紙芝居型ブログ

不当解雇(ブラック社長バージョン):紙芝居型ブログ ブログ#168

 ブラック社長による不当解雇の流れ,
紙芝居にしてみました。

<不当解雇(ブラック社長版)>

 こちらはA君です。

A君は、新卒で、食品の卸売り会社の営業マンとして入社しました。

 A君は,まじめな頑張り屋さんでした。

新社会人として、毎日を一生懸命がんばっていました。

 あー、今日も忙しい、毎日,あちこち駆け回ってるなぁ。

これが社会人生活ってやつかぁ。

でも、毎日充実しているなー

 A君は,毎日必死にがんばって,1年が過ぎました。

 他方,B社長です。B社長は,裸一貫で東京へ状況し,必死に働いて,現在は,従業員を100名抱える社長です

 最近の不況で,B社長は,会社の状況がどんどん悪くなっていると感じておりました。

 うーん,まずいなぁ。会社の業績がどんどん落ちてる。これはちょっと経費削減しなければいけないな。 どうしようかな。

そうだ,まずは,やっぱり,一番若い社員にやめてもらおう。

 一番若い社員は,会社への貢献度もまだ低いからな。

 それに若い社員なら,ほかの会社でやっていけるだろうし。

 うちで一番若い社員はA君だな。よし,A君をやめさせよう。

 じゃあ,どうやってやめさせようかな。いきなりだとびっくりするだろうしなぁ

 そうだ,A君が業務でなにかミスをしたら,それを理由にしよう

 ある日のことです、会社にいたA君に、先輩のCさんから電話がかかってきました。

 Aくん、Cさんから電話ですよ。なんだか怒っている様子です。

 ええ、僕ですか。なんだろうなあ。はい,もしもし,

 Aくん、君は納品ミスをしてくれたね。これで2か月連続じゃないか。

 すいません、申し訳ございません。

 まあ,二回とも,私がフォローしておいたから,特に問題は発生しなかったからいいけど,もう二度とこんなミスをしてないでくれよ。

 本当に申し訳ございません。

 はー、こまったこまった また社長におこられちゃう。

前回ミスしたときも,こっぴどく怒られたからなぁ。はー,嫌だなあ。

社長,怒り出したら,とまらないからなぁ。

 事情を聞いたB社長が,外出から戻ってきました。

 おー,A君,おつかれさま。先輩のCさんにまた怒られてしまったらしいね。大変だったね。疲れただろう。ところで,ちょっと社長室に来てくれ。

あれ,社長,全然怒ってない。なんでだろう。まあいいか,助かったー

 コンコン,失礼します。

 社長,なんでしょうか?

 今日は,A君に話があってね。

 先日も納品ミスをして,今日も納品ミスしてしまったね。でも私は全然怒ってないんだ。

 そんなときもあるだろう。仕方ないよ。いいんだ。

 ただね,A君には,この仕事,向いてないと思うんだ。

 君には,君の才能をもっと活かせる仕事があると思うんだ。どうだね,どこかほかの会社に行ってみないか?

 いえ,自分は今の仕事が大好きですからやめたくないんです。

 いやいや,A君にはもっと向いている仕事があるよ

 いえいえ,私は会社が大好きなんです。どうかこのまま働かせください。

 いーや,君にはほかの会社のほうが合ってるよ

 そんな、どうか、どうかここで働かせてください。

 君ねぇ。今日も納品ミスして,こないだもミスして,会社にどれだけ迷惑をかけていると思っているんだ。全く。もう会社に君の居場所はないんだ。

 そんな,自分は,先月、こどもがうまれたばかりで、今、自分が必死にがんばらなければ、妻と子どもを食べさせていけないんです。どうか、このとおりです。

 うるさい。2ヶ月連続で納品ミスをしておきながら何を言っているんだ。きみはクビにする。

君にはね,30日分の給料を上乗せして払う。そうすれば,法律上,会社は君をクビにできるんだ。

 ええー,そうなんですかー,そんなー

 こうして、Aくんは、泣きながら、退社しました。

 A君は途方に暮れていました。

 A君は,たまたまインターネットを見ていたところ,「知らないと損する労働法」というホームページを見ていました。

 え,なにこれ,ええー,30日分の給料払えばクビにできるは誤解!

