紙芝居型ブログ

ヒヤリハット!犯人探す?再発防ぐ?:紙芝居型ブログ ブログ#254

「30分ミニ社員研修教材」

 ヒヤリハットを少なくさせるために
意識共有していきたい人のための
研修教材です。

<ヒヤリハット!犯人探す?再発防ぐ?>

 こちらは,とある,大規模建設現場を手掛ける会社の現場監督をしている,A監督とB監督です。

 A監督もB監督も,複数の現場を担当し,それぞれの現場で,多くの社員や協力スタッフを抱えて,現場を監督していました。毎日,いろいろなことが起きるなかで,必死にがんばって,プロジェクトを進めていました。

A監督は,体育会系出身で,強力なリーダーシップを発揮していました。自分にも他人にも厳しい,ストイックな性格でした。

 他方,B監督は,小さいころから読書が大好きで,文学少年でした。若干,たよりないと言われたり,建設現場に向いていないと言われこともありますが,やさしい性格で,細やかな配慮ができる性格でした。

 こちらは,社長です。ある日のことです。社長は,A監督とB監督を呼び出しました。

 コンコンコン,失礼します。

 おお,AさんとBさん,今日来てもらったのは,実は,わが社の,現場で,最近,ヒヤリハットや小さい事故が頻発しています。万が一,大規模な事故が発生したら大変なことになります。お二人とも,複数の現場を監督し,やることが膨大にある中で,大変だということは重々承知なのですが,

やはり,なんとしても,事故は防がなければなりません。そこで,急ぎ,ヒヤリハットや,小さい事故がなくなるよう,対策を行ってください。方法はお任せします。

 はい,わかりました。

 A監督は,持ち前の強力なリーダーシップを発揮しました。

大急ぎで,事故やヒヤリハットを報告させる仕組みを作り,現場に浸透させました。監視カメラの数を一気に増やすとともに,誰が,いつ,何時何分に,どんなことを起こしたのか,現場作業員がお互いに監視し合うような仕組みを作り上げました。

 特に,ヒヤリハット・事故を起こした者には,厳格な聞き取り調査を行い,反省文の提出をさせ,二度とヒヤリハット・事故が起きないように,A監督自ら直接注意をしました。

 この結果,A監督が監督する現場では,あっという間に,ヒヤリハットや事故の件数が減少していきました。

 他方で,A監督の現場は,常に,緊張感が漂うようになりました。作業員同士のコミュニケーションも減っていきました。また,現場から意見が出ることが少なくなっていきました。作業員は,ミスをしたことを自分からなかなか言い出せない空気になりました。そして,徐々に退職者が増えていきました。

 他方,こちらは,B監督です。

 B監督は,A監督のような強力なリーダーシップを発揮することができず,すぐには,有効なヒヤリハットや事故の対策を実施することができず,時間が過ぎてしまいました。

 B監督は,まず,各現場ごとに,ヒヤリハットや事故の予防策について,現場作業員同士での会議・コミュニケーションの場を増やし,アイデアを募集しました。 

 そして,現場作業員に対し,人がやることについて,ミスを0にすることはできないけれども,ミスを限りなく0に近づけることについて,みなで力を合わせることはできることを説明し続けました。

 そして,ヒヤリハットや事故があった際には,お互いに,勇気をもって報告し合い,犯人さがしはせずに,再発防止策をみんなで考える,というルールをつくりました。

 この結果,B監督の担当現場では,A監督ほど,すぐには,ヒヤリハットや事故が減りませんでした。徐々に効果が出るまで,時間がかかりました。

そのかわり,現場の雰囲気やコミュニケーションは良好でした。

そして,日々,現場から出てきたアイデアをもとに,再発防止策のノウハウを蓄積していくことができました。

休日出勤と社員の温度差:紙芝居型ブログ ブログ#236

「30分ミニ社員研修教材」
 休日出勤したい人,したいけどできない人,したくない人,
人それぞれですよね。
 温度差ができてしまったら,
どうしますか?
 よくあるケース,
紙芝居にしてみました。

