ビジネス書紹介

ビジネス書紹介26「仮想空間シフト」:ブログ#302

 経営相談・ビジネスコーチングの場面において、
経営者の方から、

「指示待ちで、自分で考えて行動できる社員さんが少ない」
「会社で起きていることを自分ごとだと思って取り組んでほしい」
「モチベーションが低い社員さんをどうしてよいかわからない」

というご相談が多くあります。
 
 よくあるご相談ではあるものの、
その対策は、業種によって、会社によって、人によって、
ケースバイケースで、
 
 完璧な正解はだれにもわからないと思いますので、
私も一緒になって悩み続け、試行錯誤をし続ける
しかないとは思うのですが、
 
 その際に、少しでも、ヒント・着眼点になる情報を
仕入れておきたいと思っていたところ、 
 
 尾原和啓先生・山口周先生の
「仮想空間シフト」
(エムディエヌコーポレーション)

を拝読しました。
 
 尾原和啓先生は、
日本の執筆家・IT批評家で、
京都大学大学院工学研究科を修了後、
マッキンゼー・アンド・カンパニーに入り
NTTドコモの「iモード」立ち上げを支援し、
その後、リクルートや、Google、楽天などで活躍され、
インドネシア・バリ島に在住する傍ら、
経産省対外通商政策委員、
産業総合研究所人工知能センターアドバイザー
も務めておられます。

 山口周先生は、
日本の独立研究者、著作家、パブリックスピーカーで、
慶應義塾大学文学部哲学科を卒業し、
同大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程を修了し、
電通、ブーズ・アレン・ハミルトン、
ボストン・コンサルティング・グループ、A.T.カーニー
などで活躍された方で、
一橋大学経営管理研究科非常勤講師も務めておられます。
 
 このお二人の対談が収録されている本書はとても面白く、
私なりの理解ではありますが、

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 ギャラップ社をはじめとして、
各種のエンゲージメント調査を見ると、
「仕事に対して前向きに取り組んでいる」
といった設問のスコアは世界最低水準で、
一割弱しかないそうで、
 
 「やる気はないんだけど周囲に上司や同僚がいるし、
会社に遅刻するのもみっともないので、
一応はそれなりにやっているフリをしています」とのこと、
 
 これはリモートワークになると
もっとずっとやりやすくなってしまう、
とのこと。
  
 そうすると、
ミッションへの共感とか、
リーダーに感じる人望のような内在的刺激によって
仕事へと駆り立てることができる組織は、
みんながその仕事をやること自体に価値を感じているため、
問題ないが、そうでない会社は問題になる、 
  
 その結果、生産性の二極化が起きる、とのこと。
 
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 このお話を聞いて、
最近、聞いたお話を思い出しました。 
 というのは、コロナになって、
 
 リモートワークがうまくいってるという企業様のお話と、
リモートワークにしたらトラブルが連続したという企業様のお話、
二社の企業さまのお話を思い出しました。
 
 両方のケースの関連性がわからなかったのですが、
もしかしたら、上記のお話も要因の一つなのかもしれないと、
気づきました。
 
 すなわち、
リモートワークがうまくいく会社様といかない会社様で、
当然ながら、リモートワークがうまくいきやすい要因として、
業種・業態・社内環境・人間関係など様々な要因があろうかと思いますが、
 
 その一つとして、
社員様がその仕事をやること自体に価値を感じているか、
も要因であるとすると、
 
 これからの世界では、
社員様にいかに、
仕事自体を魅力的なものと捉えてもらうか、
さらには
魅力的に思われる仕事を生み出すか、
 
 ということも、
これから重要になっていくのではないかと思いました。
 
 この点について、
本書では、
 
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 今の若い世代は身の回りに安くて良いモノが溢れているから、
お金をたくさん稼いでモノを手に入れようという
モチベーション設計はできない、
 
 もうモノはあふれて、
そこに対して渇望するというのはない、
 
 その一方で、
自分の仕事や働きにやりがいを感じられない、
と言う人は非常に多い、
 
 だからこそ、みんなそこに渇望している、
これは市場原理で言うと需要と供給のギャップがすごいということで、
見方によっては凄いチャンス、
とのこと。
 
 上の世代は
「金やモノに飢えていて
 それを満たすために仕事を頑張る」
という価値観だったのが
 
「やりがいのある仕事に飢えていて、
 それを満たすためにはお金を払っても負い」
 
 という価値観にシフトしている、
 これが理解しにくいので
企業や経営者は、
生産性を上げるのが難しいのは、しょうがない、
とのこと。
 
 仕事そのものがエンターテインメントとして
消費される時代になっている、
 
 それをいかに提供するかというのが企業側の課題、
 
 いかに自分が熱狂して満たされる仕事に出会えるか
というのが労働者側の課題、
 
 そのためには、仕事の意味を提示しないといけない、
とのこと。
 
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 このお話をお聞きして、
冒頭のよくある経営者の方のお悩みである
 
「指示待ちで、自分で考えて行動できる社員さんが少ない」
「会社で起きていることを自分ごとだと思って取り組んでほしい」
「モチベーションが低い社員さんをどうしてよいかわからない」
  
