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失敗をどう活かすか?:紙芝居型ブログ ブログ#265

「30分ミニ社員研修教材」

 失敗をおそれず挑戦すること
失敗したときにはそれをどう活かすかについて
意見交換・意識共有したい人のための
研修教材です。

<失敗をどう活かすか?>

 こちらは,商業施設などの建築デザインが得意な設計会社に勤務する新入社員のA子さんです。

 A子さんは,明るく元気で,まじめな性格でしたが,少し,おっちょこちょいな面がありました。

 やったー,やっと,あこがれの会社に入社できたから,もう,今日から目いっぱい,がんばろっと。

 しかし,A子さんは仕事の忙しさから,お客様の伝言を伝え忘れてしまったり,お客様とのアポイントを忘れてしまったり,ミスを繰り返してしまっていました。

はあーあ,アタシ,また今日も失敗しちゃった。自分の失敗だけならまだいいけど,先輩にも迷惑かけちゃって,ホント申し訳ない気持ちでいっぱい。

 このように,A子さんはとても落ち込んでしまっていました。

A子さんは,早く役に立てるようになりたい,早く失敗を挽回したいと,一人で,とても焦っていました。

 そんなある日のことです。

 こちらは,B社長です。

B社長は,A子さんの持ち前の明るさと,思い切った行動力に期待しており,A子さんならかならず大きく成長すると信じていました。

しかし,ここ最近,A子さんがミスを連発して,落ち込んでしまっている様子を心配していました。

うーん,A子さん,最近,落ち込んでるなぁ。最近のA子さんのデザインも,前みたいに,思い切ったデザインというより,無難なデザインが多くなってるなぁ。せっかくのA子さんの思い切りの良さを伸ばしてあげられたら,必ず大きく成長できると思うんだけどなぁ。いったいどうしたものか。なにか良い手はないかなぁ

 そんなある日のことです。

こちらは,営業部長のCさんです。

みなさん,大口のプロジェクトのコンペの話が入ってきました。大口のお客さんから,わが社も含めて,複数の設計会社に対して,新たに建築する商業ビルのデザインについてのプレゼンテーションの話が入ってきました。

わが社としては,なんとしても,このプレゼンテーションでライバル会社に勝って,このプロジェクトを受注したいと思います。

ライバル会社に負けるわけにはいかないので,プレッシャーも大きいと思いますが,誰か挑戦する人はいませんか?

 ・・・・・ だれも発言しませんでした

 このように,営業部長のCさんは,大きなプロジェクトのデザインを担当する人を募集しましたが,かなり大きいプロジェクトで,プレッシャーも大きいため,みな,尻込みしてしまって,手を挙げる人がいませんでした。

 それからしばらく沈黙の時間が続きましたがが,突然,A子さんが,手を挙げました。

 あのー,すみません,どなたも立候補されないのでしたら,私,やってみたいです・・・いいですか?

 このように,突然,A子さんが名乗り出ました。

 すると,まわりのメンバーたちが,小声で言いました。

 「いやいや,無理でしょ」「いやいや,早すぎるよ」「A子さんには無理よ」

 こんな声がぼそぼそ聞こえてきました。

そして,営業部長もこう言いました。

え,えっと,A子さんですか。うーん,いやーちょっと,まだA子さんには早いんじゃないですかね・・・。結構大変な仕事ですからね。

 すると,突然,社長が発言しました。

 いや,良いでしょう。誰も手を上げないなかで,A子さんが勇気を出して手を挙げたのです。であれば,私は,A子さんにやってもらいたいと思います。

 こうして,なんと,ビッグプロジェクトにもかかわらず,社長のこの一声で,A子さんが担当することに決まりました。

 ありがとうございます。がんばります。

 こうして,このビッグプロジェクトはA子さんが担当することになりました。それから,A子さんは猛烈にがんばりました。クライアントの情報やこれまでのプロジェクトをすべて調べ上げ,クライアントが好むデザインの分析を行い,また日本中の類似施設の建設物のデザインデータを収集しました。

 そのうえで,寝る間も惜しんで,デザイン案を20個作りあげました。

 あー,もうダメ,もうムリ,これ以上アイデア出ない!