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休日出勤と社員の温度差

 こちらは,A部長です。

 A部長は,デザイン会社のデザイン制作部の管理職です。

 このA部長,実は,悩んでいることがありました。

 最近,業績が上がってきて,ありがたいことだけど,社員さんの休日出勤が増えちゃってるんだよなぁ。

 やっぱり,健康が一番大切だから,社員さんにはしっかり休んでもらいたいんだけど,この難しいご時世に,仕事があるっていうのはありがたいことだから,難しい問題だよなぁ。

 最近は働き方改革もあるし,なるべく効率的に働くべきっていうのはあるけど,もちろん,適切かつ必要な労働はOKだけれど,バランスが難しいよなぁ。

 こちらは,Bさんです。Bさんは,A部長の部下です。

 Bさんはとても優秀で,デザイン制作の仕事が早く,しかも仕事のクオリティが高いと社内で評判でした。

最近,仕事がとても忙しく,休日出勤も連続しています。

はー,全然,仕事が終わらないよ。なんでか僕ばっかり,すごいたくさん仕事任されてる気がするんだよなぁ。

 ちょうど,A部長が社内に戻ってきました。

 おお,Bさん,今日も休日なのに,本当に,おつかれさまです。

 健康を第一にして,なるべく休んで下さいね。

 あ,はい,A部長,わかりました。お気遣いどうもありがとうございます。

 このときA部長はこう思っていました。

 うーん,やっぱりそうだ,Bさんすごい休日出勤してるなぁ。

 こちらは,C君です。C君は入社一年目の社員であり,まじめで頑張り屋さんでしたが,まだデザイン制作の仕事に慣れていませんでした。また,オンとオフをしっかり区別したい,休日はしっかり休みたいというタイプでした。

 ある日,ちょうど,A部長が社内に戻ってきたときのことです。

 あ,A部長,お帰りなさい。A部長,自分,今日は仕事が終わったので,なにかほかになければ定時で帰ろうと思いますが,なにかありますでしょうか。

 おー,Cさん,おつかれさまです。そうですね,早く帰れるときはどんどん早く帰って,休んでください。今日もお疲れ様でした。

 このとき,このA社長とCさんのやりとりを,横で見ていたBさんは,こう思っていました。

 なんだかなぁ。自分ばっかりたくさん仕事担当させられてるのに,Cさんは毎日さっさと定時で帰るんだよなぁ。まあ,たしかに,Cさんは,まだ入社して時間がたってないから,配分される仕事が少ないっていうのはあるけどさ。

なんだか,テンション下がるんだよぁ。

このように,Bさんは仕事のモチベーションが下がってしまいました。

 他方,こちらは,Dさんです。Dさんも入社一年目の社員です。まだまだ未熟ではありましたが,早く成長して,バリバリ仕事をこなせるようになりたいという思いが強かったことから,積極的に仕事を担当させてもらえるよう,がんばっていました。

また,ある日のことです。DさんはA部長のところに相談に来ました。

A部長,すみません,今度の新規プロジェクトも,自分に担当させてもらえないでしょうか。

え,ええっ,ちょっと,Dさん,やる気があるのはとても良いことですが,今でも,結構仕事を抱えていますよね。そんなに担当したら,休めなくないですか。

 いえいえ,まだまだです。自分,早く成長したいので,もっともっとやらせてもらいたいんです。休日出勤になってしまうかもしれませんが,どうか,お願いします。

 わ,わかりました。しかし,健康第一で,お願いしますよ。

 はい,ありがとうございます。

 このやり取りを近くで聞いていたC君は,内心,こう思っていました。

 僕だって,どんどん仕事させてもらって,早く成長して,会社の戦力になりたいけれど,実家の家族の介護もあって,Dさんみたいに,休日出勤までバリバリすることは,今はできないんだよなぁ。僕って,会社にいちゃいけない人間なんだろうか・・・

 このように,Cさんは,仕事のモチベーションが下がってしまいました。

 そして,ある日のことです。

 A部長が社内に戻ってきました。

 そのとき,A部長は,社内の様子,雰囲気を見て,こう思いました。

 あれれ,なんだか,Dさんは休日出勤も多いのに,すごいモチベーション高く働いているのに対して,同じく休日出勤の多いBさんはかなりモチベーションが下がっているようだし,休日出勤がほとんどないCさんもかなりモチベーションが下がってしまっているみたいだ。

なんだか,すごい温度差があるみたいだ。

 いったい,この温度差は,いつの間にできてしまったんだろう・・・なぜなんだー