バイトテロ問題:紙芝居型ブログ ブログ#161

「まさかうちのお店が炎上するなんて」
となる前の予防が大切ですね。
 ついつい気が緩みがちなこと,
定期的に思い出す場所・研修が大切ですね。
 紙芝居にしてみました。

バイトテロ問題

 こちらは,A社長です。

 A社長は,チェーン店の居酒屋を3店舗経営する社長です。

 A社長は,もともと,若いときから居酒屋でアルバイトをしており,居酒屋の雰囲気が好きだったことから,今では居酒屋を3店舗経営しています。

 よーし,今日もがんばるぞ。

 今日も,お客さんに喜んでもらって,お店をたくさん盛り上げていこう

 こちらは,B専務です。B専務は,15年前に入社し,長く,社長の右腕として,活躍しています。真面目で実直な働きぶりに,社長はとても助けられています。

 B専務は,慌てて,社長のところにきました。

 社長,大変です。

 おお,専務,いったいどうしたんだい

 はい,なんと,テレビ局や新聞社から,わが社へ取材の申込が来ました。私は,SNSというのが,よくわからないのですが,わが社が,SNSで,今,大炎上しているそうです。

 ええっ,いったいどういうことだ。なんでそんなことになってしまったんだ。

 どうやら,わが社のアルバイトが,土足で冷蔵庫に入ってふざけているよう様子であるとか,食器洗いシンクに入って入浴している様子などを,SNSにアップしたそうで,その映像がとても不衛生極まりないということで,大問題になっているそうです。

 ええー,なんてこったー。それ,いわゆるバイトテロってやつじゃないか。

 まさか,わが社の従業員に限って,そんなことは絶対ないと思っていたのに。そんな―。まあでも,たしかに,最近人手不足で,一気にアルバイトの数を増やしたばかりなんだよな。そのあたりの教育が行き届いていなかったからなんだろうか。こまったこまったー

 それにしても,とりあえず,事態がおさまるよう,それぞれ手分けして動こう。原因を究明して,再発防止策を考えて,謝罪をしよう。

 はい,わかりました。

 そして,翌日のことです。

 B専務がまた慌ててやってきました。

 社長,大変です。

 おお,B専務,いったいどうしたんだ

 なんと,わが社のフランチャイザー,フランチャイズの本部から,事情聴取の連絡がありました。場合によっては,フランチャイズ契約の打ち切りもあり得るそうです。

 ええー,なんてこったー。そんな,フランチャイズ契約打ち切りになったら,わが社はもう倒産するしかないぞ。とにかく,誠実に,事情聴取に応じて,できることを最大限やるしかない

 こうして,A社長は,フランチャイズ契約の本部から事情聴取をされ,事件を起こしたアルバイト従業員に対しては厳罰をもって臨む,という約束をしました。

具体的には,懲戒解雇,損害賠償請求,信用棄損や業務妨害を理由に刑事告訴までするということを約束し,フランチャイズ契約の打ち切りは,免れました。

 A社長は,問題を起こしたアルバイト従業員に対して,100万円の損害賠償請求の裁判を起こしました。

 問題を起こしたアルバイト従業員は裁判に来なかったため,A社長の勝訴が確定しました。

 よーし,これで問題を起こしたアルバイトに対する100万円の損害賠償請求が認められたぞ。はー,よかったよかった。

ところで,この100万円は,いつ払ってもらえるのだろうか。ちょっと裁判所の職員さんに電話で聞いてみよう。

 こちらは,裁判所の職員さんです。A社長は状況を説明しました。

あのー,みなさん,誤解している方が多いのですが,裁判所で勝訴の判決が出ても,そのあと,裁判所の方で,相手からお金を取り上げて,そちらにお支払いするっていう制度は,ないんですよ。

 判決文が出ても,相手方が支払いをしないのであれば,今度は,「強制執行」という手続をする必要があるんです。

 ええー,そうだったんですか。もう裁判だけでこんなに時間がかかったのに,まだお金がもらえるわけじゃないんですね。はー大変だなぁ。そういえば,強制執行ってなんか聞いたことがある言葉だなあ。

 じゃあ,すみません,その強制執行,お願いできますか?

 強制執行というのは,まずは,ご自身で書類を作ったり,手続するものなんですよ。

 ええー,裁判所でやってくれるものではないんですか,また面倒そうだなぁ。

 はい,あのー,あまりご存知ないようなので,そもそものお話をさせていただきますが,強制執行するということであれば,相手の,どんな財産に強制執行するか,ご自身で,調査したりして,決める必要があるんです。たとえば,預貯金とか,不動産とか,そういった財産ですね。

それが決まったら,その強制執行の手続に合った書類を,裁判所に提出していただいて,ようやく,強制執行の手続が始まることになるんです。そのため,判決を取っただけでは,強制執行になるわけではないんです。

 ええー,そうだったんですかぁ。でも,私,相手の詳しい情報があるわけではないので,100万円がはいってる預貯金口座があるかどうかとか,不動産持ってるかどうかなんて,全然知らないんです。

 もしかしたら,見つからないかもしれないし,見つかっても,ほとんどお金が残ってないっていう可能性もありますよね?

 はい,そういったことは,よくありますね。

 そ,そ,その場合は,この勝訴の判決文は,どうなっちゃうんでしょうか?

 その場合は,残念ながら,結局,なにも回収できないということで,それで終わりになってしまいますね。

 ええー,長い時間をかけて,ここまでやったのに,そんなー。なんてこったー。

 その後,A社長は考え込んでいました。

 いやー,それにしても,今回のバイトテロ騒動はひどい目にあった。連日,炎上の対応で気が気じゃないし,生きた心地がしないよ。時間も労力もお金も,大変な損失になった。もう絶対,二度とこういうことが起こらないように,厳格にやっていかなきゃだ。

 今回,入社したばかりのアルバイトが起こしたことだから,特に,入社したばかりの人に対策をする必要がある。よし,決めたぞ,求人情報に,わが社の入社条件の一つに,SNSは禁止であることを,厳しく厳しく,書いておこう。

 そうすることで,そういう危険性のある人が社内に入ってこないようにすればいいんだな。よし,そうしよう。

 そして,一か月後のことです。

 また専務が慌ててやってきました。 

 社長,大変です。

 おお,専務,いったいどうしたんだね。

 はい,新たに出した求人,応募者が0になりました。

 ええー,いったいどうしてなんだ。

 はい,どうやら,求人情報に,SNSのアップ禁止と書いたのが,かなり抵抗があるようで,そういうことが書いてない求人情報のほうに,人が流れたのではないかと思われます。

 ええー,そんなぁ。これじゃ,今度は,人がいなくてやっていけないよ。もう踏んだり蹴ったりじゃないか。なんてこったー。

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