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メンタル問題:紙芝居型ブログ ブログ#92

 最近,職場のメンタル問題が増えており,
最悪のケースでは,
裁判沙汰になってしまうこともあります。

 そこで,よくあるケースの流れを,
紙芝居型でお伝えします。

<メンタル問題>

 こちらは,A君です。

 A君は,建築専門学校で学んだ後,建築会社に入社しました。

仕事をつづけながら,念願の建築士の資格を取得することができました。

 やったー,ようやく念願の建築士になれたぞ。

 A君は,建築士になれたことに気を良くして,少しずつ,横柄になっていきました。

 ちょっとちょっと,C先輩,なんですかこの仕事は。建築士だったら,こんな仕事はしないんですよ。

 え,あ,そうなの。すまないね。

 (くっそー,A君のやつ,自分が建築士になれたからって,最近態度がでかくなったよな。まったく)

 A君は,このような態度であったため,だんだん,職場で孤立していきました。

 仕事もうまくいかなくなり,ミスが増えました。

 A君ちょっといいかな。

 あ,C先輩なんでしょうか?

 あのねぇ,A君,お客さんからまたクレームの連絡入ってるよ。

 これが建築士の仕事なのかねぇ

 す,すいません。

 (くっそー,また嫌味言われた)

 こちらは,D社長です。

 D社長は,建築が好きで,若いころ,裸一貫で上京し,修業期間を経て,今では,建築会社の社長になりました。

 D社長は,温厚な性格で,特に,若手職員を可愛がっていました。

 うーん,なんとなく,最近,社内の雰囲気が悪くなってる気がするなぁ。

 A君が建築士に受かった時期からなんだよなぁ。A君,心配だなぁ。

 とはいえ,A君,以前にもましてすごいがんばって,残業してるんだよなぁ。A君のやる気をそぐわけにはいかないから,とりあえず,もう少し見まもってあげよう。

 他方,A君は,ミスばかり続く現状に困り果てていました。

はー,困った困った。こんなはずじゃなかったのに。おっかしいなぁ。

 その後,焦りを感じたA君は,ますます仕事の時間を増やすようになりました。

 ますます,許容量以上の仕事をして,挽回しようとやっきになっていました。

 D社長としても,社内で一番がんばっているA君を,止めるべきではないと考え,A君の長時間残業を黙認していました。

 しかし,その後,A君は,がんばればがんばるほど,空回りをしてしまい,ミスが増え,それをカバーするためにまた労働時間が増えるという負のスパイラルに陥ってしまいました。

 そして,半年後のことです。

 なんと,とうとう,A君は,体調を壊し,精神障害になってしまいました。

出社できなくなり,休職になってしまいました。

 がんばって多くのクライアントを抱えていたA君が突然出社できなくなってしまい,会社は大混乱になりました。

 うーん,A君の体調はもちろん心配だけれども,自分で,たくさん,クライアントを抱えたいと言っておきながら,突然,会社に来なくなってしまって,ほかの社員はみんな怒ってるし,私としても,正直,やっかいなことをしてくれたなぁという気持ちだ。

 まあしょうがない。会社経営にはこんなこともあるか。

 A君のことは,大目に見よう。

とりあえず,会社としては,A君が回復するのをじっくり待ってあげよう。

 それから1年経ちました。しかし,A君は復帰できませんでした。

 ある日のことです。

あー,青空の下のゴルフはきもちがいいなぁ

 プルルル,お,電話だ。はいもしもし

 社長,大変です。A君から,内容証明郵便が届きました。

 ええっ!!いったいどんな内容かな?

