紙芝居型ブログ

言葉と本音の不一致:紙芝居型ブログ ブログ#229

「30分ミニ社員研修教材」
 言葉で言っていることと,
心の中で言っていること,
一致しないことって,多いですよね
 職場は特に。
 紙芝居にしてみました。

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<言葉と本音の不一致・個別の配慮>

 こちらは,とある,食品製造会社に入社したAさんです。

 Aさんは,もともと,この食品製造会社の商品の大ファンであったことから,この会社に入社することが第一希望でした。

やったー,厳しい就職活動を経て,ようやく,この会社に入社できたぞ。

よーし,おもいっきり,全力で,がんばるぞ。

 そして,ある日のことです。

> 

 はあ,おじいちゃん,最近,具合が悪いんだよなぁ。

お母さんも,なるべくおじいちゃんの家に行って介護するようにしてるけど,お母さんも働いているから限界があるんだよな。うち,弟と妹も,まだ小さいから面倒見てやらなきゃで,お母さんももう限界だと思うんだよな。

だから,僕が,なるべく早く帰宅して,弟と妹の世話か,おじいちゃんの家に行って,介護の手伝いしたいんだけど,そういうわけには,きっと,行かないよな。一時間だけでも早く帰れると,お母さんの役に立てるんだけど,こういうことって,会社のこととは関係ない,

「仕事以外のこと」だから,会社に相談するわけにはいかないよな。こまったなぁ

 このように,A君は,おじいさんの介護のことや,まだ小さい兄弟がいて,お母さんが限界までがんばっていることを心配していました。 A君の家庭は,母子家庭でした。

 その後,ますます,A君のおじいさんの容態が悪化し,ますます,A君のお母さんは体力に限界が来ていました。

 そんな様子を見ていたA君は,ますます心配になってしまい,仕事のパフォーマンスも落ちてしまっていました。

 はあ,困ったなぁ。おじいちゃんも,お母さんも,ますます大変そうだ。いったいどうしたらいいんだろう。誰かに相談してみようかな。でも,仕事以外の相談されても,困らせてしまうだけだよなぁ。どうしよう。

 そして,ある日のことです。

こちらは,総務課の先輩のB子さんです。

 あー,A君,お疲れ様。ねーちょっと聞いてよ。今日さぁ,満員電車で足ふまれちゃってさぁ。もうアタシって,もともとヒールが高い人でしょ,ホント嫌になっちゃうわよねぇ。でも,朝,はいった喫茶店で新製品のドリンクのお試しやってて,超お得って思った嬉しかったのよー。でも,思ったほど美味しくなかったんでビミョーって思ってさぁ。あ,でも,通勤途中でいつも見る猫がいてホント可愛くて,写真撮ろうとしたら逃げられちゃったのよねぇ。

 あ,そ,そうなんですね・・・

 A君は内心,こう思っていました。

 B子先輩は,いつもよく話しかけてくれるから,もしかしたら,相談にのってくれるかもしれないけど,ちょっと,こっちから話すタイミングがないくらい,マシンガントークなんだよなぁ。

 また,ある日のことです。

 こちらは,営業1課のCさんです。

 おー,A君,おつかれー。元気―

 あ,はい,元気にやってます。先輩はどうですか。

 おれは超元気元気,いま絶好調なんだよねぇ。

 あ,そうなんですね。いいですね。先輩,ちょっと相談させてもらってもいいですか?

 おー,もちろんだよ。なんでも聞いちゃってよ。

 ありがとうございます。実は,最近,ちょっと仕事にあまり集中できていなくてですね。

 あー,わかるわかる,この時期はみんなそうだから気にしないで大丈夫だよ。

 みんな入社してしばらくすると,みんなそうなんのよ。現実が見えてきたりね。

 オッケーオッケー,気にしなくていいからこのままがんばってよ。

 あ,は,はあ,ありがとうございます。がんばります。

 A君は,内心,こう思っていました。

 やっぱり,仕事以外のことって,相談しづらいんだよなぁ。

 またある日のことです。

 こちらは,総務課の先輩のD子さんです。

 A君おつかれさまー。元気?

 あ,はい,元気でっす。

 おおーいいねぇ。なんか最近ちょっとつらそうな感じもしたけど,やっぱり元気そうね。 

 わからないこととかあったら,遠慮なく,相談してね。

 ありがとうございます。先輩,ちょっと相談していいですか。

 もちろんよ。なんでも聞いてみて。

 ありがとうございます。最近,自分,ちょっと,前より,仕事に集中できなくなってる気がしまして。

 へー,そう感じてるんだぁ。

 はい,そうなんです。みんなそうなんですかねぇ。

 うーん,どうなんだろうねぇ。人にもよるかもしれないと思うんだけど,A君はなにか心あたりとかある?

 心当たりですか,そうですねぇ。だんだん,仕事がわかってきた分,その難しさもわかってきて,自分にできないんじゃないかと不安になってるんですかねぇ。

 なるほどねぇ。それは誰にでもありそうだね。

 D子さんは内心,こう思っていました。

 あれれ,A君,なんか本音で話してない感じがするなぁ。自分から相談したいって言ってきたのに,本音で話してないって,なんか不思議な感じだなぁ。ちょっと,もう少し,慎重に聞いてみようかしら。

 A君さあ,ほかにも,なにか不安なことってある?