あー,そろそろ,デザインの提出期限だわ。デザインの案は20個作ったけれど,どれに決めようかしら。はー,迷うな―。プレッシャーがすごいなぁ

うーん,いろいろ悩んだけど,最後,このA案かB案のどちらかにしよう。

A案は素直でストレートなデザインで,B案が思い切ったユニークなデザイン。

この二つのどちらかだと思うのよね。A案のほうが無難で,B案がチャレンジングよね。

うーん,迷うわー。はー,決められない。

よし,決めた。やっぱり,思い切ったB案でチャレンジしよう。B案じゃなかったらライバル会社に勝てないわ。

こうして,A子さんは,思い切ったデザインのB案をクライアントに提出してプレゼンをしました。

 それから,一か月後のことです。クライアントから,社長に,コンペの結果を伝える電話がかかってきました。

 はい,もしもし,はい,はい,はい,わかりました。

 あの,社長,今のお電話,コンペの結果の電話ですよね。

 どうでしたか?

 うん,A子さん,落ち着いて聞いてくれ,だめだったよ。ライバル会社に負けてしまったとさ。

 ええー,すみません,社長,申し訳ございません。自分から手を挙げたのに,結果を出せなくて,申し訳ございませんでした。

 すると,まわりのメンバーがまた小声で言いました

 「ほらね,やっぱりね」「あーあ,大口逃しちゃって」「だから早いって部長が言ってたのに」

 みなさん,さあさあ,いま,社長から発表があったとおりですから,本件は終了です。本件のことはもう忘れて,さあさあ,私語はやめて,各自,仕事に戻ってください。

 その後,A子さんはますます落ち込んでしまいました。まだ早いと思われるビッグプロジェクトに,無理をして自分から手を挙げたにもかかわらず,結果を出せなかったことを後悔していました。

 周りのメンバーからも,いつも,カゲでコソコソ言われていることが,耳に入ってきて,ますます,落ち込んでしまい,仕事のパフォーマンスが落ちてしまっていました。

 そんなある日のことです。社長がA子さんを打合せに呼び出しました。

 あー,A子さん,おつかれさま。調子はどうですか?

 社長,先日は結果を出せなくてすみませんでした。社長に推薦していただいたのに,結果を出せなくて悔しいです。

 いやいや,いいんですよ。もうあの件は気にしないでください。

 ところでA子さん,最近,仕事があまりはかどっていないですか?

 え,あ,はい,すみません。

なぜそう思いますか?

はい,やっぱり,どうしても,先日のことが気になってしまって。最近,力が入らないんです。

そうですか,どんなところが気になっていますか

 はい,やっぱり,明らかに自分にはまだ早いのに,無理して手を挙げて,結果をだせなかったところです。

 なるほど,そうなのですね。ただ,私は逆にそれがすごいなと思っています。

 考え方が真逆で,おもしろいものですね。

 みんなが尻込みして手を上げない中で,手をあげた,それってなかなかできないことだと思うんです。

 あの場で,あの瞬間,チャレンジしようと思ったA子さんをすごいと思うんです。

 もし,私が,A子さんだったら,手を挙げられたかわかりません。それくらい,すごいと思っています。

 そう言ってもらえると,救われます。ありがとうございます。

 実は,前から思っていたのですが,A子さんのデザインが大胆なのは,もともと,そういったチャレンジ精神を持っているからなのではないかと思うんです。それはA子さんの大きな強みであり,それを活かせれば大きく成長すると思っています。

 たしかに,今回のプロジェクトは受注できませんでした。この事実は,もう変わりません。過去のことはもう変わりません。

しかし,もし,これを糧にして,A子さんが大きく成長したら,別のプロジェクトで結果を出したら,この失敗が意味のあるものに変えられると思っています。

 ありがとうございます。そう言って頂けると,少し元気が出ますが,失敗をどう活かすか?っていうことですよね。

 はい,そうなんです。あの場でチャレンジをしたこと,失敗するリスクを背負って一歩踏み出したことに,ものすごい価値があると私は思っています。

 そして,誰でも,いつも良い結果を出せるなんてことはあり得ませんから,失敗したときは,それをどう活かすかだと思うんです。

 そして,誰も手を上げない中で,A子さんが挑戦して,涙が出るほど,悔しい思いをした,これは,挑戦しなかった人には得られない経験です。挑戦したA子さんだけが得られる最高の経験値になります。

 失敗を恐れて挑戦しなかった人たちに,大きく差をつける大チャンスが訪れたと思います。

 ありがとうございます。もうずっとネガティブになっていたんですけど,ポジティブになれそうです。

 それはよかった。そうしましたら,挑戦しやすくなるコツをお伝えしたいと思うんです。

 それは,二つあります。

 一つは,仲間を増やすという事です。日頃から周りとコミュニケーションを増やして,いざというとき,挑戦するときに支えてくれる仲間を増やしておくことです。

 仲間同士,お互いに助け合う関係ですね。

 もう一つは,報連相をしっかりすることです。プロジェクト前も,プロジェクト中も,いろんな人に報連相をしておけば,助けてもらいやすいし,ヒントやアイデアをもらえるかもしれません。