 はい,A君が精神障害になってしまったのは,会社の長時間残業が原因だとのことで,A君が休んでいる間のお給料を全額支払えという内容です。

 また,会社のタイムカードの内容を開示しろ,という要求もついています。

 なにー,A君の勝手な行動で,会社にあれだけ迷惑かけて,会社にこなくなったというのに,それは会社の責任だというのか。

 まったくけしからん。なんという言い草だ。

 こんな不当な要求は無視だ。

 それから1か月後のことです。

 突然,会社の管轄の労働基準監督署から,電話がありました。

 D社長,この度,Aさんから,労災の申請がなされています。

 つきましては,御社を調査させていただきますので,ご協力ください。

 は,はい,わかりました。必要な協力はしっかり致します。

 でも,それにしても,いったいなんなんですか。労災って,別に会社で,なにか事故が起きたわけじゃないんですよ。

A君が勝手に,自分で自分を追い込んで,病気になってしまったんですよ。

どうぞ,自由に調査してもらってもいいですけど,わが社は全く責任はないですからね。ガチャ。

 それから半年後のことです

 あー,青空の下のゴルフはきもちがいいなぁ

 プルルル,お,電話だ。なんだか嫌な予感がするなぁ。はいもしもし

 社長,大変です。裁判所から手紙が届いています。

 ええー,今度はいったいなんなんだ。

 A君が,わが社に裁判を起こしたようです。

 理由は,A君が長時間残業をさせられて,病気になってしまったこと,これは会社の安全配慮義務に違反したと主張しているようです。

 なにー,なにを言っとるんだ。会社に責任があるはずがない。

A君が勝手に自分で自分を追い込んだだけの話なんだから,わが社が負けるはずがない。

 とりあえず,弁護士に相談だ。

 こんにちはー。社長,今日はどうされましたか。

 いやー,先生,ちょっと聞いてくださいよ。

 D社長は,事情を説明しました。

 なるほど,とりあえず,その裁判所からの書類,中身を見ましたか。

 まだ見てないんですよ。

 じゃあ,今見てみましょう。

 社長,この書類を見てください。

 これによると,なんと,A君には,今回の精神障害について,労災が認定されていますね。

 これは,労働基準監督署という行政機関が,A君が精神障害を患ったことについて,会社の業務が原因だと認定した,ということです。

そうすると,今度は,裁判所でも,同様の認定がなされる可能性がありますね。

 ええっ。そんな,納得いかないですよ。

 次に,この書類,これは,御社のタイムカードですね?

 はい。ええっ!!どうして,A君がタイムカードを持ってるんですか。

これはですね,労働基準監督署が,御社を調査した際の書類を,A君かその弁護士が取り寄せたのではないかと思いますね。

 これをみると,A君は休職前の3か月間,毎月100時間残業していたことがわかります。

 そうすると,ますます,会社の業務が原因で,A君が精神障害を被ったと認定される可能性はありますね。

 ええっ,そんなっ。私は,A君に,残業しろなんて,一言も言ってないんですよ。彼がミスを重ねて,彼がそれを挽回したがって,がんばっていたので,やむを得ず,黙認していただけで,むしろ,それで迷惑をこうむったのはこっちなんです。いきなり会社に来なくなっちゃって。

 なるほど,社長,お気持ちはわかります。しかしですね,他方で,法律上,会社は,従業員の安全に配慮する義務があるんです。

なので,従業員さんの気持ちやモチベーションも大切かもしれませんが,その健康にも配慮して,過剰な状況であれば,それを黙認してはいけないんです。黙認してしまうと,今回のように,責任問題になる可能性が高いんです。

 ちなみに,ということは,この裁判,わが社が,負けるっていうことですかね?