日本の労働法では,クビはなかなかむずかしい!!,へー,そうなの,

詳しくは,お近くの社会保険労務士まで。

 へー,そうなんだ,ちょっと,相談に行ってみよう。

 こちらは,社会保険労務士さんです

こんにちは。今日は,どういったご相談ですか?

 はい,僕,会社をクビになってしまいまして。

 そうでしたか,それはどうしてですか?

 二か月連続で納品ミスをしてしまいまして。社長から,法律では,30日分の給料払えばクビにできると言われました。

A君はくわしく事情を説明しました。

 そういう説明をされたのですね,実は,それ,よくある誤解なんです。

どういうことかというと,解雇予告手当という法律・ルールがあって,クビ,つまり解雇をするには,30日以上前に予告をしなければならない,もし,その予告が間に合わないのであれば,その間に合わない期間に対応した分のお給料を払わなければならないという法律・ルールがあるんです。

 これをみなさん,誤解してしまって,30日分払えばクビ・解雇できると誤解してしまっている人が多いんですが,そうではなくて,これは解雇の予告に関するルールであって,実際に解雇が認められるかどうかは,また別のお話なんです。

 そして,日本では,解雇が有効になるにはかなりハードルが高いと言われています。

 なかなか解雇は難しいということですね。

 ええ,そうだったんですか,社長がクビと言ったら,クビだと思ってました。

 はい,みなさん,意外と知らないのですが,実はそうなんです。

 知らないと損することって,実はたくさんあるんですよ。

 今回のケースだと,たしかに納品ミスをしてしまっていますが,それについて,具体的な損害は発生しなかったということであるし,会社から解雇以外の処分を受けたこともないし,配置転換等もされていないということなので,法律的には,今回の解雇は無効かもしれないですね。

 少なくとも,30日分のお給料を払えば解雇できるという説明は,間違ってますよ。

 そうだったんですか。知らなかった。

 ということは,僕,騙されてたんですね,くやしいですっ

 二ヶ月後

 あー青空の下のゴルフは気持ちがいいねぇ。うーん、我ながらナイスショット

 ブルルルルル

 おや、電話だ。秘書のD子くんからだ。もしもし,なんだね。

 社長、大変です。

裁判所から、書類がきました。書類の中身は,訴状となっています。

なにー!!

> 

はい。原告は、Aくん、被告は会社となっています。

A君は不当解雇だと主張しているそうです。

 いったいどういうことだ。なんで、我が社が被告にされるんだ。 納得がいかないぞ。A君のミスが原因なんだし,ちゃんと30日分の給料も上乗せしたんだし,不当解雇なはずがない。

 こうして、裁判所での裁判が始まりました。

 まあ、裁判なんて堅苦しいことやってるけど,

Aくんはあれだけひどい仕事をしたんだから、クビで当然だろう。

 30日分の給料を渡したから、我が社が負けるはずがない。

 裁判は、一年かかりました。

 一年後、いよいよ判決の日になりました。

 傍聴席では、判決をまつ人が集まっています。

 静粛に,判決を言い渡します

判決主文 Aくんには,会社の従業員としての地位を,認めます。

 また、会社は、A君にたいし、解雇から本日までの一年分の賃金500万円をはらいなさい。

 ええ、我が社の完全敗訴ではないか。しかも、この一年間の給料500万円を払えなんて、額が多すぎる。

 なぜ、我が社がまけてしまったんだー なぜだー

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労働者派遣法:紙芝居型ブログ ブログ#167

 労働者派遣法の落とし穴,
派遣契約の方が,ある日,突然,
派遣契約ではなく,直接契約になることがあります。

 紙芝居にしてみました。

改正労働者派遣法

A君は,もともと,システム開発の勉強をしていたことから,システム開発会社で,プログラマーとして働きたいと思っていました。

 派遣会社に登録したら,運よく,システム開発会社で,派遣社員として働けることになったぞ。よし,仕事をがんばって,そして,スキルアップするぞ。

A君は,平成27年10月1日,会社の唯一の派遣社員として,働き始めました。

 その2年6か月後のことです

平成30年4月,

 こちらは,B部長です。

B部長は,人事部長に昇進しました。

B部長は,もともと,営業部出身で,一生懸命仕事にとりくみ,社内で一番の営業成績をあげていました。B部長は,そのがんばりが評価された結果,B部長にとってはじめての部長職として,人事部長に就任しました。