 ほかですか,うーん,そうですねぇ。やっぱり,まだ,自分,新人なので,会社に迷惑かけることはあっても,会社に貢献することができてないから,それも不安ですかねぇ。

 あー,なるほどねぇ。A君さ,なにか仕事以外のことでもよいから,もうなんでもよいから,ちょっと人に話してみたいなってことってある?

 仕事じゃなくてもいいんですか?

 うん,そうそう,仕事じゃなくてよいから,なんでも言ってみて。

 ありがとうございます。

 実は,うち,母子家庭なんですけど,まだ,弟と妹が小さくて,母が仕事がんばってるんですけど,最近,おじいちゃんの体調が悪くて,母が介護してまして,ちょっと体力の限界にきてるんじゃないかと思うんです。

 そう考えると,心配で,なんとなく,集中できないんですよね。なんとかしてあげたくて。せめて,弟と妹たちの夕飯だけでも作ってあげたら,母もラクになるんですけど。

 あー,そうだったんだぁ。A君,よく話してくれたね。それならね,きっと,E部長に相談すれば良いわよ。E部長は,社員それぞれの事情をよくわかってくれる人で,前にも,家庭の事情がある社員さんに,個別的にいろいろ対応してくださってたのよ。だから,まずは,E部長に相談してみると良いと思う。私から先に話しておいてあげようか。

 いいんですか,ありがとうございます,本当にありがとうございます。

 その後,E部長の取り計らいで,A君は,特別に,フレキシブルな勤務で良いということになり,A君は,兄弟の面倒を見ることができるようになりました。

 そして,A君は,心配事がなくなって仕事のパフォーマンスが上がりました。

また,会社に,個別に配慮をしてもらえた,というありがたみから,モチベーションが大幅にアップしました。

そして,勤務時間内に猛烈に働いて仕事を仕上げるようになり,仕事の生産性が大幅に上昇しました。社内で一番がんばっている新人として,評価されるようになりました。

やったー,やったよー

聴き方:紙芝居型ブログ ブログ#228

「30分ミニ社員研修教材」
 できているようでできてない,
「人の話を聴く」むずかしさ,
紙芝居にしてみました。 

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<聴き方>

 こちらは,とある,食品製造会社に入社したA君です。

 A君は,もともと,この食品製造会社の商品の大ファンであったことから,この会社に入社することが第一希望でした。

やったー,厳しい就職活動を経て,ようやく,この会社に入社できたぞ。

よーし,おもいっきり,全力で,がんばるぞ。

 そして,ある日のことです。

> 

 会社って,大変だなぁ。覚えることがいっぱいあって,全然,仕事が進まないや。これが社会人生活ってやつかぁ。予想してはいたけど,ホント大変だな。でも,やりがいはあるよなぁ。

 ところで,この経費の精算ルールっていうのがよくわからないから,総務課に行って,誰か,先輩に,話を聞いてみよう。

 こちらは,総務課の先輩のB子さんとC子さんです。

 B子さんと,C子さんの,A君への接し方には,大きな違いがありました。

 こちらは,B子さんです。

あー,A君,お疲れ様。ねーちょっと聞いてよ。今日さぁ,満員電車で足ふまれちゃってさぁ。もうアタシって,もともとヒールが高い人でしょ,ホント嫌になっちゃうわよねぇ。でも,朝,はいった喫茶店で新製品のドリンクのお試しやってて,超お得って思って嬉しかったのよー。でも,思ったほど美味しくなかったんでビミョーって思ってさぁ。あ,でも,通勤途中でいつも見る猫がいてホント可愛くて,写真撮ろうとしたら逃げられちゃったのよねぇ。

 あ,そ,そうなんですね・・・大変ですね・・・

 このように,B子さんは,A君とよくコミュニケーションをとっており,かなり,いろいろとA君に話しかけていました。

 他方,こちらは,C子さんです。

 A君,おつかれさま。A君は今月入社したばかりだったよね。どう?順調かな?

 はい,順調でっす。

 へー,いいねぇ。A君ってフレッシュだよねぇ。今は,どこの部署にいるんだっけ。

 はい,営業3課に所属してます。

 あ,そうなんだ。じゃあ,部長が結構ランチご馳走してくれるでしょ。

 はい,そうなんですよ。いつも美味しいとこ,連れてってもらえるので,ラッキーです。

 そうだよねぇ。仕事はどう?おもしろいこととかあった?

 はい,営業周りについていかせてもらって,大口の契約取った直後の先輩のガッツポーズみて,自分も早く契約取りたいと思いました。

 おおー,いいねぇ。がんばってるねぇ。応援してるからねぇ。

 はい,ありがとうございます。

 このように,C子さんは,B子さんとは逆で,自分のことを話すよりも,人の話を聞こうとするタイプでした。

 さて,みなさん,このB子さんとC子さん,どちらに,A君は,経費精算の相談をしたと思いますか?その理由は何でしょうか?