 残念ながら,その可能性はありますね。

 そ,そ,そんなー

    労災問題:紙芝居型ブログ ブログ#91

     どんな企業にもあり得る労災問題,
    実は,こんなことになってしまうということ,
    あまり知られていないことがあります。

     特に,昨今,働き方改革の時流にあり,
    長時間労働は厳しく見られます。

     そこで,労災問題のケース・流れを,
    紙芝居でお伝えします。

    <労災問題>

     Aさんは,トラックドライバーとして,働いていました。

    毎日,大変だけど,職場の仲間はみんな気のよいやつだし,社長は自分のことをとても高く評価してくれて,給料も多いし,ありがたい。それに,毎日,充実してるな。

    今度,息子が大学進学だから,ますますがんばらなきゃだ。がんばるぞ。

    B社長は,運送会社の社長です。

    裸一貫で東京へ上京し,今や,トラックを50台所有する運送会社の社長です。

    B社長は,従業員をわが子のようにかわいがっていました。

     A君,今日もがんばってくれているねぇ。ありがとうね。

     そういえば,A君,たしか,そろそろ,息子さん,大学生じゃなかったっけ?

     社長,そうなんです。ありがたいことに,息子のやつ,勉強が好きだっていうんで,大学行くことになりました。

     社長,自分,息子の学費のためにも,もっと働きたいので,仕事増やしてもらえませんか?

     ええっ,今でも,君は相当がんばってくれているからなぁ。

     体力に自信のあるキミでも,さすがにこれ以上はしんどくないか?

     事故など起こされたら,君の家族にも申し訳が立たないので,無理はしないでくれ。

     いえいえ,社長,どうかお願いします。

     うちの息子,勉強熱心なんで,もっといろいろ勉強させてやりたくて,学費がもっとかかりそうなんです。

     どうか,このとおりです。

     うーん,よし,わかった。ほかならぬ君の頼みだ,君はわが社で一番がんばってくれているしな。

     じゃあ,さらに君の仕事を増やすよう,手配しておく。

     ただし,無理だけはしてくれるなよ。なによりも君の健康が一番だからな。絶対だぞ。

     社長,ありがとうございます。気を付けます。

     その後,Aさんは身を粉にして,猛烈にがんばっていました。

     Aさんは,会社のなかで一番長く働き,時間外労働もかなりの長時間に渡っていました。

     1年後です

     プルルル はい,もしもし,え,警察ですか,ええ,Aさんが,

     社長,大変です。Aさんが,脳梗塞で倒れたそうです。

     ええ,なんてことだ。A君は大丈夫なのかね

     はい,命に別条はないようですが,意識が戻らないようです。

     なんということだ!!

     B社長は,慌てて病院に駆けつけましたが,その日はAさんの意識が戻らず,3日後,A酸は意識を取り戻しました。

     しかし,Aさんは,両足がマヒして,動かなくなってしまいました。

     社長,ほんとすいません。社長から,健康管理に注意するよう,あれだけ言われてたのに,ほんとすいません。

     いやいや,何を言ってるんだ。意識が戻って本当によかった。君の頼みとはいえ,君に無理をさせてしまった私にも責任がある。 会社のことは大丈夫だから,ゆっくり静養して戻ってきてくれ。会社はいつまででも,君を待ってるからな。

     急ぎ,会社のほうで,労災保険の手続をしておくから,治療費はそっちから支払ってもらえるし,休業補償ももらえるようになるからね。

     社長,本当に,本当に,ありがとうございます。

     C子さんは,Aさんの奥さんです。

    C子さんは,ある日,たまたま,駅前で,街頭無料法律相談が実施されているのを見かけました。

    主人は,あんな事故になってしまって,今後,いったいどうなるんだろう。もううちの家計がこのままだと,お金がなくなってしまうわ。それに息子の学費もなんとかしないとけないし。

    もしかしたら,この無料法律相談で,なにか良い情報を聞けるかもしれないわね。

    勇気を出して,相談してみよう。

     こんにちは。今日は,どういったご相談ですか

     C子さんは,現状を弁護士に相談しました。

     なるほど,そういった状況なのですね。

     その場合,会社に対して,損害賠償を請求するという方法があります。

     え,そんな方法があるんですか。もうすでに,労災保険から,治療費であるとか,休業補償をもらっているんですけど。

     労災保険の休業補償というのは,実は,一部分のみ,もらっていて,全額ではないんです。そのため,労災保険からでは支払ってもらえない部分の休業補償は会社に請求できることがあります。