この二つをがんばると,よりいっそう挑戦しやすくなると思いますよ。

 ありがとうございます。そうですね。今回も,もっと応援してくれる人がいたらよかったなって,今,思いました。わたし,がんばります,ありがとうございます。

    人が増えると弱くなる!?リンゲルマン効果:紙芝居型ブログ ブログ#264

    「30分ミニ社員研修教材」

     人が増えると逆に弱くなってしまうことがあることについて
    意見交換・意識共有したい人のための
    研修教材です。

    <人が増えると弱くなる!?リンゲルマン効果>

     こちらは,とある建設会社に勤務するA部長です。A部長は,おっとりとした優しい性格で,生まれ育った地元で,地域の人々と交流することが多い建設会社の仕事をとても気に入っていました。

     しかし,実は,A部長は,悩んでいました。

     うーん,最近,会社の業績が落ちちゃってるなぁ。いったい,なんでなんだろうか。

     4,5年前は業績が順調だったから,少しずつ,働いてくれる社員さんやパートさんの数を増やしていって,そうすれば,さらに業績も上がっていくんじゃないかって思ったんだけれども,実際には,人数が増えたからといって,そのまま業績が上がるっていうことにはならなかったなぁ。会社経営って難しいもんだなぁ。いったい,どうしたらいいんだろうか。もっと,社員さんの数を増やせばいいんだろうか。それとも,やっぱり効果はないんだろうか。悩むなぁ

     そうだ,そういえば,先日,会社の管理職研修を担当してくれたB先生がいる。ちょっと,B先生に相談してみようかな。

     こちらが,研修講師のB先生です。

     あ,Aさん,先日の研修ではお疲れ様でした。今日はどうされましたか?

     どうも,B先生,先日はありがとうございました。

     はい,今日,伺ったのはですね,最近,会社の業績が伸び悩んでいまして。

     4,5年前は業績が良かったので,それから少しずつ,社員さんやパートさんの人数を増やしていったんです。そうすれば,人数が増える分できることも増えて,売上はもっと上がるかなって思いまして。でも,実際には,人数が増えたからといって,売上は変わらなかったんですよ。

     なんでなのかなぁって,思いまして,

     なるほど,そういった状況だったのですね。それは難しい問題ですねぇ。

     おそらく,いろいろな要因があるのだろうと思われます。それに,ビジネスの正解とか,どうすれば業績アップにつながるかっていうのは,誰にも正解はわからないですよね。

     ただ,今のお話を聞いて,一つお伝えしたいと思ったことがあるんですけど,お伝えしてもいいですか?

     はい,ぜひ,お願いします。

     ありがとうございます。それは,リンゲルマン効果,という言葉なんです。リンゲルマン効果って,聞いたことありますでしょうか?

     いや,聞いたことないです。どういうことなんでしょうか?

     はい,これは,フランスのマクシミリアン・リンゲルマンさんという方が行った実験なのですが,たとえば綱引きをするとして,綱引きの人数を増やしていったときの一人の力の量を測ってみたそうです。

     一人で綱を引くときの力を100%とすると,綱引きをする人の人数が増えるにつれて,一人の力の量は減っていったそうです。

     こんな実験結果があるそうです。

    へー,なるほど,この実験は面白いですねぇ。これって,会社経営に置き換えてみると,やっぱり,人数が増えればそのまま業績が上がるっていうことにはならなくて,むしろ人数が増えると一人一人の力の量が減ってしまう可能性があると考えてみるべきだと思いました。

    であれば,我々管理職のほうで,いかに,社員さんやパートさんが,一人一人,それぞれ全力を出し切れるような環境を整えるか,工夫しようと思いました。

     なるほど,それはとても良いことですね。この実験から,集団が大きくなるほど集団全体のアウトプットと個人のアウトプットの合計の差は拡大すると言われています。

     この点,どんなことが必要だと思いますか?

     うーん,そうですね。やっぱり,個人事業などと違って,会社経営は役割分担が必要ですから,みんなで役割分担をする中でも,一人一人が全力を出せるようにするにはどうしたら良いのか,みんなで,今まで以上にコミュニケーションを取ってみようと思います。

     なるほど,それはいいですね。

     はい,ありがとうございます。がんばります!!