2018年 3月 の投稿一覧

士業のためのバックエンドづくりその2 #55

今回は,

「士業のためのバックエンドづくりその1」
の続きです。

士業が,
コンサルティングの
バックエンドプログラムを作る際,
士業ならではの特殊性を
考慮する必要があります。

士業は,
その知名度から,

一般の方に,
だいたいのイメージが定着しています。

それは良い面もあれば,
悪い面もあり,

ある程度,
社会的な信用があるのは良い反面,

悪いのは,
よくあるイメージの先入観を持たれてしまい,
そこから抜けられないということがあります

(逆に,
無資格のコンサルタントの方が,
先入観を持たれずに,
自由に専門性のアピールができる結果,
活躍している人も多いですよね。)。

そのうえ,
昔と違って,

これだけ士業の数が増えると,
差別化ができなくなり,
数が増えると,
当然ながら,
価格競争に苦しむことになります。

価格競争から抜け出すには,
ターゲットを絞り,
差別化し,
ターゲットへの提供価値を増やすことで,

高価格でも
選ばれる存在になる
必要があります。

そのときに,
士業という先入観を持たれてしまって,

それ以上に興味を持ってもらえない場合,
専門性をアピールできない場合は,
その先入観はマイナスに働きます。

そこで,

①オリジナルのバックエンドプログラムを新たに作る,

②従来業務を改良してバックエンドプログラムにする,

③オリジナルと従来業務を掛け合わせて,バックエンドプログラムにする,

などの方法が考えられます。

では,具体的に,
どうやって,
バックエンドプログラムを作るか,

ですが,
セオリーとして言われているのは,
3C分析などと言われていますが,

①ニーズがあること
②得意なこと
③好きなこと,情熱を持てること

この3つを,
それぞれ,たくさん書き出して,
列挙して,
これらが,重なり合う分野を探す,
という方法が,よく言われています。

私が思うには,
この①から③の中でも,
やはり,①のニーズの比重が大きいと考えています。

逆に,③の好きなことを,
重視しすぎると,
絞られ過ぎてしまって,
見つからない,
という面もあると思うので,

ある程度,抽象化して,
広く考えるべきではないかと思います。

①のニーズの探し方は,
その前提として,

これもセオリーと言われていますが,
「ペルソナを立てる」
というもので,

理想の顧客,
毎日会ってもうれしい
と思えるような顧客を
思い浮かべ,

そのような顧客の
具体的特徴を考えて,

そのような顧客が,
どんなニーズを持ってるか,
なにに悩んでいるか,
を考える,

そのニーズを満たせること,
解決してあげられることを,
考えていく,
という方法です。

こういった形で,
バックエンドプログラムを,
作っていくことになります。

私の失敗談ですが,
中小企業診断士試験に合格したにもかかわらず,

自分のことになると,
こういったことが理解できず,

そもそも,
バックエンドプログラムを持つ,
という発想がありませんでした。

その後,
こういった考えになり,
バックエンドプログラムを作るまで,
2年ほどかかりました。

ご参考になれば,幸いです。

士業のためのバックエンドづくりその1 #54

士業は,
今後,

士業の数の増加や,
AIの普及のため,

今後,
ますます,
差別化すること,

AIなどに代替されにくい,
コンサルティングに,
注力することが大切,
とよく言われていますよね。

コンサルティングプログラムを
作るときに大切な考え方が,

「バックエンドプログラムを作る」
という考え方です。

お恥ずかしながら,
当初,私は,
このバックエンドを作る,

という発想を知らなかったため,
かなりの長時間に渡って,
遠回りをしてしまいました。

経営コンサルタントの国家資格である
中小企業診断士資格を取った時点でも,

自分のことになると,
理解できていなかったのですね。

私の失敗談です。

それで,具体的な話になりますが,
バックエンドづくりの注意事項があります。

バックエンドは
高価格にする必要があります。

我々は大企業ではないため,
スケールメリット(規模の大きさで優位性を作ること)
がないことから,
価格競争をすべきではありません。

むしろ,ターゲットを絞り,
提供価値を増やすことで
高価格戦略をとる必要があります。

特に,士業は,
自分が動かなければならない以上,
自分の時間単価を上げなければ,
労働時間から解放されないことと,

よくいわれることですが,
マーケティングのファネルを作って
運営する仕組みであるため,
バックエンドが高価格でないと,
ファネルを運営することが
できなくなってしまうからです。

(もしくは,動画を作ったり,
オンラインプログラムにしたりして,
自分不在でも回る仕組みを
考える方向性もありますね。)

これも藤堂の失敗談ですが
まずは自己分析からですね。

ジェームズ・C・コリンズ
「ビジョナリーカンパニー②」
156頁には,

「最高を目指すことではないし,
最高になるための戦略でもないし,
最高になる意思でもないし,
最高になるための計画でもない。
最高になれる部分はどこかについての理解なのだ。」
という文章があります。

藤堂の失敗談ですが,
藤堂は,バックエンドという考え方や,
その作り方を知らなかったので,
迷走に迷走を重ね,
現在のバックエンドに至るまで
2年ほどかかりました。

中でも,一番の失敗は,
バックエンドの核となるものは
自分の中にあるはずであるのに,
それに気づかず,
資格の勉強をしたり,
いろいろなセミナーに
手当たり次第に通っていました。

しかし,当然ながら,
あまり変化がないため,
まだ勉強が足りない,
まだ勉強が足りないと,
考えていしました。

先に,
軸となるものを決めてから,
必要な資格・情報を
取りに行くのであればよかったのですが,

そうではなく,
とりあえず,
資格が増えれば信用力が上がるだろう,

とりあえず,
セミナーに行けば
ツールが増えるだろう,
という考えを持ってしまいました。

今になって考えれば,
対外的に表示する資格が
増えれば増えるほど,
それを見た人からすると,
なにかの分野に特化した専門家ではなく,

いろいろな勉強が
好きな人と見られてしまう,

しかも,
超希少な資格であれば別ですが,
多くの場合,資格は,
差別化になるというよりは,
むしろ,一定水準を満たしていることを
証明する差別化の
逆の方向になることが多い
と反省しました。

この反省と,
上記のビジョナリーカンパニーの文章から,

バックエンドの中核になる部分は,
もうすでに自分の中にあるはずで,
自分の過去の経験の総体から紡ぎ出されるもので,
それがバックエンドの中核になる,

バックエンドの中核は,
今から勉強して作ったりするものではない,
そのため,まずすべきことは,
バックエンドの中核を探す自己分析で,

それが出来上がったのち,
バックエンドプログラムに必要な
資格やツールを取得していく,
という順番が好ましいのではないかと,
今では理解しています。

→「士業のためのバックエンドづくりその2」に続きます