紙芝居型ブログ

一人ビジネスと会社経営:紙芝居型ブログ ブログ#260

「30分ミニ社員研修教材」

 一人ビジネスと会社経営の違い,大変さについて,
意見交換・意識共有したい人のための
研修教材です。

<一人ビジネスと会社経営>

 こちらは,建設会社に就職して3年目のAさんです。

 Aさんは,学生時代から,ビジネスをしたいと思って,一人で,おにぎり屋さんを運営していた経験がありました。その後,卒業とともに,建設会社に就職しました。

 ある日,両親が住んでいる実家に帰ってきた日のことです。

 お父さん,ただいまー

 こちらは,Aさんのお父さんのBさんです。

 おー,おかえりー。元気にやってるかー。

 あー,ただいま,なんとかやってるよー。いやー仕事って,やっぱり大変だねぇ。

 おー,どうした,なにかあったのかい?

 いやー,僕も就職してようやく3年たったんだけど,3年たって,ようやく仕事の全体像が分かってきた感じがしてさ。

 おー,そうなんだ。やっぱり,昔やってたおにぎり屋さんとは,全然違う感じなのかい?父さんは良く知らないけど,建設業ってどんな感じなの?

 うん,やっぱり,一人でやるビジネスと,会社経営って,違いがたくさんあるね。

まずは,やっぱり,金額が大きいというのもあるけど,お金の回収までの期間が違うよね。というのは,おにぎり屋さんのときは,お金を払ってから受け取るまでの期間が短い,つまり,材料を買ってからおにぎりを作ってお客さんから代金をもらうまでの期間が短かったんだよね。

 それに対して,建設業だと,材料を発注したり,協力会社さんへの支払をしてから,長い長い工事期間が終わって引き渡して,ようやくお金がもらえるんだよね。

 お金を回収するまでの期間が長いよね。

 あとはやっぱり,関わる人の多さがあると思うんだよね。

というのはさ,昔,一人でおにぎり屋さんをやってた頃はさ,材料を買ってからお客さんに売るまで全部一人でできたんだよね。

 それに対して,やっぱり会社経営は,規模が大きいから,一人で全部やるのは無理で,役割分担がたくさんあるんだよね。それにお客さんと一対一じゃなくて,協力会社さんとか,現場の職人さんとか,仕入れ業者さんとか,関わる人の数がとても多いんだよね。

 だからやっぱり,助け合う事,チームワーク,コミュニケーションがすごい大事だってきづいたよ。

 それとさ,会社経営の場合は,ビジネスの工程が複雑で,改善しにくかったり,ロスが発生したりしやすいと思ったよ。

 というのは,昔,一人でおにぎり屋さんをやってた頃はさ,材料を買って,いろんなメニューのおにぎり作って,お店に並べて,あとはチラシくばりをして宣伝をするっていう,シンプルな流れだったんだよね。流れがシンプルだから,いろんな改善活動をするのもしやすくて,良い材料を探したり,新しいメニューを開発したり,ポイントカードを作ったり,お客さんとのコミュニケーションを良くしたり,チラシを新しくしてみたり,チラシを配る場所を変えたりと,改善すること,工夫することがやりやすかったんだよね。

 でも会社経営になると,そもそも役割分担がたくさんあるから,どこを改善すればよいのかっていうのが,わかりにくいし,ひとりじゃできないんだよね。

 ビジネスの工程も複雑で,発注主への営業活動,受注の際の契約交渉,受注した後のプロジェクトの計画作り,建築資材の発注,協力業者さんの選定,職人さんの手配,プロジェクトの進捗管理,引き渡しの際の確認とか,工程が複雑なんだよね。

 おおー,そうかぁ。なるほどなぁ。会社にはいって,だいぶ,勉強させてもらってるようだなぁ。

 うん,ほんと毎日勉強になることばかりだよ。わからないことだらけだから,失敗も多くてさ,もう課長には何度怒られたかわからないくらいだよ。

 たとえばさ,

 建築資材の発注を任されたんだけど,工事の進捗状況をみて,余裕をもった納品日にするのを忘れちゃってて,結局,建築資材の納品が間に合わなくて,納品準備ミスになっちゃって,職人さんがすることがなくなっちゃって,待ちぼうけさせちゃったんだよね。