    また,両足麻痺の後遺障害が残ってしまったので,今後は,もう今まで通り,働けないということであれば,本来,働いてもらえるはずだったお金,これを「逸失利益」というんですが,これも請求できる可能性があります。現在40歳ということですので,まだまだ,これから働き盛りの時期ですからね。

    そのほか,入院・通院して治療されているので,慰謝料であるとか,後遺障害になってしまったことについての慰謝料などが請求できる可能性があります。

    労災保険からは,慰謝料は全く支払ってもらえませんからね。

     以上,全部,積み重ねると,合計すると,ざっと計算すると,5000万円くらいになるかもしれませんね。

     ええ,そんなに請求できるんですか?

     はい,今回の状況ですと,これくらいの請求が認められる可能性はありますね

     ただ,これは,会社に対して,損害賠償を請求するということですし,会社との関係性が壊れてしまう可能性が高いです。ご主人も,会社と経営者の方にはとても恩を感じているとのことですので,こういった会社に対する損害賠償請求をするかどうかについては,よくよく考える必要があります。最終的には,裁判になってしまうかもしれませんので。

     そうだったのですね。わかりました。ありがとうございました。

    C子さんは,その後,1週間,ずっと悩み続けていました。

    主人は,会社のことも社長のことも大好きで,会社を訴えるなんてとんでもないことだと思うだろうな。それは当然よね。私が同じ立場だったら,会社を訴えるなんて考えられない。

    でも,かといって,もう,うちも貯金も尽きてきて,今後,うちの家計がどうなってしまうかわらかないわ。

    お互い,頼れる親族もいない。いったいどうしたらいいんだろう。

    本当に困ったわ。

    C子さんは,考えがまとまりませんでした。

    さらに1週間,悩みに悩みぬきました。

    その後,ようやく,C子さんは決断しました。

    主人も,もしかしたら,もう働けないかもしれないし,子供たちの生活を考えると,やっぱり不安。それに,会社がもっと主人のこと,いたわってくれていたら,こんなことにはならなかったのかもしれないし。やっぱり,ここは,子供たちのためにも,心を鬼にして,会社に,損害賠償を支払ってもらうしかないわ。

     C子さんは,Aさんに対して,会社に対して,損害賠償を請求することを相談しました。

     当初,Aさんは,大恩ある会社を訴えるなんてとんでもないと,Aさんは大反対していました。

     しかし,C子さんは,泣きながら現状を訴え,子供たちの未来のために,心を鬼にするよう,Aさんを説得しました。また,今後の会社との連絡や,弁護士への依頼手続も,全部自分がやるので,Aさんは全く表に出なくてよいからと,説得しました。

     どうしてもいやだと言うなら,子供を連れて出ていくとまで言いました。

    Aさんも,悩みに悩んだあげく,二度と働けないかもしれないという不安もあり,泣く泣く,C子さんの提案を承諾しました。その後,AさんとC子さんは,弁護士に相談し,依頼しました。

     その後,B社長がAさんに連絡をとろうとしても,Aさんは一切の連絡をせず,すべて,弁護士に任せました。

    その後,Aさんの弁護士からB社長へ,5000万円の損害賠償を要求する連絡がありました。

    B社長は,慌てて顧問弁護士に相談し,本件は,民事訴訟として,裁判所において,争われることになりました。

    なんと,裁判では,最終的には,会社は,Aさんに対して,4000万円を支払うよう命じる判決がでました。

    その後,B社長は,なんとかお金を工面するよう奔走しました。

    しかし,それでは,賠償金額に全く足りず,従業員のリストラをしました。

    それでも,やはり,資金繰りに困ってしまい,B社長個人の自宅も売却しました。

    しかし,やはり賠償金額には足りず,またリストラによって会社の業績も急降下してしまいました。

    >

     そして,とうとう,会社は倒産し,B社長は自己破産することになってしまいました。