 やっと,私も,部長になれたぞ。がんばった甲斐があったなぁ。

さてさて,部長にはなれたものの,人事部の仕事なんてまったくわからないから,いそいで,部下にも教えてもらいながら,人事の勉強をしなきゃだな。よし,がんばるぞ。

 そういえば,最近,なんか,労働者派遣法が改正されたって聞いたなぁ。

まあでも,まだ,人事のこと,全然わからないし,これから勉強するところだから,労働者派遣法の勉強はとりあえず後回しだな。

このように,B部長は,労働者派遣法が改正されたことは知りつつも,特に,なにも対策をしませんでした。

その後,A君の派遣契約が更新されました。その結果,A君は,入社して4年目になりました。

 B部長,今,お話させていただけますでしょうか?

おー,A君,どうしたの。いつもがんばってくれているねぇ。

ありがとうございます。B部長,今日は,大事なお話がありまして。私,会社に対して,労働契約の申込みの承諾をします。

 え,なんだって?労働契約の申込みの承諾と言ったって,君は,派遣社員として,派遣会社とのあいだで労働契約を締結して,もうすでにわが社で派遣社員として,働いているじゃないか?

 ですから,今日,会社に対して,労働契約の申込みの承諾をします。労働者派遣法が改正されたの,ご存じないようですね。

 労働者派遣法が改正されまして,個人単位の期間制限と言いまして,

派遣労働者を,3年を超えて同一の「課」などに受け入れてはいけないんです。別の「課」に代えるなどの対応をしなければいけないのです。

 これに違反した場合,会社は,その派遣労働者に対して,労働契約の申込みをしたとみなされるのです。

 そこで,私は,その申込に対して,承諾します。つまり,たった今から,会社と私との間で,従前と同一の労働条件で,労働契約成立したことになるのです。

 ええー,そんなー

 その結果,A君は,派遣会社ではなく,直接,この勤務先の会社に雇われることになりました。

 1年後

 昨年のA君のことは本当に驚いたな。あんな法律があるなんて,びっくりだよ。ほんと気を付けなきゃいけないな。

 そういえば,今月からまた,わが社で2人目の派遣社員のC君を受け入れるんだったな。次は絶対,3年の間に,ちゃんと所属する「課」を変更しよう。

> 

 3年後になりました。

 B部長は,C君の更新時期に合わせて,C君を別の「課」で働かせました

 ふー,今回はちゃんと,派遣社員のC君を,別の「課」に変更したぞ,忘れないで,よかったよかった。これで安心だ。

 その後のことです。

 B部長,今,お話させていただけますでしょうか?

ええ,C君,どうしたの。なんだかこわいなぁ。どしたの?

B部長,今日は,大事なお話がありまして。私,会社に対して,労働契約の申込みの承諾をします。

 ええー,なんだって?労働契約の申込みの承諾と言ったって,私はちゃんと,君の「所属部署」の「課」を変えたじゃないか。

 B部長,労働者派遣法が改正されたの,ご存じないようですね。

 労働者派遣法が改正されまして,事業所単位の期間制限というルールができたんです。

これは,派遣労働者を,3年を超えて受け入れる場合,その事業所の過半数代表者または過半数労働組合の「意見聴取手続」というものをしなければならないのです。

 これに違反した場合,会社は,その派遣労働者に対して,労働契約の申込みをしたとみなされるのです。

 そこで,私は,その申込に対して,承諾します。つまり,たった今から,会社と私との間で,従前と同一の労働条件で,労働契約成立したことになるのです。

 ええー,そんなー

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