についても、
このお話を踏まえて、時代の変化に合わせて、
対応策を、トライアンドエラーで
考え続ける必要があるのかもしれないと思いました。
 
 世代によって、もっと言えば、
個々人一人ひとり、
興味のある事、仕事へのやりがい、
モチベーション、将来への展望が違うので、
 
 なかなか難しいかもしれませんが、
コミュニケーションを取り続けることによって、
そういったことを理解し合い、
 
 仕事がいかにそれらにつながるのか、
ということを企業と社員さんで一緒にさがし続ける、
追求し続ける、
必要があるのかもしれないと思いました。
 
 そうすることで、
社員さん一人一人が、
仕事をすることが、
自分の興味、やりがい、モチベーション、将来への展望につながっていく、
というように理解されていれば、
 
 他人事ではなく自分事になることが増え、
そうすれば自分で考える回数が増えたり、
モチベーションが上がりやすくなるのかもしれないと思いました。 
 
 とはいえ、言うは易く行うは難しで、
実際にどうやればこれができるのかは、
これまた正解がわからないうえに、
職場によってケースバイケースで
一律の正解はないと思われます。
 
 すくなくとも、
一人ひとりの社員さんとのコミュニケーションを
どんどん増やしていくことになろうかと思いますし、

 企業側と社員さん側で
将来ビジョンに向けてどんどん歩み寄っていく
作業になると思われるので、
相当な労力になろうかと思われます。
  
 とはいえ、
何もしなければ変わらないうえに、
これから労働人口はますます減少し、
人手不足が予想されるため、
やはり対策は必要であると思われ、
 
 他方、なかなかこういった対策が
できる企業様は少ないと思われるため、
実施できれば競合に差をつけるチャンスになるのかもしれない
とも思いました。
  
 そのほか、時代の変化・展望に関する貴重な論考の数々、
とても勉強になりました。 
 
 ありがとうございました。 

ビジネス書紹介25「新装版神経言語プログラミング」:ブログ#301

 経営相談・ビジネスコーチングの場面において、
「社員さんを成長させてあげたい」
「会社を任せられるくらいの人財を育成したい」
というご相談は多く、
 
 社員研修のご相談も多いことから、
日頃から、人の成長支援や人財育成に関する事、
脳科学・心理学に関する情報を
チェックしておきたいと思っているところ、
 
 リチャード・バンドラー先生の
「新装版 神経言語プログラミング」
(東京図書)
 
 を拝読しました。
 
 リチャードバンドラー先生は、
ウィキペディアによると、
ジョン・グリンダー先生と共同で、
人がどのように潜在意識的で影響を与え合うのかを研究し
言語学と催眠療法の融合した技法で1970年代初頭、国民の評判を得て、
今では全米に数百名、セミナーを提供するNLPトレーナーが存在している
とのこと。
  
 私なりの理解ですが、
本書で特に興味深いと思ったのは、
 
「多くの人は将来のできごとのうち
 不快の種になるようなことだけを頭に描き、
 それが現実となる前に不快な気分になっているのです」
 
との文章があり、まさに私もそうだ、と思いました。
 
 職業柄、ビジネスに関するリスクの相談、
そのリスクが現実化してしまった、
裁判になってしまったというご相談も多いため、
特に私はその傾向が強いのかもしれないと思いました。
 
 
 そこで、
この神経言語プログラミングでは
「頭の中で起こることをいくらかでも
コントロールする方法を見つけてもらいたい」
という趣旨で、書かれているそうです。
 
 自分のことになるとなかなかできないのですが、
ビジネス上のリスクについてご相談された場合には、
 
 想定されるリスクを思い付く限りの種類をリストアップし、
それぞの内容と被害の程度を想定してみて、
そのうえで、それぞれの予防策、対応策もリストアップしてみる、
ということを実施することが多いのですが、
 
 それをやりきったあとは、
ご相談者の方が、
あとはもう目の前の状況に集中することが重要と思われるものの、
 
 けれども人間ですから、
その後もなんども不安がよぎったりしてらっしゃるのかと思うのですが、
(私自身もそうですので) 
 
 その際に、この神経言語プログラミングの考え方のように、
リスクが現実化する前に不快な気分にならないほうが
良いのかもしれないと思いました。
 
 ほかにも、
 頭の中で起こることのコントロールの例として、
 
 嫌な仕事が手につかないときには、
それを片付けてしまった後のことを考えてみるというのも
とても面白いと思いました。
 
 私の場合、
ほかにも、
なかなか集中できない仕事があるときは、
 
 キッチンタイマーを用意して、
「5分だけやる」
というルールでやってみると、
5分ならいいかという気持ちで始めやすく、
はじめるともうちょっとやろうかなという気持ちになって
実際にはもっと続けられたり、
たまに、一気にやり終えたくなってきたりすることがあります。
 
 これも自分のコントロールの一種なのかもしれないと思いました。 
 
 ほかにも、
公園など屋外でやってみると、
なぜかとても集中できたりするということがあります。
 
 いろいろ試し続ける、
トライアンドエラーを繰り返して、
自分で自分をうまくコントロールするアイデアを
増やし続けていくことが良いのかもしれないと思いました。
 
 ありがとうございました。