紙芝居型ブログ

何を言うか・誰が言うか:紙芝居型ブログ ブログ#225

「30分ミニ社員研修教材」
 全く同じことを言うのでも,
人によって,その効果・影響力が違ったりしますよね。
 紙芝居にしてみました。

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<何を言うか・誰が言うか>

 こちらは,とある,食品製造会社に勤務するAさんとBさんです。

 AさんもBさんも,この会社で,部長職についていました。

 A部長は,おとなしい性格で,マジメで几帳面な性格でした。

 他方,B部長は,いつも明るく元気で,おっちょこちょいな面があるものの,持ち前の明るさで,回りから慕われていました。

A部長もB部長も,責任感が強く,自分の部署の部下には,なんとしても,会社の仕事を通して成長してもらいたいと思っていました。

 こちらは,A部長です。

さて,今日も仕事をがんばるぞ。

とにかく,仕事で大切なのは,

安定したパフォーマンスを発揮することだ。

だから,毎日,きっちり,安定して,いつもと同じように作業をして,同じ品質を保てるように,がんばるぞ。

 他方,こちらは,B部長です。

 さて,今日も仕事をがんばるぞ。

 とにかく,仕事で大切なのは,

挑戦すること,チャレンジすることだ。

 失敗を恐れず,チャレンジし続けよう。それに,今は,変化の激しい時代だ。

 今までと同じことばっかりしてたら,ライバル会社との競争に負けてしまう。

 だから,失敗しても良いから,どんどん,新しい商品の開発にチャレンジしよう。100個のアイデアを実行して,99個失敗しても,1個でも当たれば万々歳なんだから。

 このように,A部長とB部長は,性格の違いがとてもはっきりしていました。

 そんななか,ある日のことです。

 A部長とB部長は,社長に呼び出されました。

 こちらが,社長です。

 コンコンコン,社長,失礼します。

 おお,AさんとBさん,おつかれさまです。

 本日お越しいただいたのは,二つ,理由があります。

 一つは,ライバル会社で,食品の管理ミスで,食中毒が発生したそうです。そのため,今後,わが社も,消費者のみなさまから,厳しい目で見られる可能性があります。そこで,今後,品質管理にはよりいっそう力を入れるよう,部下のみなさんに,指導をお願いします。

 もう一つは,これはまた違うライバル会社の話なのですが,新製品開発が大当たりして,今,急成長している会社があります。このままでは,わが社の業績がかなり落ちることが見込まれています。

 そこで,至急,わが社でも,これに対抗して,新製品開発をがんばってください。これも,部下のみなさんに指導をお願いします。

 は,はい,わかりました。

 こうして,A部長とB部長は慌てて自分の部署に戻り,部下を集めて,言いました。

 みなさん,緊急で,お伝えしたいことが,2点あります。

 一つは,ライバル会社で,食品食中毒が発生したそうです。

 そのため,わが社でも,品質管理レベルを引き上げるよう対策してください。

 安定したパフォーマンスを発揮するよう心掛けてください。

 二つ目は,また違うライバル会社の,新製品開発が大当たりしたそうです。その結果,わが社の業績の急降下が予想されています。そこで,これに対抗すべく,至急,新製品開発に,挑戦してください。失敗しても構いませんから,失敗を恐れず,とにかくアイデアを出すことにこだわって,がんばってください。

さて,いかがでしたでしょうか。

このあと,A部長とB部長の部下の方は,それぞれ,どんな行動をとると思いますか?

怒る?ほめる?放置?紙芝居型ブログ ブログ#224

「30分ミニ社員研修教材」
 部下の育成のためには,
怒るのが良いのか?
ほめるのが良いのか?
放置するのが良いのか?
紙芝居にしてみました。

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<怒る?褒める?放置?>

 こちらは,とある,食品卸売会社に勤務する部長のAさんです。

 Aさんは,とてもまじめで一本気な性格で,また面倒見が良かったことから,部下からも慕われていました。

 A部長には,3人の部下がいました。A部長は,この3人の部下をひとしくかわいがり,その成長を切に望んでいました。

わが社も,どんどん,人が増えてきたから,これからは,ますます,人財育成に力を入れないとな。

A部長は,本当は優しい性格で,責任感が強かったため,自分の部下にはなんとしても会社の仕事を通して成長してもらいたいと思っていました。

そこで,自分の仕事は,サービス残業になってしまったとしても,部下の指導のために時間を使ってあげたいと思い,日中は部下の観察をし,夕方から,隠れてサービス残業をしていました。

 ふー,今日もおわったなぁ。今日も,部下のできていないところをたくさん見つけて,猛烈指導したから,こっちが疲労困憊だよ。さあ,今から,自分の仕事やるか。

 私もさ,本当は,怒るのって,すごい苦手なんだけど,せっかく,この会社に入ってくれたからには,上司として責任を果たしたいから,鬼上司っていうキャラ,作ってるんだよね。

