ビジネス書紹介

ビジネス書紹介25「新装版神経言語プログラミング」:ブログ#301

 経営相談・ビジネスコーチングの場面において、
「社員さんを成長させてあげたい」
「会社を任せられるくらいの人財を育成したい」
というご相談は多く、
 
 社員研修のご相談も多いことから、
日頃から、人の成長支援や人財育成に関する事、
脳科学・心理学に関する情報を
チェックしておきたいと思っているところ、
 
 リチャード・バンドラー先生の
「新装版 神経言語プログラミング」
(東京図書)
 
 を拝読しました。
 
 リチャードバンドラー先生は、
ウィキペディアによると、
ジョン・グリンダー先生と共同で、
人がどのように潜在意識的で影響を与え合うのかを研究し
言語学と催眠療法の融合した技法で1970年代初頭、国民の評判を得て、
今では全米に数百名、セミナーを提供するNLPトレーナーが存在している
とのこと。
  
 私なりの理解ですが、
本書で特に興味深いと思ったのは、
 
「多くの人は将来のできごとのうち
 不快の種になるようなことだけを頭に描き、
 それが現実となる前に不快な気分になっているのです」
 
との文章があり、まさに私もそうだ、と思いました。
 
 職業柄、ビジネスに関するリスクの相談、
そのリスクが現実化してしまった、
裁判になってしまったというご相談も多いため、
特に私はその傾向が強いのかもしれないと思いました。
 
 
 そこで、
この神経言語プログラミングでは
「頭の中で起こることをいくらかでも
コントロールする方法を見つけてもらいたい」
という趣旨で、書かれているそうです。
 
 自分のことになるとなかなかできないのですが、
ビジネス上のリスクについてご相談された場合には、
 
 想定されるリスクを思い付く限りの種類をリストアップし、
それぞの内容と被害の程度を想定してみて、
そのうえで、それぞれの予防策、対応策もリストアップしてみる、
ということを実施することが多いのですが、
 
 それをやりきったあとは、
ご相談者の方が、
あとはもう目の前の状況に集中することが重要と思われるものの、
 
 けれども人間ですから、
その後もなんども不安がよぎったりしてらっしゃるのかと思うのですが、
(私自身もそうですので) 
 
 その際に、この神経言語プログラミングの考え方のように、
リスクが現実化する前に不快な気分にならないほうが
良いのかもしれないと思いました。
 
 ほかにも、
 頭の中で起こることのコントロールの例として、
 
 嫌な仕事が手につかないときには、
それを片付けてしまった後のことを考えてみるというのも
とても面白いと思いました。
 
 私の場合、
ほかにも、
なかなか集中できない仕事があるときは、
 
 キッチンタイマーを用意して、
「5分だけやる」
というルールでやってみると、
5分ならいいかという気持ちで始めやすく、
はじめるともうちょっとやろうかなという気持ちになって
実際にはもっと続けられたり、
たまに、一気にやり終えたくなってきたりすることがあります。
 
 これも自分のコントロールの一種なのかもしれないと思いました。 
 
 ほかにも、
公園など屋外でやってみると、
なぜかとても集中できたりするということがあります。
 
 いろいろ試し続ける、
トライアンドエラーを繰り返して、
自分で自分をうまくコントロールするアイデアを
増やし続けていくことが良いのかもしれないと思いました。
 
 ありがとうございました。

ビジネス書紹介24「超人脈術」:ブログ#300

 経営相談・ビジネスコーチングの場面で、
経営者の方から
 
「社員同士のチームワークをもっと上げたい」
「社員同士がもっとお互いに助け合うようになってほしい」
「社員同士のコミュニケーションを増やして
   情報共有や連携力を強化したい」
 
というご相談が多くあります。
 
 そこで、こういったご相談に有用な着眼点・アイデアを
増やしておきたいと思っていたところ、
 
 メンタリストで有名なDaigoさんの
「コミュ障でも5分で増やせる超人脈術」
(マキノ出版)
 
がとても勉強になりました。
 
 Daigoさんは、
英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、
日本唯一のメンタリストとしてTV番組に出演、
その後、活動をビジネスやアカデミックな方向へ転換、
企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、
作家、大学教授として活動、
ビジネスや話術から、恋愛や子育てまで
幅広いジャンルで人間心理をテーマにした著書は累計400万部
という方です。


 
 私なりの理解ではありますが、
本書で特に興味深いと思ったのは、
 
 本書では、さまざまな心理学などに関連する
研究結果が紹介されており、
これに関する分析が
とても実践に活用しやすい内容となっており、
 
 たとえば、
 
=====================
 
・2004年にアメリカの世論調査機関である
 ギャラップ社が500万人という膨大な人数を
 対象に行った、「友達が個人に与える幸福度」
 に関する調査がある。
 
・この調査によると、職場に少なくとも3人の
 気心の知れた友達がいるだけで、人生の満足度が
 96%も上昇(約2倍)
 
・同時に、自分の給料への満足度は200%上昇
 (約3倍、額面は変わらないのに)
 
・職場に最高の友達がいると感じている人は、
 仕事へのモチベーションが約700%上昇(約8倍)
 