 ちゃんと,工事の進捗状況をみて,余裕をもった納品日にすること,反省したなぁ。

 あとね。契約交渉させてもらったプロジェクトがあったんだけど,なんとしても受注したかったから,ちょっと納期を無理して,早く出来上がりますって言っちゃったんだよね。でもやっぱり,納期に無理があって,間に合わなそうになっちゃってさ,結局,応援の職人さんに沢山応援にきてもらっちゃったから,その分,職人さんにお支払いする工賃が増えちゃって,ギリギリで赤字になっちゃうところだったんだよね。

 あとね,いろんなプロジェクトが並行して進んでるから,管理するのがこんがらがっちゃってさ,管理ミスで,職人さんに工賃を二重払いして迷惑かけちゃったりとか,いろいろ,大変だったよ。

 おー,そうかそうか,身をもって体験して,いろいろ学んできたね。

 じゃあ,それを活かして,今後はどうしたい?

 今後かあ,そうだなぁ。どうしようかなぁ。あ,そうだ,今,話してみて気づいたことがあるよ。

この,いままでの反省点をまとめたり,改善できるとおもったことを,一覧のチェックリストにしてみようかな。そうしたら,同じ失敗を防げるかもしれないし,これから入ってくる後輩も使えて,即戦力化しやすくなるかなと思って。

 おお,それはいいね。気づきがあったみたいだね。チェックリストか。なるほど。がんばれよ。

 うん,父さん,聞いてくれてありがとう。がんばるよ!!

クイズ目標数値を変えると?:紙芝居型ブログ ブログ#259

「30分ミニ社員研修教材」

 会社経営の目標数値を何にするか?
それによって仲間の意識・行動がどう変わるかについて
意見交換・意識共有したい人のための
研修教材です。

<クイズ!経営の目標数値を変えると?>

 こちらは,建設業を営んでいるA社長です。A社長はもともと,地元で左官職人をしていました。その後,A社長は,生まれ育った地元のまちづくりに貢献したいと思って,建設会社を立ち上げました。A社長が建設会社を立ち上げてから10年が経過したある日のことです。

 あー,思い返せば,会社を立ち上げてから,しゃにむに頑張ってきたけど,会社立ち上げからもう10年もたつのかぁ。感慨深いなぁ。よし,今期もがんばるぞ。

こちらは,部長のBさんです。

社長,今,入った情報ですと,ライバル会社は,今期,売上1.2倍を目標にしているという情報が入ってきました。

 なに,1.2倍だと!!むむむむむ・・・。よし,だったら,わが社は今期の目標は売上1.3倍だ。なんとしても,ライバル会社に負けるわけにはいかないんだ。

それに,売上が多い方が,元請け会社からの印象も良くなるし,経営事項審査もあるから,売上1.3倍を目標だ,みんな,がんばってくれよよ

 こちらは,社員のCさんです。Cさんは内心,こう思っていました。

 ええー,目標売上1.3倍!!ええー,去年だってもうあちこち走り回ってなんとか目標達成できたのに,今年は,さらに売り上げ1.3倍,ええー,できるかなぁ。全然,自信ないなぁ。

 このようにして,A社長は,今期の会社の目標は,売上1.3倍としました。

 それから3か月後のことです。

 部長,今,ちょっと,よいかな?今月までの売上はどうかね?

 あ,はい,社長,今のところ,前年比とちょうど同じくらいですね。

 なにー,全然だめじゃないか。このままだと,売上1.3倍達成はおろか,ライバル会社に負けてしまうぞ。まずいな。みんなにもっとがんばってもらわないといけないな。よし,みんな,売上1.3倍が目標なんだから,とにかく,去年の1.3倍,働いてくれ。とにかく走り回って仕事をとってきて,どんどんこなしてくれ。

 このように,A社長は,全社員に,とにかく去年の1.3倍,働くよう指示しました。

 すると,社員さんたちも,なんとか,この社長の指示にこたえようと,必死にがんばりました。

 まず,営業チームは今まで以上に営業してまわって,仕事を取ってきました。

 その際,とにかく売上を増やすことを重視していたため,コスト,経費が高くつきそうな案件でも,気にせず,構わず取ってくるということをしました。

 すると,今度は,現場の工事を進める人員が不足してしまいました。そこで,特急で対応してくれる応援業者の人にたくさん来てもらう事になりました。

また,同時にたくさんの現場を進めたことから,連係ミスや管理不足のトラブルも増えてしまいました。

 また,みんなで猛烈にがんばったことから,定時に帰れる人が少なくなり,残業や休日出勤が増え,休みが少なくなってしまい,疲労してしまう人が増えました。

 このように,全社員が一丸となって,全力を尽くしました。

そして,いよいよ,年度末になりました。

社長,いま,よろしいでしょうか?今期の数字が出てきました。

おお,部長,どうだったかね?