 A部長の怒り方の激しさは,社内でも有名でした。しかし,実は,このように,A部長は本来,人を怒ったりするのがとても苦手でしたが,部下のために,鬼上司を演じていたのでした。

 こちらは,部下のB君です。

 B君,もともとおっとりした性格で,末っ子であったため,家族・兄弟からは甘やかされて育ちました。

 そのため,人に怒られることには慣れていませんでした。

 はーあ,また今日もA部長に怒られたよ。あったまにくるんだよなぁ。言ってることが正論だから,反論できなくて,またイライラするんだよなぁ。

 もう,絶対,次は,A部長に怒られないように,なんとしても,完璧に仕事してやろう

 このように,B君は,部長への対抗意識がメラメラと燃えていました。

 その結果,なんと,B君は,A部長への対抗意識を糧に,どんどん成績を上昇させていきました。

 他方,こちらは,C君とD君です。

C君とD君も,A部長の部下です。

B君と同じように,A部長から厳しい指導を受け,毎日怒られていました。

 その結果,B君とは違い,C君とD君は,A部長の厳しい指導を受けて成績が上昇することはありませんでした。

それどころか,C君は,どんどん成績が落ち込んでいってしまいました。

 他方,D君は,あまり変化がなく,成長することもなく,かといって,落ち込むことはない,無反応という感じでした。

 A部長は,悩んでいました。

うーん,部下の指導って,難しいなぁ。B君のようにどんどん成長していく子もいれば,逆に,どんどん落ち込んでしまう子もいるし。難しいなぁ。

 そんななか,ある日,A部長は,管理職が集まる管理職研修を受けました。

 そこで,部下を「褒める」ことの大切さを,勉強しました。

 なるほど,よし,これからは逆に,褒めることを大事にしてみよう。

 こうして,A部長は,C君とD君の良いところを探して褒めるということをやってみました。

 その結果,C君は,徐々に自信を回復し,A部長にもっと褒められたいということがモチベーションになり,少しずつ成長していくことができました。徐々に成績も上昇していいきました。

 他方,D君は,やはり,無反応で,褒められたからと言って,あまり変わりませんでした。

 A部長は悩んでいました。

 うーん,やっぱり人財育成って難しいなぁ。C君は,どうやら褒めて伸びるタイプだったみたいで,褒めることを増やしたら,ぐんぐん成長してくれた。

 しかし,いかんせん,D君はまったく反応がないんだよな。怒っても褒めても反応がない。反応がないのが一番こまっちゃうなぁ。

 もうしょうがない,ここは割り切ろう。放置だ。割り切って,どんどん成長していく,B君とC君を優先して育成して,いろいろ仕事を任せていこう。残念ながら,今のD君には,あまり伸び率が期待できないから,今はこのままにして,放置しておくしかないな。

 そんなある日,D君は思いました。

 なんか,最近,A部長,B君とC君とのコミュニケーション増えてるけど,僕とのコミュニケーションが減ってる気がするんだよな。なんだかさみしいな。

 ある日,D君は,担当プロジェクトについて,A部長に相談に行きました。

 プロジェクトの進捗状況を説明して,A部長の意見を尋ねました。

 このとき,A部長は内心,こう思っていました。

 うーん,D君のこの相談,本当だったら,言いたいこともたくさんあるし,D君の成長のために,さらにやってほしいこともいろいろあるんだけど,今のD君はあまり成長が見込めないから,言わなくていいかなぁ。今は,D君を育成している時間がないから,D君が傷つかないように,あたりさわりない返答をしておこう。

本当は,ミスもありそうだけど,あとで,D君が気づかない時に,修正しておけばよいし。

おお,D君,例のプロジェクトか。がんばってくれてるね。ありがとね。ふむふむ,ほうほう,いい感じじゃないか。いいね。このままがんばってくれ。なにかあったらこっちで訂正するかもしれないけど,このままよろしく頼むよ。

 そ,そうですか,わかりました,ありがとうございます。

 このとき,D君は内心,こう感じていました。

 なんだか,A部長,言い方はやわらかいけど,あんまり興味がなさそうな感じだな。B君とC君に対しては,すごい熱血指導してるのに,自分にはなんか当たり障りないこと言ってる感じが,なんとなくだけど,伝わるんだよな。僕,A部長に嫌われているのかな。

 こうして,D君は,ますますモチベーションが下がってしまいました。

 その結果,D君の仕事のパフォーマンスは,ますます低下してしまいました。

さて,いかがでしたでしょうか。

もし,みなさんが,A部長だったら,どうすればよいと思いましたか?