について,
情報公開請求により,
確認することができます。
(ただし,
印鑑や個人名など,
個人情報保護の観点から,
部分的にマスキングされています。)
たとえば,
注意しなければいけない
場面の一つとしては,
未払い残業代請求の訴訟において,
労働者側から,
「36協定の作成・届け出をしているか?」
という確認がなされることがあります。
このような場合,
実は,
労働者側は,事前に,情報公開請求を使って,
会社が36協定が出していなかったり,
出していても
内容が実態と異なっていることを,
すでに確認していながら,
あえてこのような確認をすることがあります。
これに対して,
会社が,「ちゃんと出してますよ」
などと言ってしまうと,
そのあと,
情報公開請求の結果が
証拠として提出されてしまい,
ウソをついていることが
明らかとなってしまったりします。
さらに怖いことは,
未払い残業代請求の訴訟では,
「付加金」(労基法114条)というペナルティのお金
(最大で未払額と同額)まで払わされることがあり,
このように,
36協定を出さずに残業をさせたり,
36協定の内容と残業実態が異なっていたり,
裁判でウソをついたりすると,
このペナルティのお金がつきやすくなる
可能性があります。
(余談ですが,
未払い残業代請求の訴訟で
敗訴してしまい,
付加金の支払いまで
命じられてしまった場合は,
控訴したうえで,
急いで未払い額を
支払ってしまうことにより,
付加金の支払いを免れる
ということが,
現状は可能となっています。
(今後,
判例変更する可能性もありますので,
注意してください)
以上より,
労働局に対する
情報公開請求という
手続きの存在を知っておく,
36協定は,
しっかりと整備しておく
ことが重要です。