はい,目標1.3倍でしたが,残念,1.2倍になりました!!

あー,残念!!あと少しだったかぁ。悔しいなぁ。

まあでも,みんな本当に良く頑張ってくれたし,良しとしよう。

ところで,社長,ちょっとよろしいでしょうか?たしかに,売上は1.2倍になったのですが,会社にのこる利益が,昨年と変わっていないのです。

 な,なに,それはいったいどういうことだ?売上が1.2倍になったのだから,会社に残る利益も1.2倍くらいになるはずだろう。

 それが,そうなってはいないのです。ちょっと,数字を分析してみますね。ふむふむ,ふむふむ,あ,社長,たしかに売り上げは1.2倍になったのですが,支払いが増えてしまっている経費があります。

 たとえば,今年は,営業が,売上の額を重視して,たくさん仕事を取ってきて,ただ,その分経費も大幅に増えています。工事現場の数が増えて,納期に間に合わなくなりそうだったので,応援業者さんをたくさん頼んだのです。特急料金も上乗せされて,かなり経費が増えてしまってます。

また,同時にたくさんの工事現場を担当したので,見積が甘かったり,連係ミスや管理不足のトラブル対応が増えてしまい,予期せぬ支出が増えてしまってます。

また,社員のみんなが猛烈にがんばってくれた分,残業代や休日出勤手当が増えています。

このようにして,たしかに,売上は1.2倍になりましたが,経費も増えてしまい,その結果,残った利益は去年と同じくらいになってしまってます。

 あー,なるほど,そういうことかー。そっかー。たしかにそうだよなぁ。なるほど。

 じゃあ,来期はどうしたらいいんだろうか。

 うーん,売上を増やす目標も良いけど,やっぱり,会社に残る利益・現金・キャッシュを増やしたいな。がんばってくれた社員に還元するためには,会社に残る利益を増やさないとな。 うーん,うーん,

あ,そうだ,これだ,この割合の数値を目標にしよう。

 今期は,売上1.3倍目標は一旦やめて,売上高の目標は元に戻して,ただ,この割合の数値を1.3倍にすることを目標にしよう。これができれば社員に還元できるし。

 おお,社長,それは良いですね。さっそく,そのためのアイデアをみんなで考えてみたいと思います。

 こうして,A社長は,今期の目標は,「ある割合の数値」を1.3倍とすることを,今期の目標にしました。すると,社員さん全員の意識や動きも,この目標数値を達成するための行動に変わっていきました。

 具体的には,まず,どんな仕事でも取ってくるという事をやめて,じっくり仕事の中身を精査するようになりました。その結果,受注する工事の数は,元に戻りました。

その結果,社員さんは無理な残業や休日出勤がなくなり,しっかり休んで体をケアできるようになりました。

他方で,みんなでアイデアを出し合って,提案営業をしたり,追加工事を提案したりするなどして,現場ごとの単価を上げました。

また,社員間のコミュニケーション・情報共有頻度を増やし,連携ミス・管理不足が起きないようにしたところ,見積りの精度が上がったり,ロスや不測の支出が減ったりしました。

みなで意見交換をしながら,プロセスの無駄を省いたり,無駄なコストをカットできるように,アイデアを出し合ったりしました。

全社員が一丸となって,目標数値達成にむけてがんばりました。

そして,また,年度末になりました。

B部長が慌ててA社長のところにやってきました。

社長,今期の数値がでました。

おお,部長,どうだったかね。

なんと,売上高は元に戻りましたが,会社に残った利益は,なんと,1.3倍になりました。

おおー,やったー,やったね。みんなよくやってくれた。やったぞー

さて,みなさん,ここでクイズです。このA社長が目標にしたある割合の数値とは,なんだと思いますか?