=====================
 
 とのことです。
 
 そうすると、
冒頭のように、
経営者の方からのご相談で、
 
 社員さん同士のチームワーク、助け合い、
コミュニケーションを強化したいというお話は、
 
 社員さんの人生の満足度(約2倍)、
給料への満足度(約3倍)、
モチベーション上昇(約8倍)につながり、
 
 社員さんにとっても会社にとっても、
良いこと尽くしであると思いました。
 
 経営者の方は、
この研究結果は知らなかったとしても、
直感的にこういうことに気づいているからこそ、
チームワークを良くしたいというご相談が、
とても多いのかもしれないと思いました。
  
 こういったご相談をいただいた際には、
現状を詳しくお聞きした上で、
どうすればその職場でチームワークをより良くできるか、
 
 現場の状況に合わせて、
一緒にアイデア出しをしているのですが、
 
 よく使われるアイデア・着眼点としては、
 
・チームワーク研修
・コーチング研修
・個人面談
・グループ面談
・チームワーク強化の仕組みづくり
(サンクスカード
 サンクスカードMVP
 小グループ飲み会補助
 小グループ旅行補助
 イベント 
 お世話係制度
 教育係制度
 失敗大賞
 家族参観日
 ペット参観日などなど)
 
などがあげられます。
 
 チームワーク向上のため、
社員研修を実施するというのは、
昔から定番であると思われ、
 
 未だに、よく行われている理由は
その効果にあると思われるのですが、
 
 特に、昔は、「飲みニュケーション」
が大きな役割を果たしていた、
 
 というのは、
お酒が好きな方が多く、
 
 上司がお酒と食事をごちそうしてくださることを
ラッキーと思う人が多く、
 
 同じ釜の飯を食った時間が長くなるほど、
そのつながりが太くなっていく、
コミュニケーションが強化されているという効果があったものの、
 
 それから、徐々に、
お酒を飲まない人が増え、
また、仕事よりもプライベートの時間をとにかく重視する、
という人も増え、価値観が多様化し、
 
 そうなってくると、
「飲みニュケーション」が成立しなくなってきている面がある、
(人によりますが・・・)
 
 そうなってくると、
業務の一環として集まる「社員研修」という場を活用して、
コミュニケーション研修をするという手段が、
やはり効果的ということで、
良く行われるのではないかと推察しております。
 
 社員研修以外にも、
職場の状況に合わせて、
さまざまな手法を用いて、
 
 職場ごとにマッチした、
チームワーク・コミュニケーションをアップさせる施策を、
トライアンドエラーが探し続けることで、
 
 社員さんの人生の満足度(約2倍)、
給料への満足度(約3倍)、
モチベーション上昇(約8倍)につながれば、
  
 社員さんにとっても会社にとっても、
良いことになると思いました。
 
 それと、上記の2倍・3倍・8倍になるという
研究結果自体を、
社内で共有することにも、
意味があるのではないかと思いました。
 
  
 
 ところで、本書では、 
「人脈術」のみならず
「幸せ・幸福」という深いテーマに触れられており、
 
 たとえば、
 
=====================
 
・幸福度の研究によれば、
 私たちが最も幸せを感じるのは、
 「自分の人生を自分でコントロールしている感覚」
 を持てているとき
 
・ストレスのない人間関係を作ること。
 自分を取り巻く人脈を、
 自らの意志で選択できること。
 それは、
 「自分の人生を自分でコントロールしている感覚」
 と密接につながる
 
・対人関係の充実が、
 幸福への一番の近道だと言える
 
・ハーバード大学やブリンストン大学の
 研究チームによる論文は、
 「年収が800万円を超えると
 幸福度は上昇しなくなる」と指摘し、
 「持っている金銭の多寡よりも、
 お金の使い方、休暇の過ごし方が重要」
 と分析している
 
・この種のどの研究にも共通しているのは、
 「お金を稼げば稼ぐほど幸せになるわけではない」
 ということ
 
======================
 
 とのこと。
 
 特に、興味深いと思ったのは、
たとえば、素朴なことですが、
 
 朝、一日の予定・スケジュール・やることの目標を立てて、
実際に、一日、そのとおりに予定をすべてこなせると、
とても充実した気持ちになれるのは、
 
 この「人生を自分でコントロールしている感覚」
に共通するものがあるのかもしれないと思いました。
 
 また、「柔軟計画カード」と名付けて、
名刺サイズのカードに、
毎月の目標を書いて一日一回それを見る、
 
 見たらカードの裏面の日付に丸をつける
(裏面がカレンダーになっている)、
 
というカードの丸付けを毎日やっているのですが、
一か月全部の日に、丸をつけられると達成感があります。
 
 これも、「人生を自分でコントロールしている感覚」
に共通するものがあるのかもしれないと思いました。
 
(柔軟計画カードは、社員研修の宿題的位置づけで、
 モチベーションキープ・行動管理サポートのために
 生まれたものです)
 
 さらに、A4サイズの用紙に書いている
「柔軟事業計画書」と名付けて、
柔軟に変更OKな「事業計画書」を作っており、
 
 これもスパンは一年間ですが、
ざっくりとした事業の計画をつくり、
毎月、その進捗を確認したり、
計画を修正するたびに、
 
 少しでも進行していることを確認できて実感が湧いたり、
「こうなったらいいな」ということをイメージして、
モチベーションキープになったりと、
 
 これも「人生を自分でコントロールしている感覚」
に共通するものがあるのかもしれないと思いました。
 
 本書は、ほかにも、
さまざまな興味深い研究結果がたくさん掲載されており、
とても面白く読ませていただきました。
 
 ありがとうございました。