無期転換ルール,と呼ばれる法律が,
すでに施行されています。
昔でしたら,
考えられなかったようなお話で,
契約社員,つまり,
有期契約,期間の定めがある雇用契約の社員さんが,
ある日から,
無期契約,期間の定めのない雇用契約に,
転換するという法律です。
こちら,
紙芝居でご紹介します。
無期転換ルール
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A君は,IT企業に,入社しました。
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プログラマーとして,毎日を一生懸命がんばっていました。
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A君は,1年契約の契約社員でした,平成25年4月1日に入社しました。
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毎年,4月に1年間の契約を更新していました。
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A君は,会社との間で,4回,契約を更新し,5回目の更新が近づいてきました。
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時は平成30年3月上旬のことです, A君は,いつもどおり,社内で作業をしていました。
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B部長です。B部長は,A君の上司です。B部長は,機嫌が悪いと,よく,部下に当たり散らしており,A君はよく,B部長にやつあたりされていました。
おい,A君,このプログラム,昨日までに修正しておけと言ったよな
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え,B部長,その件でしたら,先週,部長が,一旦,修正作業はそのままにして,別の作業を優先するようにとおっしゃったので,それ以来,修正作業はやっていないのですが。
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なに,そんなこと私が言うわけないだろう。証拠はあるのか証拠は。
す,すいません,私の勘違いでした
そうだろう,変な嘘をつくんじゃないよ,まったく
申し訳ございません。
全く,そんなウソをつくんだったら,もう君との雇用契約を更新するのは考えざるを得ないなぁ。
まあでも,私の言うことをしっかりと守って働くというなら,もう1年だけ,更新してやってもいいが,どうするかなぁ。
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どうかお願いします。このとおりです。なんでもご指示のとおりに必ず行いますので,どうか契約更新をお願いします。
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しょうがないなぁ。更新してやるか。そのかわり,私の言うことは絶対だぞ。それとなぁ,君は今回の更新でもう最後だぞ。なにがあっても,今回の更新で最後だからな。それでもいいか?
もちろんです,それで結構ですので,どうか契約更新お願いします。
よし,それならいいだろう。この約束はしっかりと契約書にも明記するからな。
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こうして,A君は,会社との間で,さらに1年間契約社員として,雇用契約を締結しました。
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その後,A君は,たまたまインターネットを見ていたところ,たまたま,厚生労働省のホームページをみて,無期転換ルールという記事を見つけました。
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ええ,なんだろこの無期転換ルールって。
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平成25年4月1日以降に更新した有期の雇用契約が,通算して5年を超える場合,
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会社に申込をすれば,無期契約になれる,これは強制的な法律なので,会社がダメと言っても無期契約になれる!!
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そうだったのかぁ。よし,僕もこの無期転換の申込みをして無期契約にしてもらうぞ。
これで毎年毎年,契約更新してもらえないんじゃないかっていう不安から解放されるぞ。
やったー
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翌日,A君は,B部長に面会を求めました
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部長,ちょっといいですか。私は,会社に対して,
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無期転換の申し込みをすることにしました。
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なんだその無期転換の申し込みいうのは?
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無期転換っていうのはですね。有期契約の更新期間が通算して5年を超える社員は,申込をすれば無期契約の社員になれるっていう制度ですよ。
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なに,なにいってるんだ。そんなの会社がみとめるわけないだろ
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会社が認める認めないは関係ないんですよ。
この厚生労働省のホームページでも見てみたらどうですか。
会社がダメと言っても,強制的に,無期契約になれるんです
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な,なにー,しかし,先月,契約更新した際に,君は今回の1年で最後だと約束しただろう。
契約書にもそう明記されてるんだから,君はこの1年でおわりだよ
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部長,契約書にそう書いても,それは無期転換ルールの趣旨に反するので,無効らしいですよ。私はもう無期転換の申込をしたんですよ。それでも,この私との雇用契約を解消するということは,解雇をすることになるんですよ。
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だったらもう,今,この瞬間,クビにしてやる,出ていけ
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部長,実は,私,
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この会話,携帯電話で,録音してたんですよ。
無期転換権を行使したことを理由に,解雇なんてできるわけないですよね。
こんなひどい解雇,許されるはずがない。
今から,労基署に相談に行ってきます。
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や,やられた,ま,まってくれ~