 その後,A君は,また,悩んでいました。

 うーん,この大口の見込み客のお客さん,なんとかして,この契約,取りたいんだよなぁ。でも,ライバル会社とのコンペで勝たないといけないから,どうやって,ライバル会社に勝つかなんだよなぁ。プレゼン資料や根拠となるデータの多さで勝負するか,それとも,ほかの会社が思いつかないような,奇抜なアイデア・ユニークなアイデアで勝負すべきか,どっちで勝負すべきか,迷うなぁ。

 そうだ,やっぱり,大口契約を専門に扱ってる,営業1課に行って,先輩に相談してみよう。

 こちらは,営業1課のDさんとEさんです。

 DさんとEさんの,A君への接し方は大きく違いました。

 こちらは,Dさんです。Dさんは,すごい集中力の持ち主で,集中すると微動だにせず,動きません。かわいがっている後輩のA君が相談に来てくれたということで,全力で,相談にのってあげようと思っていました。

 D先輩,すみません,今,ターゲットにしている大口の見込み客のことで相談させていただきたいんです。状況は,これこれこうで,今こんな感じでして,かくかくしかじかで・・・

 A君は事情を説明しました。

 うん・・・,うん・・・,うん・・・。

 このように,Dさんは,微動だにせず,じっくりA君の話を聞いたのち,Dさんの今までの経験のすべてから編み出した,できる限りの最高のアドバイスを,A君に,してあげました。

 他方,こちらは,Eさんです。

 Eさんは,喋ることが大好きで,また,リアクションが大きい人でした。ただ,集中力がない面もあり,また,たまに適当なことを言ってしまう面がありました。自分の考えをわかりやすく人に伝えることが苦手で,人へのアドバイスも苦手でした。そのことは,社内に広まっていました。

 A君は,Eさんにも同じ相談をしました。

 E先輩,すみません,今,ターゲットにしている大口の見込み客のことで相談させていただきたいんです。状況は,これこれこうで,今こんな感じでして,かくかくしかじかで・・・

 A君は事情を説明しました。

 すると,Eさんは,このような反応をしました。

 ふむふむ,ふむふむ,へー,ほー,なるほど,なるほど。

へー,ええー,だ,大丈夫なの。え,ええー,それどうなったの,

あ,そういうことね。なるほどね。

おおー,すごいじゃん,いいねいいね。

やるじゃん。すごいじゃん,がんばってるねぇ。すばらしいね。

 Eさんは,A君の相談にこのような反応をしてから,A君にアドバイスをしました。

> 

さて,みなさん,A君は,D先輩とE先輩のアドバイス,どちらのアドバイスにしたがって,行動したと思いますか?その理由はなんですか?

 その後,A君は,また,悩んでいました。

 うーん,この契約書の作り方っていうのが,よくわからないんだよなぁ。

 契約書って,難しいっていうし,個別の状況ごとに併せて,細かく修正しなくちゃいけないっていうから,しっかりと相談しなきゃだな。

 よし,ちょっと,法務部へ行って,誰か,先輩に相談してみよう。

 こちらは,法務部の先輩のFさんとGさんです。

 FさんとGさんの,A君への接し方は,大きく違いました。

 こちらは,Fさんです。

 Fさんは,実は,とても記憶力が良い人でしたが,このことは社内では知られていませんでした。

 A君は,契約書作成に必要な条件をFさんに説明しました。

 F先輩,今,作ろうとしている契約書はですね,当事者が,甲,乙,丙,丁,戊の5名でして,新商品開発専属委託契約と守秘義務契約書の2種類を全当事者ごとに作ろうと思っていまして,特に,必須の条件は,わが社と共同での開発にはなるものの,開発の過程で特許権を取得できる発明が発生した場合はその特許から発生した利益は,74.52%をわが社の取り分とするという条項なんです。

 オッケー,じゃあ,あとで下書き作って送っておくよ。

 え,F先輩,メモとか取られませんでしたけど,今の,全部,頭に入ってるんですか?

 うん,こんなの,簡単じゃん,心配しなくてよいから,あとでメールで送っておくよ。

 このあと,A君が座席に戻ると,なんと,もうF先輩から,契約書の下書きが届いていました。

 他方,こちらは,Gさんです。Gさんは,記憶力があまり良くなく,また,事務処理スピードもかなり遅い人でした。そのため,逐一,メモを取るようにしていました。

 A君は,Gさんにも,Fさんと同じように,事情を説明しました。

 A君,ちょっと待ってね。メモを取って良いかな。ふむふむ,なるほど,あ,ちょっと待ってね,そこ大事だからじっくりメモ取らせて。ふむふむ,A君,ここってこういうことでいいのかな,あ,なるほど,オッケー。ありがと。じゃあ,下書き作ってメールで送るよ。

 こうして,二日後,Gさんは,A君から相談された契約書の下書きをA君にメールで送りました。

 さて,みなさん,A君は,FさんとGさん,どちらが作った,契約書の下書きを,採用したと思いますか?

 その理由は何ですか?